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覇王の気を持つ者

最近、自分の知識に自信が持てなくなってきた。

なので恋姫を最初からやり直す(`・ω・´)

焔耶可愛いです!


================華琳視点================

 それは少し前のことだった。

 管路という占い師が予言した噂

『天空より飛来する光に乗り、光りし衣を着た男が地に舞い降り世に安寧を与えん』


 これを普通の占い師が予言したのなら、ただの与太話だと一蹴する。

 しかし、管路という占い師は未だに占いで外したことがないという。

 そして今回の報告……幽州啄郡五台山に流星が落ちたとの報告が合った後、そこの統治者である公孫賛の元に『天の御使い』なる男が現れたという。

 天の御使いは類い稀なる智謀で義勇軍を率い、急激に成長しているらしい。

 ただ、その内容だけで見れば無風にも同じ共通点が多々ある。

 誰もが思いつかない政策を出したり、ここら周辺でも一位二位を争う猛者をも軽く退けられる力。

 そして何よりも不思議な道具や食べ物の数々や見慣れない鞄など。

 無風と最初に出会った時には、流星も管路の噂もなかったが、彼が天の世界の住人である可能性は十分にある。

 そうでなければ彼と同じことを考えつく人間が他に居てもいいはずだし、有名になっている筈だ。

 

「確証が欲しいわね。誰かある!」

「なんでしょうか?華琳様」

「無風を呼んでちょうだい、聞きたいことがあるわ」

「わかりました。無風将軍をお呼びすればよろしいのですね。承りました」


 侍女に無風を呼んでもらう。

 いつもならば護衛の季衣か流流に頼むのだが、彼女らは少し離れた村で義勇軍と黄巾党の戦闘があり、義勇軍が不利だと知りながらもその戦闘に参加したとの報告が伝令により

知らされている。

 こちらの兵に多大な被害が出てしまうが、彼女たちは黄巾党に自分の村ではないが、近くの村を襲われ燃やされて、ひどい現実を思い知らされている。

 今の自分たちには力がある。

 力があったら助けに入ってしまうのは彼女たちらしいと言えばらしい。


「…………呼んだか」

「えぇ、ちょっと聞きたいことがあるの?」

「…………なんだ?」

「あなた、天の御使いの噂はもう聞いてる?」

「…………あぁ」

「単刀直入に聞くわ。あなたも天の御使いと同じところから来たんじゃないの?」

「…………いや」

「じゃあ、あなたはどこから来たの?真名の存在を知らないだけなら五湖の出身だって線もある。」

「…………」

「でもね、あなたほどの知識はこの大陸中を探しても居ないだろうし、あなたほどの猛者も居ないわ!」

「…………落ち着け」

「落ち着いてるわよ!」

「…………天の世界なぞ………知らん」

「えっ?」

「…………確かに俺は別の世界から来た………が」

「…………」

「…………少なくとも、俺は俺のいた世界が天だとは………思わない」

「……そう」


 彼自身からすれば、自分の居た世界は天ではないかもしれないが、私たちからすれば天と大差ない世界なのだ。

 あなたが私に見せてくれたその智謀は凄いが、彼自身穴があると言っていた通り、気づけば穴が見つかる。

 知っているが詳しくはない、つまりそれは彼にとってそれが"当たり前"だったということに違いない。

 私たちからすれば革命とも言えるモノが当たり前な世界は、やっぱり私達からすれば天のような場所なのだ。

 

================無風視点================


 管路の予言を初めて聞いた時に、いつかこうなる事が分かっていた。

 孟徳は俺を離そうとはしないだろう。

 俺の知っている孟徳ならば次に来る言葉も想像できた。


「私のモノになりなさい。無風」

(私のものになれ、と)


