二冊目:宴の終わり
翌日、神様と猫達だけの宴会が開かれました。愛しい神様との最後の宴会はそれはそれは豪華で楽しい宴会を開きました。
楽しい宴会の中、神様は気がつきませんでした。
―――そこに九匹の猫がいないことに………
宴会が終わり神様は聖地に帰ろうとすると目の前に三匹の猫が待っていたかの様に座っていました。
神様は三匹にどうしたのか問いかけました。しかし三匹の猫から返事はかえってきません、すると右から二匹左から二匹と猫がやって来ました。振り返って見るとそこには二匹の猫と一匹の黒き犬がこちらへやって来ました。
ただならぬ雰囲気に神様は戸惑いました。
すると一歩前に出た白猫が言いました。
「神様なぜ私達を見捨てたのですか?」
突然の問いに神様は白猫の言葉の意味が解りませんでした。
白猫はもう一度言いました「神様なぜ私達を見捨てたのですか?」
神様は言いました「私は君たちを見捨てたりしないよ、それに先ほどまで楽しく宴会をしたじゃないか?」
神様はやはり猫達の言うことが解りませんでした。
すると桃白い猫が言いました「貴方は人の言葉だけに耳を傾け私達の言葉には全然耳を傾けさえしなかったね」
そして白猫が言いました「人の創造を許しその行為をずっと許していた、そのせいで木々は伐られ山は削られ私達の棲みかが無くなっていった……貴方は私達の仲間がどれほど死んだか知ってますか?」
神様はようやく気づきました。
自分が猫達に何をしていたのか自分の罪に……
最後に桃白い猫が言いました。
「これは貴方の結末です」
その瞬間、神様の喉を黒き犬が食付き噛み千切りました。
そして猫達もカミサマを咀嚼し始めました。始めに白猫が頭を喰い、次に茶色の猫が足を喰い、次に双子の姉猫が耳を喰い、双子の妹猫が鼻を喰い,次に歳上の猫が目を喰い、次に紫の瞳の猫が腕を喰い、次にに狐色の猫が心臓を喰いました。そして黒猫が後始末をし猫達はカミサマを喰い尽くして一時解散しました。
そして最後まで残った桃白い猫は皆が居なくなったあと虚空を見つめ言いました。
「皆美味しそうに貴方を食べてたよ。だから私は最後に残った貴方を喰うことにするよ」
そして、桃白い猫は虚空に向かって喰いつき飲み込むとポツリとつぶやきました。
「これからが楽しい遊戯の始まり……ふふふ、アハハハハ」
―――満月が満ちる夜 、一つの魂が失われ一つの笑い声が響き渡った―――