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29、いたずら

 刺激が欲しければバカになれ。


 バカとは何をさすのかといえば、何かがわからないさまだ。言い換えれば鈍感だ。

 恐がる気持ちや未来などを考えなくなれば危険なことをするようになる。

 危険なこととはいつだって楽しい物である。


 例えばチキンレース。

 チキンつまり臆病者程早くやめる、チキンじゃないと証明するためにぎりぎりを極めるレース。


 電車の待ち時間。10分。

 この時間に何ができるのか。

 駆け込み乗車はマナー違反。

 駆け込まないという条件下でどれほどの時間電車の列に並ばずに用事を済ませていくか。

 待ち時間を無為に過ごすようならチキンである。

 電車を逃したらバカである。


 売店で軽食を買うもよし、立ち食いそばを食べるもよし、トイレに行くもよし。

 いかにぎりぎりを極めるか。

 ただ刺激を求める。

 そんなあなたにおすすめ。

 なお遅れても責任を持つことはできない。


 日常のワンシーン。ただの1コマのバカである。

 それで得られる物はただの自己満足だ。


 だがそれがいい。


 今の俺にできるチキンレース……。

 見つめるくらいかな。

 わざと人を見つめて相手が目を反らしたら笑うとか。

 ちょっといらってさせて負けん気を引き出せたら勝ち。

 そこから俺に興味を持たせてなんでもいいから話をしていく。


 俺はまだ舌が短いし、そんなにはっきりと物がしゃべれていないだろう。

 ただはっきりしゃべることができないからって委縮して何も言わなかったら口の中の筋肉は鍛えられないし滑舌は悪くなる。

 しゃべることがないからと無口で過ごした挙句舌が回らなくて何をいっているのか理解できなくなった、そんな過去の失敗はもう繰り返したくない。


 ただイラッとさせる程度で本当に怒らせたら負け。

 あくまでもいたずらなのだ。

 本当に不快にさせたらそれはいたずらやお遊びにはならない。

 それは危険なシグナルになる。


 ターゲットは誰を選ぶ?

 まずはここが重要だ。


 両親?


 意外性がない。

 ただの甘えたがりに見えるだろう。

 それではつまらない。

 やるとしたら大きく人を巻き込むべきだ。

 関係性を広げること考えたら両親以外を選ぶべきだろう。


 誰に行く?


 ……スイさんに行こうか!


 他の人には割と良く絡みに行ってるからね。

 ここでスイさんに関われば関わる人の幅が広がる気がする。

 あざといかな? きっと大丈夫かな?


 なんでもやってみるが吉だろう。

 赤子の視線は割と意識を惹く。

 かまってあげたくなるものだ。


 かまってちゃん?

 かまってちゃんが悪いのはあまりにもできることをやらなかったり、まじめに行動しなくてイライラするからだろう。

 だが必要な時にだけ手を求めるのは少々可愛げがない。

 用事がない時にこの頃あまり関りがない人に声をかけるのはいいと思う。

 小さなことかもしれない。

 でもこれを怠った前世はあまり人と関わることができなかった。


 赤子になった今だから思う。

 人は誰かの支えをなくして生きていくことはできない。

 前世でいえば社会システムという見えない誰か達に支えられていたのだ。


 この世界ではどの程度福祉があるのかわからない。

 福祉があまりない世界で過ごすと考えたとき頼りになるのは身近な知り合いなのだ。

 多少かまってちゃんになったとしても、俺はたくさんの知り合いを作り、いざという時に備えておきたい。


 とりあえず今日のターゲットはスイさんだ!

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