23、魔力の進歩
「ニキさんっ! ニキさんっ! トイレ行きたい!」
「うん、あぁ、いいよ」
トイレに関して。
子供の体は我慢がしにくい。
でるかな? そろそろでるタイミングかな? と思ったらトイレに行く。
お漏らし? はっ! そんな羞恥プレイなどやってられるか!
どうせトイレを覚えるのが早い。早すぎる! と言われてもそんなの言葉の時点で異常なのだから別に大丈夫だ! ……たぶん。
ご飯? スルメしゃぶってますが何か?
噛めば噛むほど味が染み出て美味しいです。
たぶん別口でご飯はでるでしょう。
味のしない離乳食が。
スルメから回収できる魔力の量は離乳食よりも少ない。
合間につまんで食べていた炒り豆は離乳食よりも多かった。
この違いはなんだろうか?
魔力はこの頃何すればいいかわからないからとりあえず体の中でぎゅいんぎゅいん回してる。
体全体の魔力を動かしたり、手の中の魔力を高速で回したり、お腹の中で回したりである。
体の中で回す速度が速いほど保持してる魔力が減りにくいということに気づけたのは運がよかった。
そしてぐるぐると回すと魔力が回転の中央に集まり圧縮され、伸び悩んでいた魔力の量が再び上昇を始めた。
これ以上増やす意味?
特にないっ!
強いていえば少なくて困る事は想像しやすいけれども、多くて困る事は少なくて困る事よりも少ないだろうと思う。
少ない方がいいことがあったとしても、別にそれを俺がやる必要がない。
魔力が少ない人の数は多い人よりも断然多い……はずなのだから。
もしかしたら俺自身がしないと納得できないことがあるかもしれない。
今はそんな先の悩みはおいておいて。
魔力を増やしつつ、どうしたら魔法が使えるのか、早く知りたいな……。
この体から魔力を外に出すのはなんだか恐いしきっと違うだろうと思う。
たぶん魔力が溢れて暴発っていうのはその関係で出てきたことだろうと思うし。
方向性を持たないエネルギーが爆発となって具象化する。
ありえそうで恐いね。
爆発って酸素と化合する反応が急激に進んだ結果起きるんだけど、この場合はただエネルギーが無秩序に飛び交い周囲に衝撃を与えていくんだろうな。
何か出し方にも工夫がありそうなんだ。
杖や指輪といったものに魔力を流し込むことで特定の魔法を使えるようにするとかありそう。
魔力を出す物が電池で、杖や指輪みたいな道具が機械、そして火や水が出るのは電灯が点くような機械の起こす事象。
なんだかすごいありそう。
でもこの方式だとすごい恐いな。
規定以上の魔力を流したら回路破壊で大爆発。
恐いな。失敗したら街が吹っ飛ぶかもしれません、じゃ、おちおち魔法を使えそうにない。
あれ……だとしたら魔力そこまで増やしてしまうと危険……?
いや、それなら精度を上げればいいだけの話だ。
何%単位で使えるようになればいいかな?
指とかだと多すぎる?
体毛に魔力を詰め込んでそこから少しずつ放出すれば量の調整できるかな?
銃も火薬を爆発させてエネルギーを弾丸の推進エネルギーに変えるよね。
ということは指先に爆発に耐えられるだけの筒をつければ魔力を放出するだけで銃みたいに物を飛ばせるかも。
弾丸にしなくてもある程度指向性がつけば広範囲殲滅武器に……。
いや、日常使いをまず考えないとだ。
じゃないと「非常事態のみ魔法の使用を許可します」みたいな感じで不便極まりない生活をするはめになるかもしれない。






