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黒き風の実力

日々の疲れか夜11時に寝て起きたらすでに夕方という。

休日一日無駄にした。orz


2018/5/21 修正


up主コメント:

PCを変えたため、単語登録してあったものが全て初期化されました。

で、これもいい機会かと想うので無風のセリフにある「…………」をこれから修正するものは無くしていこうと思います。

文章としておかしいとの指摘を感想でも頂いてましたし。

 バゴギャン!

「おい無風!私と勝負しろぉ!!」


 ドアを粉砕しながら夏侯元譲が部屋に入室…もとい突進してきた。

 俺はというと、すでに起床しており、これから朝餉(あさげ)を食べに行こうかと着替え終わった所だった。


「はぁ…わかった。先に行って待ってろ」


 軽くため息をつきながら元譲にそう言うと「そうか!じゃあ、いくぞ!」と俺の首根っこ掴んで意気揚々と中庭に向かっていく。

 いや、だから先に行ってろって言ってんだろ…。

 それにしても…


「どうしてこうなった」


 そんな呟きを晴天の空に向かって吐き出す。

 その原因となる孟徳達との初めて出会った時の出来事を思い出しながら中庭に引きずられて逝く。


 ====================================


「私は絶対に許さん!私と勝負して勝ってから、華琳様の軍へ来ることを許してやる」


 突っかかってきている黒髪の女性の声を無視しながら思考の海へと潜る。

 金髪の少女、名を孟徳。そして今までの様々な情報を合わせて考えたら、結論が目に見えて分かり、頭が痛くなった。


「タイムスリップ…か」


 ありえない、そう思った。

 当然だろう?

 非現実的すぎて実はドッキリなのではないだろうかと考えたりもした。

 しかし、そうとしか思えない現実が今、目の前に合った。

 あの有名な孟徳が女の子である事を考えると、ただ過去の時代にタイムスリップした訳ではなく、パラレルワールドの過去に。

 一つに先ほどの山賊たちや少女たちの軍の人たちが持っている剣が日本刀のような刀でなく、柳葉刀と呼ばれる偃月刀の先端についてるような形の剣である。

 もう一つには彼女たちの馬に鞍がついていないこと。

 鞍があるのと無いのとでは乗り心地も安定感も違うのは馬に乗ったことがある人なら誰にでも分かることだ。

 それをせずに悠々と乗り回している所を見ると、鞍がない状態に乗り慣れている証拠である。


「おい!聞いているのか!」

「………」


 思考中の所に声をかけられて少し不機嫌になりながら、先に目の前の黒髪の女性を相手にしてからの方が良さそうだと判断し、しょうがなく先に少し付き合ってやるかと思い了承しようとした矢先、孟徳が口を開いた。


「春蘭、私が彼を軍に入れようとしているのにあなたは私の決定に逆らうの?」

「い、いえ。華琳様に逆らうなんて、そんなことは絶対にありません。」


 目に見えて春蘭と呼ばれた女性はシュンと犬のように大人しくなってしまった。

 もう一度、誰にも分からない程度に溜息を吐いて、二人の会話に入った。


「勝負」

「「えっ?」」

「勝負…してもいい」


 俺の発言を聞いて孟徳はこめかみに指を当てて疲れたよな表情をして、黒髪の女性は嬉々とした表情で…。


「そうか!なら今すぐ始めるとするか!」

「その前に…お前の名前を聞いてない」


 最初、「こいつは何を言っているのだろう?」といった表情で俺を見ていたが、まだ自分が名を名乗っていないことに気がついたのだろう。

 腰に挿してある剣から手を離し、俺と対峙する。

 大体の予測はついているが、確信がないために名を聞き、予想通りの名前が帰ってきた。


「私は姓を夏侯、名を惇、字が元譲という。今から貴様を切り伏せる者の名だ。覚えておけ!」


 夏侯元譲、目の間にいるのが曹孟徳の右腕にして呂布討伐の際に流れ矢で左目を失い、後に盲夏侯として語り継がれる武人。

 先ほど斬りかかってきた時も、流石というべきスピードとパワーであった。

 一瞬でも氣を集めるのが遅れていたら体を真っ二つに切り裂かれていたかもしれない。

 …というか、切り伏せたら駄目だろう。

 何考えてんだこいt……何も考えてなさそうだ。

 そして、本当に最低限の自己紹介は済ませた。

 後は勝負で語る方が目の前の女には手っ取り早いだろう。

 20mほど離れた位置に移動して元譲は剣を、俺は木刀を構える。

 そして気がつく。

 自分が思っている以上に体は高揚しており、力が入っている。



 俺は武人では無いが、家柄が家柄なだけに強い人間と戦えることに高揚しているようだ。

 今からするのは一歩間違えれば死と隣り合わせの試合だ。(眼の前の女的に)

