土地神の正体
この世に神は存在するのか。
すると思えば居るだろう。
しないと思えば居ないのだろう。
神は有にして無。
1にして0。
全てはあなた次第です。
================苺里視点================
無風さんに魔力の使い方を教える事になり、一旦村に戻ってきた訳ですが……
正直有り得ないと思いました。
だって、私が独学で魔力を使えるようになるまで1年半、それでも当時の私は少し遠くの物を倒せるぐらいだったんですよ。
それを………たったの二日。
二日だけで無風さんは魔力をほぼ自分の物にしてしまいました。
まぁ、「魔力」と言っても基本は氣と何ら変わりはありません。
氣は体内から生まれる氣力を行使して強化するのに対し、魔は体外、つまりは大気中にある氣を行使するものです。
大地の奥深くにある気脈・龍脈から溢れ出る氣を集めるだけなので、構造的には氣と魔は内外の違いだけ。
と言葉で言うのは簡単ですが、それが如何に大変か。
それをたったの二日で自在に使える様になるなんて………無風さんは正真正銘の化物です。
「…………氣の使い方を熟知していれば簡単だろ」
「言うだけなら私だって龍を素手で倒せます。でも本当にそんな事をしようとしたら一生掛かっても無理です」
「…………前にも聞いたことある例えだな」
知りません!そんな事!
……でも、これでまた一つ無風さんに引き離されてしまいました。
無風さんはただでさえ私よりも強いと言うのに私の技術でさえ吸収して。
恐らく、本気の無風さんに勝てる人がいるかどうか分からない。
「…………いくぞ、仲達」
「行くって……もう行くんですか!?駄目です!まだ完全に習得した訳ではありませんよ」
「…………これ以上は時間が惜しい」
「駄目ったら駄目です!中途半端な技術で力を行使したら何が起こるか……」
本当はもう技術的には追いつかれてますが、練習量があまりにも少なすぎです。
技術は学ぶことも大切ですが、実際にやってみて経験を積むことの方がより大事ですから。
「…………大丈夫だ心配するな。何もいきなり高い技術を要求するようなものは使用しない」
「本当ですね?本当に先日のような無茶はしないでくださいよ?」
「…………分かっている。それに、恐らく使うのは一回だけだ」
「?」
無風さんの言っている意味が分からなく、首を傾げてどういう意味か続きを催促しましたが、無風さんはそれっきり黙って目的の場所に向かって歩き始めました。
================無風視点================
仲達が言いたい事など十分に分かっている。
ここを抜け出すのに無理して最悪死んでしまったら、ここを出る意味が無い。
それに一番重要な事が一つ。
飽きた
ずっと同じ動作を永遠と何時間も続けていたら誰だって飽きるに決まってる。
そろそろ実践で使ってみなければどの程度か知ることが出来ない。
なので、無理矢理に仲達を説得して問題の結界の前まで戻る。
氣や魔力の消費を極力避けるため、二日前に残した目印を残しておいた。
同時に結界が前回と位置が変わっていないかを調べる為にも。
それは結界が張り治されていた場合には、ちまちまと削っても意味が無くなるからだ。
問題の目印を見つけた所で、魔力を躰の周りに集める。
仲達から聞いた方法は氣の発動条件に似ている部分があったので直ぐに覚えられた。
まず、自分という個体を意識せず、周りに意識を向け、拡散している魔力を掌に収束し始める。
練習で貯めた力の何倍もおおきな力を集めるが、相当な集中力と体力を持って行かれ正直な話、体がだるい。
外から魔力を持ってくると言うが、これがかなり実行に移すのが氣を扱うのより面倒で難しすぎる。
今まで魔力を使ったという人物を見ない、聞かない理由もここにある。
例えれば、躰の内側にある氣はコップに入った水と過程すると、魔力は空気中の水蒸気だ。
コップに入った水は簡単に飲めるが空気中の水蒸気を集めて飲むのは無理…では無いが難しい。
「…………っ!仲達、下がれ。ぶっぱなす」
その言葉に仲達が素直に数歩下がった。
掌に集めた野球ボールくらいの魔力の塊を壁に向け、片方の手を片方の手の甲にクロスし、衝撃に備える。
ちなみに仲達が同じような事をしようとすると、パチンコ玉程度の大きさしか出来ないのを実際に見させてもらった。
やはりと言うか、魔力にも氣と同等に得手不得手が存在しているらしい。
しかし、そう考えると氣弾などの放出系も異能系の類になってくるのでは?という疑問が浮かぶが、まぁそんな事などこの際どうでもいいか。
「…………砕けろ!」
魔力の塊を一方向にのみ塊の維持する力を緩め、ホイップクリームの絞り器の要領で放出。
パリィィィィィィィィン!!!!
