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魏のツンデレ登場

桂花かわいいよね。

妄想で毒吐きながらも行動がデレな桂花を想像しただけで悶え死にできそう。

 俺は今、城壁から陳留の街を見続けている。

 チラッと自分で気がついた事をボールペンで書いたメモ帳に視線を移し、また気がついたことを書いていゆく。

 こんなことを俺は10日ほど繰り返し続けている。

 10日の間ほぼずっと城壁の上にいる俺は緩やかに吹いてくる風を感じながらまた城壁から街を見下ろす。


====================================


 孟徳から呼び出しを受けた俺は朝食を食べ終わった後、自分の部屋に戻り筆記用具を軽く持ち孟徳の部屋へと向かった。

 孟徳の部屋の前には侍女が立っており、俺を見た瞬間警戒しだしたが1言2言話したら警戒を解いてくれて侍女の隣で立って孟徳の帰りを待つ事にした。

 俺は現在客将の身分なので、朝議とかいう朝の予定確認会議みたいなものには参加できない。したくもないが…。

 そして暇なので侍女さんと街の話や天気がいいから日向ぼっこしたいなどとのんびりした会話をしていたが、案外侍女さんたちは街の噂とかどこぞの料理店のアレがうまいだとかに詳しく、

後で行ってこようと言ったらお土産をよろしくお願いされてしまった。


「随分と楽しそうにしているのね」


 随分と話に華が咲いてしまい、結構時間が立っていることに気がつかず孟徳が帰ってくるまで続けてしまった。

 侍女さんたちが慌てて姿勢を正したが、まだ孟徳の視線が冷たく突き刺さり小刻みに震えている。


「俺の暇つぶしに付き合って貰ったんだ………彼女らは悪くない」

「あら、あなたはこの子たちの肩を持つのね」

「…………」


 不機嫌全開で部屋に入っていく孟徳を俺も追って部屋に入る。

 部屋に入ると一瞬歪な壁が乱立しているように感じたが、それが壁ではなく天井まで積み上げられた巻物の山だった。氣はたまにこういうところで誤認しやすいのが難点だ。

 その奥にある事務用の椅子に座ってこちらを見上げる孟徳が机の中から3つほどの箱を出してきた。


「早速で悪いけどこの中にある報告書のどれでもいいから自分で処理できると思った物をやってみなさい。その結果次第で判断するわ」

「……分かった。(条件厳しすぎないか?とも思うが)」


 そう言われ、アイマスクを取り左腕に巻き直した俺は3つの木箱から巻物を取り出して1つずつ内容を確認していく。

 目を通しながらも、今回の試験は難易度が高すぎる事に疑問を持つ。

 今差し出された物は既に孟徳の所にまで報告が上がって来ている。

 つまり、太守が裁く必要のあるものばかりの筈だ。

 それに孟徳の言い様からして複数実施して見た結果を見るのではなく、選んだ一つの案件の結果から判断しようとしてる事から、一発勝負で見極めようとしてるのは明らかだ。


 思考しつつも一枚一枚内容に目を通し続ける。

 中国語はかじった程度しか知らないので、詳細までは分からなかったが大体は理解できた。

 簡単にまとめると『財政』・『軍事』・『食料』に関する物だった。

 どれも客将の立場の者が処理する様な内容でなく、本当に孟徳は俺の実力を測ろうとしてる。そうでなければただの馬鹿である。

 どれにするかで悩んでいると、ふと孟徳の椅子の後ろにある籠の中に入っている巻物に目がいった。

 孟徳の背後にある籠には若干ながらも埃が積もっており、ここ数日は手も触れてないであろう事が見て取れた。


「…それは?」


 俺が指さした先を孟徳が見て「あぁ…」と小さく呟いた。


「これは街の治安改善に関する草案なんだけど、これがなかなか難しくて手をこまねいているのよ」