 だが不思議と不安は全く無かった。

 口が自然と笑みの形になり、お互い示し合わせる事なく戦闘態勢に入る。


「元譲、尋常に」

「勝負!」


 剣を構えた元譲は一直線に突進しながら大剣を横薙ぎに振るってくる。

 予測していたそれを斜め後ろに跳躍することで横薙ぎの剣戟を躱し、その途中で空中廻し蹴りにて即頭部を狙う。

 元譲は木刀で反撃してくると予想していたようだが、これで元譲の攻撃を防げるはずがない。

 だって木刀だもの、本物の剣を相手に受けに回れる筈がない、()()()()

 しかし、ここには俺と元譲だけでなく孟徳や夏侯淵(ほぼ確定だろう)が見ている。

 出来ることなら手札はまだ見せないほうが良いだろう。

 そのため体術で捌き切るか、隙きを見て木刀で攻撃するしか今の俺には戦う方法がない。

 廻し蹴りを剣で防御され弾かれる。

 その反動を利用して空中で半回転し後ろ回し蹴りを元譲の剣を握る手元に放つ。

 流石に弾くことは出来なかった様で、防御するために剣の根本部分で衝撃を緩和させながら受け切る。


「なかなかやるな、無風よ!」

「ありがとよ」


 前に突進するように地面を踏み抜き、その途中でまた半回転する事で元譲から距離を取りながら再度対峙する。

 ニヤリとした笑みで元譲に褒められたが、その後真剣な面持ちをして剣を構え直し問いかける。


「…だが無風よ、貴様本気を出していないな?」


 流石というべきか、俺が本気でない事をすぐに見抜かれた。


「本気を出せ!でないと叩き切る!」


 切られたら困るんだけども。

 そう思いながら、本気を出してもいいかなと判断しかけたがまだまだ周りの状況を把握していない。

 だが、目の前の女クラスの実力者は居ないだろう事は元譲の剣を受けとめた際に見せた孟徳の表情から分かっていた。

 そのため、まだ本気を出さない方がいいだろうと判断した俺は…。


「6割…本気を出してやる」

「6割だと!?全力でこぬか!」


 そう叫んだ元譲の声を無視し、左腕に巻きつけてあった鉢巻を長くしたような紐を目に巻きつけ、視界を塞ぐ。

 ちなみにこの紐、結構な長さで後ろで縛った後、その紐が膝裏あたりまで長さがあったりする。

 紐が長いのはもしもの為の救急用具としても武器としても使えるからである。


「貴様!目を隠して私に勝てると思うのかぁ!ふざけるのも大概にしろ!」


 元譲は舐められていると思ったらしく、離れてるとは思えない怒声がこちらまで届く。

 視界を閉じたために、視覚で元譲の顔は見れないが、氣のおかげで視覚で見てるよりも鮮明に表情が見える。

 少し遠くでこっちを見ている孟徳が怪訝な顔で見ているのもな。


「巫山戯ているかどうか」


 そう呟き、先ほどとは打って変わった速度で元譲に突進し、左足にミドルキックをかます。


「戦ってから…判断しなっ!」

「ぐっ!?こいつ!」


 まさか正確に自分の位置を把握して攻撃してくるとは思わなかったのだろう、反応がだいぶ遅れ攻撃を直撃させられ距離をとった。


「ふっ、油断していたのは私の方だったか。いいだろう、本気の貴様を潰してこそ意味がある」


 元譲から隙が消えた。そして溢れ出るかのように醸し出した氣を俺の一点に集中しているのが分かる。

 そして勝負は再開したが、先ほどの状態ですら五分五分に近い状態で、片方がさらに本気を出したら、結果は明らかである。

 元譲が息を荒くし、剣を杖にして膝をついたのを確認して勝負は決した。


「ありがとう…ございました。」

「くっ!まさかここまでやるとは、お前の本気見させてもらったぞ。」


 元譲が不満げな表情丸出しでこっちを見てくる。

 しかし、


「本気じゃない」

「はっ?」

