昔と友達
目が覚めても前にはあの人がいた。いや、人に似た人がいた。
外見は完全にどこにでもいそうな少女だ。しかし、その後ろには黒い羽がある。完全に妖怪だ。服装も以前本で見た天狗そのものだ。
リエル「・・・きゅう」
そしてまた、世界が暗転する。
・・・前にここでハッとする。私は天狗をしっている。しかも、それを本で読んだことに驚く。
私には記憶がない。ある記憶と言えば、ここに来てからのことだけだ。なのに、今はそれ以前のことも覚えている。いや、思い出している。
いつの間にか、身に覚えもない場所にいた。
何処かの幾つも高い建物がある一角にある霊夢の神社ほどの建物。中に本がたくさんある場所。
その片隅に、見慣れない服を着た私がいた。
隣には『妖精の調べ』と書かれた本がある。そして見慣れない服を着た私は『世界の妖怪』と書かれた本を読んでいる。
リエルと書かれた紙を持って。
リエル「・・・えっ?」
なぜ、いまの私の名前が?
でも、私の目の前には私がいる。今の私なら分からないことも、こっちの私なら!
リエル「お願い!私の本当の名前は何!?」
彼女は答えない。まるで、ここには自分しかいないかのように。
リエル「お願い!答えて!」
彼女が何かに気づく。
リエル「お願い!」
こちらに振り向き彼女が口を開く、その瞬間。
私は、何者かに押し出されたような感じがした。しかも、その力は異様に強く、気がつくと建物の外にいた。
リメル「まって!聞かなきゃいけないことがあるの!」
だけど、その力は一向に収まらない。そして。
霊夢「リエル!」
霊夢の声にハッとする。
霊夢「リエル!大丈夫!?しっかりしなさい!」
リメル「えっ、えっと、うん」
文「それでは早速取材オット!?」
霊夢「黙れ。帰れ」
文「いいえ!こんな面白そうなネタがあるのに、帰れません!」
魔理沙「ネタ言うな。帰れよ」
リエル「?別に、一つだけならいいよ?」
文「では〜早速─────」
霊夢 魔理沙「「やめろ」」
リメル「えっ!?あっ、うん」
文「なっ、なんですとーーー!!」
一気に後ろへ後ずさる天狗さん。
文「ほ、本人の許可は得ましたよ!?いいじゃないですか!」
霊夢 魔理沙「「ガセネタは書かないか?」」
文「書きませんし書いてません!」
なんていう言い争いを続けている。
ということで一つ思いついた。あの人は記事にすることがほしいわけだから、嘘のこと教えてあげれば帰るんじゃないかなぁ?
リエル「天狗さん「文です!」・・・文さん答えると言ったけど条件があるよ?」
文「ふむ、条件ですか」
リエル「うん。できた記事は誰かに渡す前に、私に見せること。そして、私が変えて欲しい内容があったら、すぐに変えること」
文「なんだそれくらい簡単で「もう一つ」・・・へ?」
リエル「記事に書く内容は『私は霊夢と魔理沙の友達』ということだけ。これは絶対」
文「ムムムムム、わかりました」
リエル「それじゃ、すぐに帰る。今日は疲れてるから無しにして」
文「なら、また改めてお話し聞きにきますからね〜〜〜!!!」
そう言って天狗の文さんは帰っていく。