 分かりきっていた。

 分かっていたからこそ、もっと早くに此処を出て行くべきだった。

 だけど、いつまでも此処に居座り続けていた。

 そして分かりきった返答を返すことも。


「…………断る」

「私の部下になれと言っているのではない。私の横にいなさい。無風」

「…………断る」


 その返答に孟徳が泣きそうな、悲しそうな顔をする。


「どうして…駄目なのかしら?」

「…………今の孟徳に俺は重すぎる」

「そんなことないわ。それにあなたには恩を売ってあるもの」

「…………かなり貢献したと思うが?」

「えぇ、確かに陳留の街はあなたのおかげでとても栄えた。でもね」

「…………」

「あなたは、私が真名を許しているのに呼ばない。許した真名を呼ばないのはとても失礼なことよ?」

「…………別に孟徳だけじゃ…」

「あら?知らないとでも思った?流琉の事、真名で呼んだでしょ」


 まさか知られているとは思わなかった。

 だが、それほど驚いていない自分もいた。

 孟徳なら知っていてもおかしくは無い。

 心のどこかでそう思っていた。

 お前と一緒だと本当に面白い、孟徳。 


「流琉だけ真名で呼んで、他を呼ばない理由でもあるなら言ってごらんなさい」

「…………典韋はお前より幼い………それが理由だ」

「どういう事?」

「…………典韋に心配をかけた時」

「あの時がどうかしたの?」

「…………仲直りするのに、一番手っ取り早かった」

「…………」


 そう、子供と仲直りするときは欲しいものを上げれば機嫌を直す。

 毎回やってはいけないが、その子が一番欲しいものをあげる事によって子供は機嫌を直す。

 典韋は元々出来た子で、欲しい物は無かったがして欲しい事は知っていた。

 真名で呼ばれること、それが典韋が欲しがっていた物だと予測していた。

 そして、それが一番手っ取り早いと思った。

 そういうことだ。


「あなたは、何でも最短距離で行こうとするのは何故なの?」

「…………毎回そうではない」

「えぇ、知ってるわ。でも、だからって私の真名を呼ばなかった事を許す気はないわ」

「…………」

「私の横に立ちなさい。そして私のためにその智謀を使いなさい」

「…………」

「無風!!!」


 そこで孟徳、いや華琳の前で本物の"俺"を見せてから決めてもらうのが"一番手っ取り早い"と思い…


「…………なら…」


 今まで抑えていた"覇王"の気迫を解く。


「っ!?」

「なら、この本当の俺を………素の俺を受け入れられるか?」


 一気に周りの音が遠のく、練兵の掛け声も、廊下で口論する文官の声も。

 華琳の足が震えだす。

 当たり前だ、今まで俺の気迫を間近で受けて立っていられたのが華琳を除いて一人しかいない。

 逆によく立っていられたものだ。

 まぁ、覇王の気を持つ者同士としてこれしきで参られては困る。

 そして、何故俺が覇王の気を持っているのか。

 それは無風流の時期当主だった俺も、帝王学を学んでいたからだ。

 例え王の気が出せなくても、統べる者の立ち位置にいた俺は、父同様帝王学を学び、覇気を使えるようになった。

 なってしまった。

  

