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14、旅の始まり

 未来への予想がたてにくい。

 先を考えていくにはとにかく情報を集めることが重要だ。

 あと対応できるだけの能力。


 とりあえず歩くか。

 腕とか足とか体の丸みが大分取れてきたと思うんだけどどう思う?


 小学生くらいまでは神経の発達がメイン。

 だから筋肉をつけようとすると神経に傷がついたりしやすい。

 そんな話を読んだことがある。


 ……前世は運動音痴でさらに貧弱。

 運動ができることに強い憧れが俺には昔からあるのだ……。

 結局前世ではそこまで役には立たなかったが、しかしある程度の知識ならある。


 歩く、走る、柔軟、バランス感覚の強化。


 この辺りをメインにしていこう。


 体幹を鍛えるには前後の筋肉のバランスがよくないといけない。


 腕を上に伸ばしたとき背中が曲がる。

 腿を上げたとき軸足が曲がる。

 これは体幹ができていない証拠。


 正しい姿勢を意識する。

 背筋を伸ばして地面に垂直になるように。

 今はこれだけ。


 神経の成長を促すことを今の時期は考えていこう。

 走るにしても、平地で走るだけじゃなくて山の中とか浜辺とか足元が不安定な場所で走ったりしよう。

 木登りとかもやれば効果的だろう。

 昔取った杵柄と同じで一度できるようになれば後々伸ばすのは楽だ。

 とにかくいろんなことをしていこう。


 神経が成長して筋力とか育てやすい時期になるまでの我慢。

 今はとにかくできることを増やす時期。

 身体的にできない領域はともかく、腿上げの速度を速めたり、ゼロコンマ数桁のミリ単位で指を動かせるようにしたり、そういったことをしていく。

 絵を描くのも練習しようかな。

 現実のものをデフォルメして描くのはやり方ある程度覚えているし、前世よりも上手く物を描けるようになれたらいいな。


 技術練習から筋力強化。


 これが基本になるだろう。




「リク君。決まったわ。王都に行くの明日よ」


「え?」


「明日から私たちは家族は王都に向かうの。

 少し長旅になるけど我慢できるかな?」


「う、うん。母さん、僕、大丈夫だよ!」


「そう。いい子ね」


「王都までどのくらいかかるの?」


「2か月か、3か月か。何回か街に寄りながらヒッチハイクしながら行くことになるの」


「……大丈夫なの?」


「大丈夫よ、お父さんは強いから。

 並大抵のモンスターじゃ相手にもならないの。

 お父さんだけじゃなくて母さんだって強いんだから」


 ……よくわからない。


 何か不安を感じる。


 でもよくわからない。


 母さんの微笑みにはどこか余裕がなかった。


 それは空元気のように、虚勢を張るかのように。


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