「6割と言った筈だ」


 呆けたような表情から驚愕の表情に変わっていく元譲の顔を見てるとなかなかに楽しい。

 そこに勝負がついたのを遠くから見ていた孟徳が近づいてきた。


「無風って強いのね、あの春蘭を赤子の手をひねるかのように倒すなんて。ますます欲しくなったわ、貴方」


 そう言って俺の周りを回る。その孟徳の不思議な行動に付き合わず真正面を向いて居ると。


「ねぇ、なんで目隠ししたままで私の居場所が分かるの?」


 俺が孟徳の方を向いていなくとも、意識がそちらを向いている事に気がついたか。


「足音で分かる」


 氣の事も含めてだが、隠していられるうちは隠しておこうと思ったが、


「そうね、質問が悪かったわ。何故目隠しをした状態で春蘭の剣を避けれたの?」


 隠し通すことは難しいらしい…。

 仕方なく素直に答えることにした。


「氣を使って見ている」

「「?」」


 二人して俺が何を言ってるのか分からないような顔をしている。


「孟徳風に言えば、覇気を使って周りの状況を見ていると言えば分かるか?」


 それを聞いてなんとなく理解したという孟徳が、いまだどういうことなのか理解できていない元譲に分かるように説明する。


「あのね春蘭、私の覇気は相手を従えるようなモノなのまでは分かるわね?」

「華琳様に従わない奴らでも、私が従えさせてみせます!」


 若干理解できてないようにも見えるが言うだけ無駄だろう。


「無風の氣は放出した氣を使って相手の位置や表情を把握するような気なのよ」


 おおまかに内容は合っていたのでそのまま黙っておく。


「おお!それはすごいな!無風、私にも教えろ」


 孟徳の噛み砕きまくって粉末状になったような説明を受けて俺に教えを請うてきた。


「構わないが、時間かかるぞ?」

「今すぐには無理なのか?」


 その問いにコクコクと頷く。

 言葉で言うより行動で示したほうが理解しやすそうだったので頷くだけに留める。

 ……別に説明するのが面倒とか思ってない。


「そうか、だが私も華琳様の役に立ちたいのだ。それが何年かかろうと私は習得してみせる!」


 時間がかかると聞いても折れなかったので、仕方なく承諾した。

 そこに軍を整理してた青髪の女性が戻ってきた。


「華琳様、軍の編成完了しました」

「わかったわ、すぐ帰りましょう。あと、この男も客将としてウチに来ることになったから」


 そう言って孟徳が俺を見る。


「姓は無風、名は雛だ。よろしく」

「ああ、私は夏侯妙才だ。以後よろしく頼む」


 夏侯淵はそっけない態度で返事をする。あまりよく思われていないのだろう、主人の真名を勝手に呼んでしまったのだから仕方ないことだが。


「ところで、無風は何故目隠しを?」


 そこはどうしても気になったのか聞いてきた。


「……」

「まぁ、無風の普段通りらしいわよ?」


 代わりに答えた孟徳の言葉を聞きながら「はぁ…」と納得したようでしてないような返事をする。


「じゃあ、帰りましょう。全軍!!陳留へ帰還する!!」


 孟徳の号令で全員陳留へ帰還した。

それが俺と孟徳達の初めて出会った時の出来事だ。

 ====================================


 全然昔じゃないが感慨に耽ながら元譲の相手を軽くして、遅めの朝餉を取りに行く。

 ちなみに陳留へ来て正式に客将として入った時に3人の真名は預けて貰えたが、真名で呼ぶ気はまだない。

 そう孟徳に言った時は「許してる真名を呼んでくれないってことは自分が認められてないと一緒なのよ」と機嫌を損ねたのか、周りの温度を幾分か下げるような冷たい言葉で言われたが、心情を隠すことなく「その通りだ」と返した。

