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129、母さんは〇りきゅあ?

「言葉が軽い……か」


 言葉の重みとは何だろうか? そこにある信用性? 信用とは?

 何か前も考えたが、信じて用いる事だろう?

 俺は意図的に間違った事を言った覚えはない。


 嘘があればそこを辿って真実に辿りつかれる可能性がある。

 事実と異なる情報は実際の事象の示す情報と照らし合わせてみれば違和感を示す。

 嘘をつくくらいなら何も言わない方がまだましだ。


 隠したい情報があるなら、それに目を向けさせなければいい。

 より派手な情報を耳に入れればいい。

 偶然の賜物だが魔力の過多とかな。


「リク君ってちゃんと人と話した事があるの?」


 ないですがなにか? 黒い自分が出ちゃうじゃないか。


 リラちゃんは本当に3歳児なのだろうか? 嘘だろう。こんな3歳児いてたまるか。

 女の子は知恵付くのが早いと聞くが、ここまで早いものだろうか?

 いや、ちょっと待て、リラちゃんはおっとりしている様に見えて、いの一番に遊び場に来ていた女の子だぞ? 普通の女の子とは違って当たり前なのか? いや、そもそも普通の女の子とは?


「ないかな……」


 そもそもちゃんと人と話すのハードルはどの程度のものなのか?

 事務的会話か? これは最悪、目を合わすことなく終えられるぞ。

 雑談? 議論? 討論? ディベート? ディベートまで行くのはさすがにないか。


 いや、しかし、3歳児でちゃんと人と話した事があるとしたら天才だろう。

 ここが異世界だからか? 異世界は早熟になるのか?

 考えられる可能性としてとても高いだろう。


「じゃあ、私とちゃんと話をしよ!」


 前提としてここは異世界である。

 未だに人類はモンスターの脅威を受ける立ち位置だ。

 ともなれば早く1人立ち出来ないようでは困ってしまう。


 ……考えてみれば、魔力過多の俺はともかくとして、ルイ君にしてもリラちゃんにしても、この年齢での身体能力としては高すぎやしないだろうか?

 魔力? 魔力が影響しているのだろうか? 筋肉や骨格を補助しているとか?

 可能性は高い。体のバランス的にまだそんなに速く走れないはずなのに走れているのだから。


「うん、わかった。何の話をするの?」


 ニーナ達の存在を考えれば魔力という存在に意識を乗せる事が出来てもおかしくない。

 魔力そのものを記憶媒体や演算領域として利用していてもおかしくない。

 むしろ利用出来て当然とも言えないだろうか?


 記憶領域や演算領域として魔力を利用している場合、それが魔力に痕跡として残る事はないだろうか?

 その痕跡が強固なモノであるとニーナみたいな存在が出来上がるとか、そんな仮説は出来ないだろうか?

 だとしたら? これは何かに利用できるだろうか?


「……リク君? 何考えてるの?」


 エスパーか? テレパシストで思考丸読みなら俺はお終いだな。


「んー。力について?」


 記憶媒体として魔力を利用できるのなら、コンピューターの真似事ができるかもしれない。

 計算速度が上がるつまり、処理速度が上がるなら反射能力が上がるかもしれない。

 細かな魔力の流れを弄る事が出来たら大分大きいだろうな。


 出来たらとても面白い。

 他人に再現可能な技術であればネットみたいな事もできるかもしれない。

 いや、外付けでゴーレムでも作ってできる様にすればいいのか?


「むぅぅ」


 ……。分からない。そもそもだ。何を話せばいいんだろうか?

 今日の天気? 晴れてますが何か? 気候としては千葉の田舎の方に近いんじゃないだろうか?

 お互いどこから来たか? 車での移動が多くて、方向感覚が上手くつかめてないから俺がわからない。


 3歳児が気軽に外出できる場所ってどこにあるのだろうか?

 基本家の中で事は済ませてしまうだろう。

 学校という大きな家の庭で初めて外で遊べるというモノだ。


「ごめん、ごめん。ちゃんとリラちゃんと話すよ」


 しかし困った。俺は何をすればこの難題を解けるだろうか?

