八冊目:会話
おひさしぶりです皆様(>_<)
何とか生きてます!(マテ
久々の更新ですよ(本当に
いや、ホント超スローペースで
すみませんm(__)m
日は沈み、歪な月が朝徒を照らし出していた。
あれから痛みと疲れはとれ、今は普段通りに動ける調子だ。
なんでも一度慣れると回復は早いらしい。
「余り変わった感じがしないな…本当に鬼になれたのでしょうか?」
外見に変化はない、力がみなぎって来る…訳でもなく今までと変わらない感じだ。
「大丈夫です。きちんと鬼になりましたよ。正確には人間半分、鬼半分って感じです」
「そう…なんですか?イメージと全然違うので…角とか生えるかと思ってました」
魔鬼はきょとんとした顔で答えた。
「角ならもう生えてますよ?」
「えっ?何処にですか?見た感じ無いのですが…?」
朝徒はもう一度自分の身体を確認する。
が、別段変わった所はやはり無い。
「右手の肘、手首から肘の部分に収まっていますね。場所は個々変わりますが、鬼の角は殺気や闘気に反応して出現します…」
ふと、魔鬼は森の奥を見つめた。
朝徒も目を凝らして森の暗闇を見つめる。
「話しはここまでにしましょう。どうやら黒が戻って来たみたいです」
数秒すると暗闇から黒き犬が姿を見せた。
「連れてきた。それでは今後の行動について語ろうか」
こうして森の中で密会は再開された。
* * *
―――これはある屋敷の会話………猫と少女の会話―――
「月が満ちる夜に私達は行動を起こすよ」
「満月の夜?明後日にするの?」
「うん、明後日に私達は人を殺す」
「そっか、じゃあ猫さんと話せるのはあと少しだけなんだ」
少女は寂しそうに笑って猫を抱きあげた。
猫はうつ向きながら言った。
「幽…、この街から出て、そしたら幽は助かる。私は幽に死んで欲しくないんだ…私が言えた立場じゃないけど…」
自分が言えた立場じゃない。これからする事は人を殺すこと。
神様が私達、私だけを見てくれる様に起こした行動。
けど、私は幽を好きになってしまった。
贄である人を狩る立場でありながら人である幽を失いたくないとゆう矛盾………
その罪悪感から猫は幽を見れないでいた。
「幽…私は…」
「ごめんね、猫さん。それは出来ないよ。猫さんが神様を愛した様に、ここには私が愛してる人が居るから…朝徒をおいて逃げる事は出来ないの」
「朝徒…その朝徒と言う人と一緒なら………」
「どうだろう、朝徒は目の前で苦しんでる人をほっとけない性格だから」
「…幽、そろそろ行くよ。今日は楽しかった」
「私もだよ猫さん」
「…一つ約束して幽。もし、明後日――――――のなら、私と――して欲しい」
「猫さん…うん、いいよ」
「ありがとう…幽」
―――そうして少女と猫の会話は終わった。
空には歪な満月が浮かんでいた―――