 所謂、塩漬け案件か。

 孟徳が入れ物ごとこちらに差し出してくる。

 巻物の表面には確かに"陳留治安改善草案"と書かれており、俺はその巻物を取った。

 中身を見てみたが多分民の出入りを制限するような内容であることはわかった。

 これをそのまま実施してしまえば、確かに流入は抑えられるだろうが、それでは民の間で不満が大きくなりすぎる可能性がある。

 逆になにがしかの対応をしなければ民が増え続け、放っておけば置くほど後々対処出来なくなる事態にまでなるだろう。

 だからこそ孟徳も若干言い淀んでいたし、困っていると、孟徳ですら即決出来ていない。

 難しい案件であるし、一発勝負で選択するには不適切なのには変わりはないが、これぐらいの物のほうが先ほどの3択よりも自分的には楽だと思う。


「これをやる。」

「…そう、わかったわ。その案件を1月以内にまとめて持ってきて頂戴」


 勿論勝算が全く無い訳ではない。

 この時代の人間ならば、街の治安維持の案件は重要な内容なのだろう。だが、現代…1800年先の世界で生きていた俺からすると大変なのには変わりないが難しいほどの内容ではない。

 ただ、その草案と報告書に書かれている内容だけでは分からない事が多いので、街を見渡せる所で実際に見てみないことには話が始まらないと思い城壁に登ってみることにした。


====================================


 それが10日前のことである。

 最初の3日間あたりまでは静かに観察してられたが、4日目あたりから城内が騒がしく何事かと行ってみたら俺が原因だったらしい。

 部屋に3日も4日も戻っていなかったから俺が出奔してしまったと勘違いしたらしく、俺が謁見の間に入ったときイライラ顔だった孟徳が安堵する気配を出しながらも、見惚れるほどの笑顔(目は笑ってないが)で半刻くらい説教をされられた。

 …正直、大げさなと思いはしたが、それを言葉にしよう物なら説教時間が倍に延長されるので黙っておく。

 それからは城壁の一角にいることを告げて解決(逃げたとも言う)したが、ずっとそこにいるので孟徳が心配したのか時たま兵士を送りつけてきたりしている。

 まぁ、たまに孟徳本人が現れることもあったが。

 だいたい1週間ちょっとで必要と思われる情報が集まったので改善案を纏めたメモ帳を持って孟徳の部屋に向かった。

 いつの間にか話し相手の常連みたくなっている侍女さんたちに通してもらい、孟徳の執務室に入る。


「珍しい客が来たわね、それで何の用かしら?」


 俺が来たことに若干驚きながらも目が笑ってない笑顔で椅子から立ち、こちらに来る。

 孟徳は身長が140cmと小柄なために少し離れていないと目線が合いづらく、結果両者とも首が痛くなることとなってしまう。


「あなた今、失礼なこと考えてたでしょ」

「孟徳がちっちゃくて首がいt……何をする?」


 急に首を狙った絶が飛んできて、避けると巻物に被害が出ると判断したので白羽取りで受け止めた。


「ちっちゃいって言うな、気にしてんだから。首刎ねられたいの?馬鹿なの?死ぬの?いえ、いっそのこと死になさい。」

「………」


 既に絶を振るってるし、しかもやっぱり気にしてるんだなと思いはしたが黙っておくに越したことはないだろう。

 執務室は鍛錬する場所ではなく、書物をする場所だからな。


「はぁ、あなたの対応してると本当に疲れるわ。もういい。で? 本当に何の用なの?」

「街の治安改善案を…持ってきた」


 そう言いつつメモ用紙を孟徳に渡す。


「なによこれ、こんな綺麗で丈夫な紙見たことないわ!それに文字も小さいのに鮮明に分かるなんて!筆ではありえないわね。それに何が書かれてるのか半分ほど分からないけれど。これは何なの?」