ガラスが割れた様な、しかし決定的に違う音をして、壁が消失してゆく。
「やりました!やりましたよ無風さん!」
仲達がもの凄い笑顔でこちらへと寄ってくる。
確かにまず一つ目の障害は何とかなった。
さて、次がそろそろ来る頃だろうな。
「さすがは無風さんです!これでもう―――っ!」
仲達も気がついた用だ。
殺気だけで殺されそうなほどの殺気を向ける"何か"が山の頂上付近から飛んでくる。
これは……誘ってるのか?
いいだろう、俺の前に立つというなら容赦はしないだけだ。
「…………いくぞ、仲達。土地神とやらを…拝ませて貰おうか」
「い、行くんですか!?あ、ちょ!置いてかないで下さい!」
仲達の声を無視し、山を登る。
時刻は既に夜を迎えていた。
少し、魔力を込めるのに時間を浪費しすぎたか。
途中、足場が悪い箇所があったので木々を枝から枝へ飛んでゆく。
意外だったのは、仲達も同じ様に木々を飛んでついて来れたという所だ。
後で聞いてみたら、間者にも成りすませる用にと小さい頃から練習していたらしい。
恐らくだが、司馬の人間は優秀な者が多くいる。
自分の身は自分で守らなければいけなかったのだろう。
同情はしないが、今までの仲達は相当苦労したんだなと複雑な気持ちを持ったまま、山頂付近にまでたどり着いた。
ここまで来ると、殺気を強く浴びすぎて気持ちが悪くなりそうなほどだ。
山頂のあたりは木が無く、ちょっとした草原のようになっており風がサァーと頬を撫でる。
その証拠に月が良く見え、とても幻想的な場所に見える。
どうやら土地神と呼ばれる生き物は山頂のど真ん中で座っている様だ。
そこから強い殺気と、その場所にだけ大きな岩を察知する。
敵を直に拝むため目隠しを外し、仲達と共にゆっくりと歩き出す。
緊張しているのか、仲達は一言も喋らずに後ろを着いてくる。
「…………お前がここの"主"……か」
「………」
仲達は唯唯、目を見開いてソイツを見る。
気持ちは分からなく無い。
何故ならばそこに居たのは………"狼"だった。
山頂に置かれた岩が尚も上を目指そうとするかのように尖がり。
その岩の頂辺、この山の最上部に座り、こちらを見る巨狼。
体毛は白……いや、真後ろから照らされる月の光によって銀色に輝いて見える。
他の奴等が見たら、神の使いだとでも言うかもしれない。
幻想的であり、それでいて座っているだけなのに圧倒されそうな力強さが体中に伝わる。
《結界を破ったのはお前らか?》
頭に響くように問いかけてくる銀狼は座ったままこちらを睨みつける。
「…………そうだ。少々邪魔だったのでな。破壊した」
《ふん。少しは出来る奴が居たか。だが、ノコノコとここまでやって来たのは間違いだったな》
そういって銀狼は一瞬目を見開いた。
と思った瞬間に俺の左斜め後ろで地面が爆ぜ、左腕あたりに土がビシバシと当たる。
《力の差を感じたのならばさっさと失せろ!特別に小童と小娘、お前らは出してやる》
月が銀狼の真後ろにあるせいで、逆光により見えにくかったが銀狼がニヤリと笑ったのがはっきりと見て取れた。
どちらが強者であるかを分からせるかの様に。
「…………クックック。アッハハハハ!!」
《……何がおかしい小童》
何が?
そりゃ笑うだろう。
どちらが強者であるかなんて、分かってないのはお前の方だ。
こんなに笑ったのは何時ぶりだろうか。
最後に笑ったのは黄巾党の時、劉備軍を指揮してみろと孟徳が言った時以来か?
