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猫達の遊戯  作者:
9/12

九冊目:森の中の密会2

「連れてきた。それでは今後の行動について語ろうか」


黒は開口一番にそう言った。

が、黒以外には猫の姿が見当たらない。


「連れて来た?姿が見えないんだけど?」


朝徒は軽く周りを見渡すが猫の姿など一つもない。

黒は自分の影を小突いて呼びかける様に答えた。


「起きろ、姿を見せてやれ」


すると黒の影がモゾモゾと動いた途端、無数の黒い玉がふよふよと出て来た。

黒い玉は次第に集まり猫の形になった。

否、それは猫の形をした立体の影だった。


「はじめまして人間、私は神を喰らいし猫の一匹…こんな姿でも元は黒猫だから。まぁ、どうでもいいんだけど」

「えっと、はじめまして朝徒です。よ、よろしく」


黒猫は朝徒を見つめた。(とは言え影なので目は無いが)


「ふ〜ん、この人間が兄様と一つになるんだ…大丈夫なのコイツで?」


黒猫は興味をなくした様に朝徒から顔を背け黒を見た。


「問題ない、それよりも猫側の状況はどうなってる?」


黒猫は興味なさげに答えた。


「私達はこの土地から人を消すためにまず、人を一人残らず惨殺する事にした」

「惨殺…けどどうやって」


惨殺と言う言葉に朝徒は狼狽する。

焦る朝徒を一度見て黒猫は話しを続けた。


「方法に蠱髑こどくを使う。蠱髑の準備はもうほとんど完成してるよ兄様」

「そうか、なら我々も急がなくてはな」

「蠱髑って?…って、それより兄様!?黒が!?」


朝徒は黒と黒猫を交互に見た。

正直、今までの中で一番のびっくりだ。


「兄って黒は犬だし…アレは猫だろ?あれ?」

「ナニよ人間!私と兄様が兄妹じゃ変だと言いたげ?」

「イヤ、だって、えっ?」


黒猫はため息をついて黒に聞く。


「ハァ、マジでコイツで大丈夫なの兄様?」

「うむ、どうだろうな」

「駄目かも知れませんねぇ」

「っ、魔鬼さんまで!」


そんなやりとりを交えつつ、森の中の密会はまだまだ続くのだった。


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