「これだ」


 報告よりもメモ帳とボールペンに興味が言って、若干興奮気味なのでメモ帳とボールペンを差し出す。 

 その上質な紙の束を見て驚愕したが、ボールペンの方は使い方も用途も分からないらしく首をかしげている。


「この棒は何?今の会話から筆…のようだけれど書けないわ」

「こう使う」


 孟徳の手を取りボールペンの頭の部分をカチリと音が鳴るまで押しこみ、ペン先が出てくる。

 興味津々で子供のように目を輝かしている孟徳を見ると年相応の少女の顔だった。


「なるほどね、筆先が乾かないようにの配慮なのかしら、でも筆先が金属だし…」


 そう言いつつメモ帳にペンを走らせる。

 当然のようにインクが出て文字が書かれていく。


「凄いわね、これ!」

「欲しいならやる」

「いいの!?」


 一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐにしかめっ面になって首を振った。


「いえ、こんな高価なもの貰えないわ」


 現代ならそこらへんで簡単に手に入るくらいのもので大げさだなとも思いつつ


「替えは持ってる。それにこれからは筆にも…慣れないといけないしな」


 それを聞いて孟徳はパァと嬉しそうな顔をしたが、仮にも自分は君主で相手は客将。

 威厳なんてないが威厳のあるような顔で必死に笑顔を隠そうとする。


「そ、そう。わかったわ。じゃあ貰っておこうかしら。あ、そういえばこれなんて書いてあるのかしら?」


 日本語が読めなくて当然なので説明していく。


「これはだな……」


 そうして治安維持をするためには一度区画整理をして、用途別に分けた区画を作ること。

 今のままだと賊が出なくて平和なこの陳留の噂を聞いて民が集まり街が大きくはなるが、乱雑に建物を建ててしまうと道がめちゃくちゃの永久に出られない迷路のようになってしまう。

 なので大きな括りでまずは住宅と店を分け、そこから店を用途ごとに分ける。それを一定の大きさに区切って道を十字型に定めることで街道の整備を行う。

 警備の質も上げたいが急には難しい、なので街の各所に警備兵の駐屯する建物を建て、決められた道の巡回にあてる。

 そうやって全部を事細やかに説明し終え、しゃべりすぎて喉が渇いたなぁと思いながら孟徳の反応を待つ。


「…………」

「…………」


 孟徳が信じられないと言ったような顔でこちらを見上げてくる。

 少ししてから正気に戻ったようで、満面の笑みで書類に目を戻し、物凄い速度で書物をしていく。


「凄いわ、無風。あなたの方法を取れば一気に街の治安が今より格段に上がるはずよ!」

「…まぁ、俺はこの街に来て日が浅いから微調整は孟徳達にお願いするしかないのだがな」


 素直に褒められるのに慣れてないせいか顔が少し赤くなる。


「確かにね、街の警邏する兵は期限を設けて交代制にするとして、民の一時的な仮住居もどうするべきかも考えなければいけないしね」

「失礼します。華琳様」


 すぐに机に向かって改善案をまとめようとした時、部屋に妙才が入ってきた。

 妙才は本来居るはずもない俺をひと睨みしてから、報告をしていいか孟徳を見た。


「無風は問題ないわ、報告しなさい秋蘭」

「はっ!では。陳留のはずれにある村の兵士からの報告で、そこから5里ほど離れた所の廃城に盗賊がいるとの情報を得ました。調査しましたところ、数は5千ほどで、体のどこかしらに黄色い布を巻いているとのことです」

「わかったわ、すぐに出陣の準備に入りなさい。無風も準備にかかって」


 流石というべきか、判断が早い。


「…わかった。軍師殿には俺から報告すればいいのか?」


 俺の言葉を聞いて孟徳と妙才の顔が若干歪んだ。

 何かまずい事言ったか?