そう考えると本気で笑ったのは久々だな。
「…………なら、力の差を見せてやる」
《その度胸は買ってやる。だが、俺に勝てるとでも思ってるのか?浅はかな》
言ってろ。
仲達に後ろへ下がるように命じる。
巻き込むだろうが、被害を最小限に抑えるためだ。
仲達が下がったのを確認してから、この世界に来て三度目の覇気を開放させる。
視覚・聴覚・嗅覚などの五感が研ぎ澄まされ、思考の靄も晴れてゆく。
正常な脳の活動を氣で活発化し、通常時よりもクリアになった思考でお互いを分析する。
だが、どう考えてもこちらが負けるという結果が出ない。
出ないからと油断はしないがな。
《なっ!?…面白い、久々に本気を出せる相手が来たか。いいだろう》
そして銀狼もその巨躯を持ち上げ、立ち上がる。
こうして見ると銀狼が凄く大きい。
全長5メートルほどか?
化物レベルだな、あ、化物か。
そんなことを思っていると、銀狼が岩の上から地面に飛び降りてくる。
ズズゥゥン
地響きを立てて着地し、お互い対峙した状態で銀狼と俺はニヤリと笑い合う。
何時如何なる時でも誰が相手であろうとも、自分の持てる力を出し尽くし己が強者であると誇示する。
戦うことでしか得られない優越感を求め、本能が、思考が、血が、己の全てが求める。
この感覚はとても心地よい。
人間としてでない、生きとし生ける物の本能。
《止めるなら今の内だぞ小僧》
「ほざけ、そっくりそのまま返してやるよ犬」
さり気なく小童から小僧に昇進している。
少しはこちらの強さを認めたか。
まぁ、昇進してるのか甚だ疑問だけど。
そんな事を思いながら銀狼を見ていると、輪郭がブレる。
輪郭がブレたと認知した瞬間、真横から途轍もない衝撃が体を襲い吹き飛ばされた。
そのまま地面に落ち、何度か軽くバウンドしてからゴロゴロと転がって止まる。
《ほう、今の攻撃を受けて何処も千切ぬか》
なろぅ、やってくれるじゃねぇか。
奴と同じ様に高速で真横に移動し、腹部にアッパーを叩き込む。
《ぐふっ!………ふふふ。ふはははは!!》
銀狼が数cm浮き、崩れ落ちたかと思ったらその状態のまま笑いだした。
《俺が攻撃を入れられたのは本当に久方ぶりだ!!もっと、もっとだ!!》
一見するとマゾにしか聞こえないが、言いたい事は分かる。
いいだろう、とことん付き合ってやるぜ。
================苺里視点================
無風さんが戦い始めてから数時間。
まるで想像も出来ない様な死闘が繰り広げられています。
私に気をつかってか、こちらの方向に来ることはありませんが、最初に無風さんが覇気を放った時に腰を抜かしてしまいました。
これからの事を考えると、覇気に耐えうる様に頑張らないといけませんね。
ちなみに無風さんと狼さんの戦闘は凄まじすぎて追いつけません。
一撃どちらかが当てる毎にこちらにまで衝撃が響いてきます。
しかし、そんな終わりの見えなそうな戦いでしたが、徐々に結果が見えてきました。
最初は狼さんが一撃を入れたら無風さんがお返しに一撃という風でしたが、それが次第に狼さんが一撃をいれたら無風さんが二撃、三撃と入れ始めている。
ですが、無風さんが圧倒しているというより、狼さんの方が動きが鈍くなって来ている感じですね。
どうなっているのでしょうか?