 徐々に歩いて華琳に近づく。


「こんな俺を受け入れられるのか?華琳」

「ぁ……い………いや」

「華琳の欲しがってる俺を受け止められるか?」

「いや……い…や……!」


 少しずつ華琳に近ずくが、華琳が俺を拒んで距離を取ろうと後退する。


「なぁ、華琳?そんなに俺が欲しいか?」

「いや……来ないで!」


================華琳視点================


 いきなり無風の纏う雰囲気が変わる。

 口調まで変わって、まるで別人のように。

 そして、彼の出している"モノ"は自分もよく知っている。

 それは覇気、一部の人間が出せる統べる者の気。

 まさか彼が覇気を使えるとは思わなかった。

 そして彼の気に当てられて本当に統べる者がどちらかなのかを思い知らされる。

 魂が、体が、私という人間が彼の気を拒む。


「いや……いやっ!」

「どうしたんだ?華琳?」


 彼が私の真名を呼ぶたんびに真の私に声が響いてくる。

 『抗うな』と真の私に響く。

 そして私自身、彼を受け入れられない拒絶の言葉を口にする。


「いや……来ないで!」


 その言葉を発した瞬間に、彼の溢れんばかりの気が収まっていく。

 無風がそのまま扉の方に向き直り、部屋を出ていこうとする。


「ま、待ちなさい!無風!」

「…………お前には………無理だ」


 顔だけこちらの方に向け、いつもの無表情で私に断言する。

 でも気のせいだろうか。

 目隠しで見えてないはずなのに、彼の目が悲しみに染められていたような気がした。


「ご報告します!」


 ちょうど無風が部屋を出ようと扉を開けた瞬間に兵士が駆け込んできた。


「許褚殿と典韋殿より報告!義勇軍に加勢して黄巾党を撃破しましたが殲滅までは行わず」

「殲滅しなかったですって?そこまで被害が大きいのか!?」

「いえ、義勇軍の被害は大きいですが、我ら曹操軍は被害が少ないです」

「では何故、殲滅しなかったのかしら?」

「敗走した敵兵に数人の兵で後を追わせ、敵の要所を探るために殲滅致しませんでした!」


 驚いた。

 正直彼女たちは人や村を助けたい一心で不利な義勇軍に加勢したと思っていた。

 それがどうしたことか。

 敵を倒した後に自分たちに益を持たせるための行動にまで出れるとは思っても見なかった。

 しかし、引っかかる。

 その違和感が正しければ…


「それは季衣か流琉がやったの?」

「いえ、お二人の指示ではありますが、それを教えたのは無風将軍との事です」


 やっぱりあなたが絡んでいたのね、無風。

 私たちがこの乱世で生き残るための一手をまた一つ打ってくれた。

 まだ私の覇王としての覚悟は定まっていない、けれど!

 

「…私はあなたを諦めはしないわよ。無風」

「…………楽しみ………だな」


 楽しみと言った。

 つまりはまだ待っててくれるのね、あなたは。

 私も必ず追いついて見せる。

 あなたの横に立てるように頑張ってみせるわ。


「それで、今この時に報告に来たということは、その要所を見つけたということね?」

「はい!それで本隊に来て欲しいとのことです!」

「分かったわ、すぐに準備にして出発する。休む前に桂花の所に行って呼んできてちょうだい。」

「畏まりました」


 そう言って兵士は部屋を出て行く。


「そういうことだから、無風も準備よろしくね」

「…………分かった」

「あ、そうだわ。言い忘れてた」


 部屋を出ようとした無風を呼び止めて彼に近づき小声で話しかける。

 まだ先ほどの恐怖心が拭いきれないが、彼が何かするわけないと分かっているために近づく。


「さっき天の御使いの話をしたわよね、幽州に落ちたって。」

「…………ああ」

「まだ、私と桂花しか知らないけれど、実は"もう一人"いるのよ」

「…………」

「陽州の丹陽にも流星が落ちたって報告があるわ」

「…………つまり」

「そ、私たちからすれば"3人の天の御使い"が存在するわ、ただ…」

「…………ただ……なんだ?」

「陽州の方の御使いは"全く情報がない"の」


 そうなのだ、陽州に向かわせた間者が帰ってこないのだ。

 恐らく殺されたのであろう。

 

「だから、気をつけなさい。無風」

「…………」

「まぁ、今は目の前の事に集中しましょう」


 そうしないと、今度は離れられなくなってしまう。私が。


「すぐに出発するわ。この一手で曹操の名を天下に轟かす!」


 覇気を身にまとって行軍の準備をするため、玉座の間に向かう。

 彼のくれた好機を逃してはならない、私の野望を叶えるためにも。

 立ち止まってはいられない。 



流石ですね無風さん、もう何でもありすぎてやばい。

次期師範代でナンバー2の位置に居るだけあるね。

少し厳しめの華琳様やってみようと思ったが、無風がチートすぎてあかん。

次回、ついにほんわか爆乳娘現る!!

キャラ増えてきて分けるの難しくなりそう……

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