「無風には言ってなかったかもだけれど」

「華琳様の軍にはまだ軍師と呼べる人材はいないんだ」


 その言葉を聞いてポカーンとしながら答えた。


「…………アイツはまだ軍にいなのか?」

「アイツ?誰か有望な軍師候補でもいるのか?」


 妙才が俺の言葉に食ってかかった。

 三国志もかじった程度しか知らないのでアイツが曹操軍に来るのがいつなのかよく知らない。


「ああ、たしか名はじゅんい……くっ!?」


 急に体の力が抜け、重力に抗えぬまま妙才に被さるように倒れる。


「っ!?貴様!ついに本性を現したか」


 妙才が俺を突き飛ばす、体に力が入らないのでそのまま後ろの棚に叩きつけられた。

 そしてそのまま床に倒れる。


「がっ!?」


 肺から空気が抜け、一瞬息ができなかった。


「秋蘭待ちなさい!なにか様子がおかしいわ」


 そう言って孟徳が俺に近づいてしゃがみこむ。

 妙才がの危ないという声を無視して俺の顔を覗き込む。


「どうしたの!?無風、しっかりしなさい!」


 なんとかしゃべることはできるようになったので孟徳の方に目を向ける。


「すまない、体が………動かない。恐らく後の歴史を先に口にすることが出来ないみたいだ」

「っ!…なるほどね。分かったわ。無風はもう喋らないで」


 それを聞いた孟徳は兵士を呼び俺を部屋まで運び孟徳も俺の看病につく。

 妙才も出陣の準備を怠るわけにはいかないので、仕方なく俺の部屋で戦の準備報告をする。

 次々に兵数、馬の数、武器、旗などの報告がされてくるが、肝心の兵糧の報告書がまだであった。


「兵糧についての報告書が出てないわよ、どうしたの」

「それが、まだ報告書が提出されていないんです。」

「華琳様を待たせるとは許さん!どこのどいつだ、叩き切る」

「…………」


 いつの間にか元譲も加わっての報告会で、案の定というか元譲が暴走していたが、俺はその騒ぎよりも兵糧についての方が気になった。


「俺が報告書を受け取りに行く」

「ダメよ、まだ安静にしてなさい」


 孟徳が起きようとした俺の肩を抑えて起こさせないようにしてくる。

 その小さな女の子の手に自分の手を乗せて孟徳の目を見つめる。


「客将に大将自らが看病してたら…示しが付かない。」

「何を言ってるのかしら。客将を饗すのは太守として当然の努めよ」


 俺はその手を退け、体を起こして立ち上がる。

 首を回すとゴキゴキとなって気持ちいい。


「…分かったわ、早く取りに行きなさい」


 何を言っても無駄だと思ったのか、静止の言葉を続ける事なく許可を出してくれる。

 そう言って直ぐに孟徳は部屋を出て行く。怒らせたか、せっかくの厚意を無駄にしてしまった。

 気にしててもしょうがないので、俺もサッサと部屋から出て兵糧の方に向かう。

 目隠しをしてから、兵糧庫あるの入口の方に行ってみるとネコミミフードをかぶった女がいた。


「よし、これでこんな場所ともおさらばできるわ。待っててください曹操様ぁ~」

「失礼。兵糧庫の責任者は…どこだ?」


 俺が声をかけるまで何を考えていたのか、ボーと虚空を見つめて昇天しそうな子がこっちを向いた。


「ヘ…?キャーーーーーーー!!!!近い近い!!」


 ずざざ~~とう効果音をさせながら後ろ歩きで俺から遠ざかる。

 

「何勝手に近づいてんのよ、妊娠しちゃうでしょ!!この精液まみれの発情期男!!!」

「……すまん?」


 すごい言われようで、謝ったほうがいいのか若干迷ったが、とりあえず謝っておくことにする。


「まったく、これだから男って生き物は。で兵糧庫の責任者は私よ。何か用?」


 大声を上げる前に俺が言っていた言葉をちゃんと聞いていたのか。すごいな。


「報告書を……預かりに来た」

「はぁ、なんであんたなのよ。ここの総括の責任者は夏侯淵将軍のはずでしょ!」

「孟徳に頼んで俺が取りに来ることにした」

「はぁ!?あんたなんかが曹操様とお話できるわけないでしょ?それとも何?あんた、お偉いどころの重鎮かなにかなの?」

「ただの客将だが…」

「客将!?客将の分際で曹操様と話せるわけ無いでしょ?それにあんた目隠ししてて客将なんて本当に客将かすら怪しいんだけど、目が見えなくて将が務まるなんて巫山戯てんの?」

「視力はある」

「じゃあなんで目隠ししてんのよ。あ、分かったわ。あんたそれ、自分でカッコイイとか思ってんでしょ。全然似合ってないしそんな子供みたいなことして恥ずかしいって思わないの?馬鹿なの?死ね!」


