22、食料事情
「ありがとうございますっ!」
「親御さんによろしくな!」
「大きくなったら買いにおいで!」
「坊主はいい子だな!これ食うか?」
雑貨屋さんの後は乾物屋さんに行き根菜やキノコなどの乾物や魚介類の乾物、ドライフルーツなどを買い(スルメをもらった)、お肉屋さんで塩漬け肉などを買ったり(すじ肉のスティックをもらった)、八百屋さんで豆類を買ってた(煎り豆をもらった)。
乾物屋の充実具合がすごい……。
これだけあれば旅の食事がけっこう華やかになる。
ビタミン的な問題も大丈夫だろう。
豆類をもやしにするだけでもビタミン欠乏症の大半は防げる。
東側は属性の影響で作物が出来やすいとかあるかもしれない。
西側がどうなのか気になるけれど、ここまで乾物文化が進んでいることを考えると、東側で採れた食料は他の場所へ乾物の状態で流通しているんじゃないか? って思う。
水だけなら魔法でどうにかできるだろうし。
みずみずしい野菜やシャキッとした物はともかく、食料がなくて飢えることは少ないかもしれない。
乾物屋の旦那とか転生者にいたのだろうか……。
食料に困る可能性が低いのはありがたい。
乾物は1人暮らしの強い味方だから料理する時が楽しみ。
出汁をとるもよし、煮込み料理の具材にしたり、乾燥状態で粉々にして料理に振りかけたり、水分の多い具材から水分を抜いて味を濃くしながら料理したり……あぁ、夢広がる。
にしても料理したい。レシピ見ないであぁなるかな? こうなるかな? 想像しながら料理するのは楽しい。
美味しいも大事だけど、1人で過ごしているとそれだけじゃ飽きる。
人に食べてもらうときはレシピを見て不味い料理を作らないようにするけれど、自分だけが食べる分にはどれだけ不味くても自己責任。
美味しくなればいいし、失敗してもどうして失敗したか、考えていけば先がある。
次は美味しくなるように改善できる。
ネットでこういう時はこうしたらよくなるよ? とか調べるのは楽しい物がある。
お肉を柔らかくするためにタンパク質分解酵素が含まれている食材、パイナップルやハチミツ、大根、キウイなどを使うといいとかな。
まぁ、今はそれができないから、試行錯誤を繰り返すしかないか。
そんな遊びをするにしてもまずは先立つものが必要だ。
お金と時間の余裕という先立つものが。
能力を鍛えよう。将来どうなるかわかったものじゃない。
行きたい世界がどこにあるのか、今の俺はよくわからない。
前世では結局何もできなかった。
今世では何かを成し遂げられる人になりたい。
人に聞かれた時何かを成し遂げた人たちの顔は照れくさそうだったけれど嬉しそうだった。
俺には到底できない顔だった。
何か成し遂げたい。
頑張ろう。