すると、お互いに少し距離を置いて戦闘が一時的に中断されました。
《がふっ。ど、どういう事だ。何故、躰が言うことを聞かんのだ。何をした!》
「簡単な事だ。俺が一撃入れる度に氣を流し込んで、お前の筋肉という筋肉を使わせていただけだ」
《何!?》
そういえば麓の村に居た時に聞きましたが、無風さんの氣の特性が異能系でしたね。
確か………活性化?でしたっけ。
以前、曹操さんの傷を治した妖術使いがいるという噂を聞いたことがありますが………まさか、あれが無風さんの能力なんでしょうか。
そして今回の会話から察するに、傷を治すのとは逆に躰に負担を掛ける事も可能、と見て間違い無いでしょう。
《ふ、ふはははは!!まさか俺を倒す人間が居ようとはな!これは愉快だ!》
狼さんは見た目、先程の戦闘で傷を負った風に見えないくらい立派に立っていますが、言葉から恐らく立っているのがやっとという事でしょう。
大分前に水鏡先生の所で読んだ本に、動物は怪我をしていても普通に振舞い敵に自分を狙う確率を上げさせないという項目を読んだ事があります。
少しでも自分が長く生きる為の動物の本能が働いているのでしょう。
仁王立ちして腕を組み、ニヤリと笑いながら無風さんが狼さんを見ます。
「少しは楽しめたな、ここまで楽しめたのは久々だ」
《小僧、トドメを指せ。名残惜しいがそれで終わりだ》
「トドメなど、するまでもない。既に立つのがやっとだろう」
そういって無風さんは腕組みを解いて狼さんの鼻先まで歩いて行きました。
「俺と契約しろ」
《ふん、断る!折角愉快な気持ちで居たのに興が削がれてしまったわ》
「いいのか?こんな所で朽ち果てて。俺ならばもっと色々な世界を見せてやるぞ」
その言葉に少し、狼さんが揺らいでいるみたいだけれども、それを答えるよりも先にまた無風さんが話を進めてしまいました。
「まぁ、その答えは後で聞く。それより、何故この様な事をした。趙苞は殺したんだろ?なのに何故怒りを沈めない」
最初、狼さんは趙苞が誰なのか本気で分からないといった顔をしていたけれど、雷を落とした相手と答えると直ぐに理解したようでした。
《あぁ、あの小童か。確かにアイツへの報復は既に終わっている》
「ならば何故だ。これ以上はお前にも利が無いぞ」
《分かっている。今回の件はあの小童とは別だ》
先程、無風さんにも小童って言ってませんでした?
狼さんからしたら、皆男性は小童なのでしょうか……
《問題は、誰かが俺の寝床を奪ったのだ!》
物凄い怒りを醸し出しながら狼さんは事の経緯を話始めました。
事の始まりは趙苞を殺した直ぐ後。
寝床に帰って来てみれば誰かがそこに侵入し、剰え強力な結界を張ったらしい。
この狼さん含め、土地神と呼ばれる者は自分の体内から溢れ出る氣のような力を寝床から地面に送り、力が辺りに充満しないようにしていると。
その土地が豊かになるのは副産物でしかないとの事。
土地神ほどの力を有する者が、寝床に入らず外に力を出していると、いづれ土地は死んでゆき、人にさえ影響が出る。
循環の方法がよく分からないが、森の木々が直接、土地神から力を吸収するのと間接的に吸収するのでは全然意味が異なってくる。
そんな最悪の事態を避ける為に力が人に影響を及ぼさない様に結界を張り、更に山のある一帯にも結界を張ったんだという。
なるほど、言われてみれば一応は神と呼ばれるほどの力が漏れているというんですから、それが人にどのような影響を及ぼすのか分かりませんね。
そこで、仕方なしの応急処置をしてどうしようかとしていた所に、誰かがその結界を壊したと。
まぁ、私たちなんですがね。
「なるほど、その結界、本当に強力なのか?」
《事実として、俺では無理だった》
神と呼ばれるほどの力を有しながら壊せない結界って……どんだけですか!!
「ならば、こんどは俺が行ってみるか」
そう言って無風さんは歩き出そうとした所でピタリと止まってしまいました。
「無風さん?」
「…仲達、すまない」
「え?」
たった二言だけ言って、無風さんはその場に倒れてしまいました。
「ええええええ!?な、無風さん!?大丈夫ですか、無風さん!!」
ゆさゆさと無風さんを揺すると、なんとか反応は帰ってきました。
そして、何時の間にか無風さんの氣がいつも通りの氣に戻っている。
「…………すまない、仲達。少し……寝る」
「無風さ…!………はい?」
聞き返そうとした所でスースーと規則正しい呼吸が聞こえてきました。
紛らわしいです!
それならそうと最初から言って下さいよ!