 なんかすごい罵詈雑言の数々にある意味関心してしまう。それに最後のは質問でなく命令形だったんだが…


「お前ら何をやってるんだ?」


 そこに妙才が現れた。


「いつまでたってもお前が戻ってこないから何かあったのかと思ったが、どんな言い争いをしてるんだ。全く」

「夏侯淵将軍!兵糧に関する報告書、出来上がりました」


 今のやり取りなんて無かったかのようにフードの女の子が夏侯淵に報告書を渡す。


「うむ、確かに預かった。"荀彧殿"」


 そう言って元来た道を戻ってゆく。

 荀彧という少女は、俺に目もくれずに立ち去っていく。

 俺も一旦部屋に戻ろう。

 そして部屋のある道の角を曲がった所で兵士に呼び止められた。


「あ、無風将軍!曹操様がお呼びですので謁見の間においでください」

「謁見の間?…あぁ、了解した」


 自分の部屋を通り過ぎて孟徳のいる謁見の間に向かう。


「やっと来たわね、無風」

「…………」


 魏の重鎮(といっても孟徳と元譲と妙才だけだが)とその前でひれ伏している荀彧が、下を向いたまま黙っている。


「あなたの言ってた私の軍師候補はこの荀彧のこと?」


 軍師候補という言葉にフードのネコミミがピクッとしたが気のせいだろう。

 俺も孟徳の言葉にコクッと頷く。

 恐らく執務室で言いかけた名前と眼の前の人物の名前が酷似していたので、そう問われたのだろう。


「噂の無風将軍に軍師候補と褒めてくださるとは、この荀彧、光栄です。」


 噂という言葉に首をかしげて孟徳を見る。

 俺の視線を受けてニヤリと笑った孟徳が答える。


「無風、腕は次元すら切り裂き、智謀は神のごとく、その類まれな力を天下万民に分け与える将っていう噂よ」


 オーバーを通り越してデタラメとしか言えないような噂に頭が痛くなった。バファ○ン飲みたい。

 というより、ここに来て日が浅いというのになんでそんな噂が流れたのか…。

 ………聞かない方が良さそうだ。

 そして何故荀彧が呼んだのかと聞くと、出陣する際に孟徳が決めた量の半分も兵糧がなく、なぜかと聞くと自分の策を使えばこの兵糧分で足りると、あの曹操に挑戦を吹っかけたらしい。

 それを聞いた俺は天才か、ただの自殺志願者しかないなとも思った。


「で、この荀彧の策を使えば確かにこの兵糧でも足りると私たち3人も思った。あなたはどう思う?無風」


 孟徳から渡された報告書を読む、確かによくできている。"普通"の軍ならこれでもいいだろう。

 しかし……。

 チラッとまだ下を向いている荀彧を一度横目で見てから孟徳の方を向き頷く。


「全員一致ね、顔をあげなさい荀彧」

「はい!……っ!?」


 顔を上げて俺を見た瞬間、「あー、さっきの繰り返しが起きるな」と予測でなく、予告した。


「な、ななななんであんたがここにいるのよ!」

「あら、知り合いだったの?」

「いえ、こんな精液まみれの目隠し中二病孕ませ機のことなんてまったく知りません!」

「…………」


 なんか単語増えてるし、なんで中二病とか知ってるんですかね。


「まぁ、仲良くしなさい。荀彧、私は姓を曹、名を操、字を孟徳、真名が華琳よ。」

「っ! 真名まで預けて下さるんて!私の名は荀彧、字を文若、真名を桂花って言います!華琳様!」

「なら桂花、あなたの策、私に見せつけてみなさい!」


 それから夏侯惇、夏侯淵、と自己紹介と真名の交換を終えて、俺も自己紹介したが、そっけない返事で返された。

 孟徳に真名を俺に預けるように言われて、マジでこの世の終わりみたいな顔をされた時には、一瞬本気でこの軍を抜けてやろうかとも思った。

 しかし、文若の策を成功させるには…俺が出張る必要があるだろう。

 出立の支度をしながら俺は笑ってただ一言。


「おもしろい」


 そう呟くのであった。

up主「と、いうことで桂花さん初登場から毒吐きまくり、いいですねぇ」

桂花「消えろ」

up主「なんといってもネコミミが桂花の可愛らしさを一段と上げてるよね!」

桂花「うざい」

up主「次回でも桂花さん期待しちゃいます」

桂花「死ね」

up主「とかなんとかいいながら、手伝ってくれる桂花は可愛いなぁ」

桂花「……バカ」ゲシッ

up主「では次回もよろしくおねがいしますねー」

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