 共通の話題を作る? そのためにあやとりに手を出した。でもそれは失敗? だった。

 体を動かす? さっきしたばかりだ。歌を歌う? ここで? それはない。


 何億円あったら何をする? なんて思考ゲーム?

 そもそもこの世界での金銭感覚が俺にない。

 え、手遊び以外で何をしたらいいんだろうか?


「じゃあ、何を話してくれるの?」


 しりとり? 口での遊びか? 古今東西もあまり物知らない現状難しい。

 言葉遊びの類は不得意だぞ。何を考えてその言葉が出てきたのかわからないから。

 ラップ……。いや、なぜラップが出てきた? 頭の中でバンダナ被った青年が「チェケラッチョ!!」とか叫んでたが意味が分からない。


 チェケラッチョはヒップホップミュージックだったか?

 ヒップホップは文化で、ラップは歌い方? 聞きかじっただけの知識しかないな。

 知ったかは恥ずかしいだけでしかない。


「リラちゃんは何か好きなモノはある?」


 こういう事言わせるのはあまり好きじゃない。

 というよりも、この質問、俺がされたら割と困る。

 好きにしても、時と場合によるモノが多いからな。


 普段は特に何が好きとか考える事自体出来ていない。

 この中で選ぶとしたら? そういう選択肢の中で甲乙をつけるのはまだ出来る。

 だが不意に聞かれた時、何を答えればいいかがよく分からない。


 なぜならその質問には何かしらの意図が隠されていると予想できるから。

 今の様に場繋ぎの好みの質問の場合、それに対する理由とかも聞かれる可能性が高いだろう。

 しかし何かしら期待を持って聞いているのだ。その期待とは共通項があるかないかだ。


「エリ様っ! 万魔の魔女様っ!」


 ……。母さんなのかー。


 不意に来られるとすごく困る。

 というかなんだ? 1等級の面々を差し置いて、なんで父さんと母さんの人気がこんなに高いのだろう?

 庶民の英雄なのだろうか? ここまで技量が到達すれば1等級にすら1目置かれる存在に成れるという。


 母さんに関しては神話を読み聞かせてくれたり、日常に魔法を多用しているイメージが先行してしまう。

 後、父さんとすごいイチャイチャしているの。

 馬車の中とか、家の中とか、一緒にいる時はほんとにくっついてない時間があるのだろうか?


「そうなんだ? どこが好きなの?」


 有名人の息子だとバレた場合どうなるのだろう?

 騒がれる? 話を聞かれる? 狙われる? 狙われるのは今更感が強いな。

 考えてもみればここには1等級も多い。10年に3人という話だが出会った人の大半が1等級に近くなると目新しさがほとんどない。


 話を聞かれた場合、家庭での姿しか伝えられないが、伝えていいのかが分からない。

 イメージ戦略があった場合、それを壊してしまうのは良くない事だろう。

 世間一般での評価を知った後で、それに合わせて答えるのがベストだろう。


「すごいかっこいいのっ!」


 すごい。瞳に星が見えそうなくらいの笑顔だ。


 少女にとってのテレビの魔法少女みたいな憧れの対象なのだろうか?

 魔力量に関して母さんは3等級と高いは高いが、王都在住の人にとって高すぎない位置で身近だし。

 父さんというイケメンとくっつく事が出来たのを考えるとなお高ポイントじゃないだろうか?


 1等級というお空の星は鑑賞物になっても、同一視して楽しむ事は難しい。

 悪の組織ならぬモンスターを倒していく話はきっと爽快だろう。

 もしかしたら自分が出来ると考えたら猶更惹かれる事だろう。


 3等級以下は街中でも魔法が使えるという事は、市内に現れた小物? のモンスターを退治する衛視みたいな役割も担うんじゃないだろうか?

 母さんはそこのエースストライカーみたいなモノだとしたら?

 やはりプロパガンダ? 衛視局みたいなところから自分達はちゃんと仕事しているぞ! という宣伝も含めた示威行為があったんじゃないだろうか?


 やはり母さんの息子だとか迂闊な事は言っちゃいけない。


「ちなみにどんな風にかっこいいの?」














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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が内心で一人で考え込んでる描写が長くて多すぎる気がします。
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