三冊目:朝と黒の出会い
長らく御待たせしました。やっとこさ3話目です^^;
待っていた方もそうでない方も楽しく読んでいただけたら嬉しいです(^^)
神様を喰らった猫達の異変は明らかだった・・・
何故なら、九匹の猫達は異形の姿になっていた・・・
しかし神様の力を持ったのもたしかだった・・・・・・
神様が喰われてから一週間がたった。
姿を見せなくなった神様に人々は困惑の色を見せ始めた。
人々の頭首である≪神楽坂≫とその側近たる≪神名、如月、十六夜、雪乃嬢、鎖音、黒猫、浅偽≫そして≪神名≫に御使いする≪犬神≫が集まり神様の捜索を開始することとなった。
また、猫達も行動を起こすため準備をしていたのだった・・・
猫達は準備をしていた。犠牲になった9匹の仲間のもとで自分達の棲みかを取り戻すべく・・・
そう、人の言葉を借りると『れこんきすた』というらしい。
猫達は着々と準備をしっていった。人をこの土地から無くすために・・・
そして、その様子を遠くから覗いている一匹の≪黒き犬≫がいた。
日が既に沈みかけていた頃、≪犬神朝徒≫は一人捜索を行っていた。
ふと背中から引き寄せられる感覚を感じた朝徒は振り返ると黒き森から鋭き牙を持つ一匹の黒き犬がこちらを見つめていた。
朝徒は不気味さを感じ黒き犬から離れようとしたとき何処からか『声』が聞こえた。
「人よ、生き延びたいのなら私の話を聞け」
その声は黒き犬から発せられたものだった。
朝徒は驚きと恐怖が混じり合い混乱し黒き犬から目が放せなくなっていた・・・
黒き犬は朝徒の様子など気にもせず喋りつづけた。
「人よいくら探しても神はみつかりはしないぞ・・・神は殺されたのだからな」
朝徒は黒き犬の言葉をすぐに理解できなかった。
(神様がなんだって?・・・・殺された?)
黒き犬は淡々と事実を喋りつづける。
「9匹の猫によって神は殺されそして・・・喰われた」
黒き犬は朝徒に驚愕の事実を言いつづける。
「そして神を喰らい神の力を手に入れた猫達は人に復讐しようと棲みかを取り戻そうと準備をしている」
朝徒はなんとか冷静を取り戻しつつ黒き犬に訪ねた。
「君はなんなんだ?もしその話が本当なら何故僕におしえる」
黒き犬は朝徒を見つめ言った。
「神を力を得た猫の中に人に復讐する事を快く思ってない奴がいる………私はそいつに少しばかり協力しただけだ」
「本当の話なのか?」
「信じる信じないは貴様たち人の自由だ。もし生き残りたいと思うのなら明日この黒き森に来い」
そう告げると黒き犬は朝徒に背を向け黒き森の方へ歩き出した。
「まって君はいったいなんなんだ」
朝徒の声に黒き犬は振り返りただ一言『咎狗だ』と言い黒き森の中へと消えていった。
朝徒はただ森の中へと去ってゆく黒き犬を茫然と見ていることしかできなかった。
―――この出会いから朝徒は非日常へと足を進めて行くことになるとは今の朝徒は微塵も思ってはいなかった―――