しかし、分からなくも無いです。
この村に到着して早々、結界の対処の為に麓から氣を張って調べ、魔力が必要だと判断して村に戻ったらぶっ綴げで魔力の練習。
それを終わらしたと思った途端に膨大な魔力を使って結界を破り、その足で土地神との戦闘で全力を出していた。
休憩の文字なんてありません。
よくここまで無風さんの躰が持ったと、本当に思います。
でも同時に、無風さんも人間なんだと当たり前の事ですが、思ってしまいました。
『こんな所でグズグズしてなどいられない』
その思いだけでここまで一気に突き進んで、果てには倒れるなんて。
その行動の源はやはり、"あの人達"の為……なんでしょうね。
羨ましい
その思いが心を支配する。
もっと早く、あなたと会えていたのならば、私もその中に入って居たんでしょうか。
《小娘》
「ひゃい!!」
そ、そうでした。
狼さんがまだ4本足で立っていたのを忘れてました。
思わず噛んじゃいましたよ。
恥ずかしいです。
《何故、あれだけ余裕だった小僧は倒れた。ここに来る前に怪我でも負ったのか?》
「ち、違います。ここ最近、ほぼ休みなしで来ていたので、疲れが出たんだと」
思えばここに来る前も、劉備軍に見つからないよう動いてここまで来たんでしたね、その疲労も溜まっていたんでしょう。
《……そんな状態の、しかも人間に俺は負けたのか》
「いいえ、貴方が負けた理由はたった一つだけです」
《何だと?なんだ、言ってみろ》
「……この人の愛の心です」
《愛だと?そんな物……》
「狼さん、貴方がこの人の愛をどう思うかは知りませんが、無風さんがここに来た原動力はそこから来ています」
《………》
「こんな所で足止めをされる訳には行かない。そう……行っていたんです」
《………ふ》
「?」
《ふはははは!そうかそうか。愛か!ふははは!今宵は今まで生きた中で一番愉快だ!》
もう何度目かしれない笑い方をして狼さんは笑っている。
笑うだけで躯の節々が痛いだろうに、それを噯にも出さず笑い続ける。
《いや、笑わせて貰った。その礼としてでは無いが……》
そう言うと狼さんの躯が淡く輝きだし、それが一点で集まり光の玉になったかと思うと、それが無風さんの躰に吸い込まれる様に消えて行きました。
《俺はここから動くことが出来ないからな、その代わりに少しだが俺の力を分けてやろう。それで俺に似た奴が召喚出来る筈だ。まぁ俺より遥かに弱いがな》
「……いいのですか?」
《今宵は存分に愉快な気持ちにさせてくれた。その礼だ》
案外、いい人(?)みたいです。
そして、無風さんの寝顔を見ていたら私にも睡魔が襲ってきました。
まだ、この狼さんは完全に信用できないけれど、睡魔には勝てず、ついに私も意識を夢の世界へと旅立たせてしまいました。
up主「皆さん、元気にしてますでしょうか?up主は元気です!」
華琳「そんな挨拶なんていいからプールに行きましょ。ほら早く」
up主「いやいやいや、良くないでしょ!?何考えてるの!?」
華琳「そりゃ、プールの事でしょう」
up主「ソウデスネー」
北郷「リア充爆発しろ!」
無風「…………と思った人は画面の前で中指を立てろ」
up主「何してんだお前らまで!そんなことしたら皆中指立てるだろ!」
北郷・無風((…………)思ってんじゃん)
華琳「いいからプール行きましょ!ほら!」
up主「嫌だ!殺される!」
北郷「誰に!?」
無風(…………北郷……自分で言って置いて、素で誰にとか言うか?普通)
up主「第一、一昨日も映画見に行ったじゃん!」
華琳「あの時は季衣と流琉も一緒だったじゃない!今度は夫婦水入らずがいいのよ」
up主「畜生可愛い!じゃ・な・く・て・!」
北郷「これ、春蘭に報告したらいいのかな」ヒソヒソ
無風「…………するなら秋蘭」ヒソヒソ
up主「聞こえてんぞ!そこの二人!春蘭になんか言ったらこの家ごと切られるわ!」
華琳「そんなことさせない!この私の命に変えても!」
up主「誰っ!?何かのモノマネか!?てか命を掛けるな!こんな家ごときに」
北郷「やっぱup主が居ると華琳が楽しそうd…『ガキィィン』」
華琳「一刀ー?その話はしない約束よね?やっぱり死にたいのかしら?」
北郷「ヒィ!?すみませんすみません」
無風「…………疲れる」
北郷「そんな事言わないで!でないと俺死ぬから」
up主「何してんだお前ら……」
華琳「なんでも無いわ、少し北郷を調教していただけよ」
up主「ん?あー『相棒が居なくて寂しいよぉ』ってやつ?」
華琳「一刀!!殺す!!」
北郷「up主ぃぃぃぃーーーー」
up主「まぁ、華琳が居なくて寂しいのは俺も同じだし、許しちゃれや」
華琳「━━っ!ふ、ふん!しょうがないわね、今回だけよ!」
北郷「た、助かった」
up主「まぁ皆さん、また次回お会いしましょう。これからプールにいかなアカンらしいので」
華琳「………バカ」ボソッ
無風「…………中指準備」
up主「やめてっ!?」