 俺はまだ認めてない。誰も。

 それを聞いた孟徳は不機嫌な表情を一変して不敵な笑みで好きにしなさいと言った。

 すぐに認めさせてあげるとも。

 従者2人の方は納得いかないような顔をしていたが、孟徳が許してることもあって、

 渋々とだが了承してくれた。

 なお、元譲の方は俺に孟徳が真名を許した事に対してだったみたいだが。


「あら?雛じゃない」


 飯を探そうと厨房に入ると、孟徳が調理をしてる最中であった。

 君主がそんなことしてていいのかよとも思い、聞いてみた事があるが「私を満足させるような料理が無いから、自分で作ってるのよ」と言っていた。

それに適当に返事したら、毎回の事ではなく、そういう気分の時だったと追加で説明をされた。

別に疑ってねぇよ、そんな事。


「おはよう」

「おはよう、この時間に厨房に来るってことは春蘭の相手をしてたのね。お疲れ様」


 一度クスリと笑ってまた調理に戻ってゆく。

 俺も何か作ろうと材料を見てゆく。


「あなたの分も作ってあげるからそこで待っていなさい」


 食卓の方を目で指しながら手は止めずに言われる。


「わかった。お願いする」

「承りました」


 軽く巫山戯たようなやり取りをした後に食卓にて料理を待つ。

 香ばしい香りが辺りを充満してきたのを待つ事数分して孟徳がこちらに料理を持ってくる。


「はい、炒飯よ。お上がりなさい」

「…孟徳の事だから、凝った料理でも出すのかと思った」

「朝から、そんなに重たいものなんて食べられないわよ。手軽で美味しく、されど一品物として通用する一品。そのくらいがちょうどいいのよ」

「それはそれで難易度高けぇだろ…いただきます。」


 孟徳の料理は趣味なのだろうか、美味しい上に綺麗に盛られている。

 料理店で食べるような料理、ただ味がそこんじょそこらでは食べれないくらい美味しいが。


「あ、そうだったわ。あとで私の部屋に来てくれない?あなたの武官としての腕はもう知っているけど、文官としての腕も見て把握しておきたいの」


 孟徳は炒飯を食べる手を止めて俺に後で孟徳の執務室に来るよう言ってきた。

 自分はあんまり文官としての仕事は向かないと思っているが、孟徳が把握しておきたいというのだからやらねばなるまい。


「…わかった。」


 ちゃんと口に入った物を飲み込んでから返事を返す。


「えぇ、それじゃよろしくね」


それから二人して黙々と食事を続けた。

俺よりも量が少なかったのか、はたまた食べるスピードが早いのか…前者だな、食いしん坊には欠片も見えない。

ともかく、孟徳は俺よりも先に食べ終え、皿や調理器具を流しに起き、瓶から水を汲んで水に浸した。


「食べ終わった後の皿は流し場に置いとけば侍女の誰かがやってくれるからそこに置いておけばいいわ」


 そう言って孟徳は調理場を出て行く。


「……美味いな」


ふと口に出して呟いてから、孟徳に美味いと言ってなかった事に気がついた。

後でちゃんと伝えておこう。


「これは一つ貸しが出来たな」


何か孟徳にとって新鮮な食べ物が無いか、そんな事を考えながら匙を動かし続けた。

up主「up主と」

華琳「華琳の」

up主&華琳「「謎解説コーナー」」

up主「今回は何故?って思っていた部分を少しだけ答えようというコーナーだ」

華琳「で、実際どこが謎なのよ」

up主「それはね、主人公の持ち物」

華琳「あぁ、確かにあれは『何故?』って思ったわね」

up主「あれね、実はリア友に『異世界に飛ばされるとして、1つだけ持ってけるとしたら何を持ってく?』っていう質問の答えなんだよ」

華琳「ぼぉるぺんやめもちょうなら分かるけど、がびょうや砂糖って何考えてんのよ!」

up主「いやいや、あれでも結構まともなんだよ?案の中には戦闘機やメガ粒子砲とかいうのもあったんだから」

華琳「………」

up主「そんな目で俺を見ないでください。あ、ちなみに私はブルード○ージュです。最近ハマってて」

華琳「あんたも一緒ね、まったく。まぁそういうことでこのこーなーおしまい!」

up主「ではではまた次回~」


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