表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/46

バスト戦闘力90越え……だと……?

 翌日の昼休み、深刻な表情を浮かべている海未ちゃんに呼び出された時点で嫌な予感はしていた。


「まず聞きたいのだけれど、なぜ雅まで発情しているの?」

「そ、そういう時期なんじゃないかなぁ……」


 夏休み明けに大きくイメチェンをする子はいるけれども、梅雨の時期にそれが起こらないとも限らない。

 私からすれば「今日はボディタッチがジメッとしているな」くらいの感想だけども、愛川海未様としましてはお盛んになっていると考える次第。


 その人の行動についてどう考えるかは人それぞれの判断があるから、私も海未ちゃんも絶対に正しいってことはありえない。


「まあ、いいわ。私も手早く用事は済ませるつもりだから」


 何か言いたいことはあったんだろうけど、はかなげにも見える横顔から察するにこの場で論評を交わしたところで解決すまいの意図があるのだろう。


 彼女が鞄から取り出したるは……布製の巻き尺だ、よもや口封じをとも思ったけど、海未ちゃんはそんな回りくどいことはしない。


 余計なことを言って彼女の機嫌を害したくはないし、その用事とやらもなかなかに不本意だと言いたげだ。


「まずは服を脱ぎなさい」

「まずがガチャの天井くらいないかなそれ!?」


 とりま肌晒しとく? 的な軽い調子で服を脱げと言われたので、ツッコミを入れないと誓っていた私も思わず言葉を荒げてしまった。


「ああ、ごめんなさい。採寸をするつもりだったのよ、雅の用事に必要なことだから」

「さ、採寸ですか……」


 私も恥ずかしいという気持ちが先んじて、頬のあたりが熱を帯びているけども……海未ちゃんも気恥ずかしげにもじもじとしているので。


「本来は雅がヤると言って憚らなかったのだけど、あなたの貞操が心配だったものだから」

「あ、ありがとうございます……?」


 本来、人のなにがしを測って数値化する行為に貞操は関係ないと思うんだけども。

 海未ちゃんのイントネーションとみゃーちゃんの言動から察するに純粋に執り行われるとも言えなかったので。


「……お見苦しいものを見せてすみません」

「え? あ、そ、そうね……? まったく、ダメよ? 不摂生から来る病が心配されるわね」


 巻き尺をシールドのように前へと展開し、たどたどしい言い訳をされるけども、私が何か言葉をかけない限り海未ちゃんは下着姿の私を見て固まってたと思う。


「じゃあ、さっさと済ませるわね」

「あの、念のために聞いておきたいんだけど、海未ちゃんはこの手の作業に慣れているのですか?」

「そんなことはまったくないわね」

「まったくないの!?」


 かかしみたいな姿になっている私が思わず振り向いてツッコミを入れると「採寸の最中でしょ」と巻き尺を身体に締め付けられた。

 「ぐえっ」と声帯の潰れたカエルみたいな声を出しつつ、私は前へと向き直る。


「へえ……前々から大きいとは思っていたけど」

「あの、そのご感想は採寸と関係があるのでしょうか?」

「これっぽっちもないわね」

「ないのかぁ……」


 多少黄昏れつつ言うと、海未ちゃんも手慣れてきたのかだんだんと力が緩んでくる。

 こういうことをされたことがあるのか、みゃーちゃんからこういうことするよと教えられての実行なのかは分からないけど、当初のしおしおとした態度よりも上から見下しているくらいでちょうど良い。


「ふむ、なかなか良い体をしているわね」

「ありがとうございます……」


 私は計量されているだけなのにヘトヘトになっていた。あれやこれやを言われながら全身くまなくしっかりと……いったいこのイベントがみゃーちゃんの何を叶えるために必須だというのか。


「ああそうだ忘れていたわ」

「んー?」


 絶対に誰からも下着姿になったと気取られないように入念にチェックを重ねていると、そんなことはどうでも良いと言わんばかりの軽い調子で海未ちゃんが尋ねてくる。


「あなたって露出は平気な方?」

「むしろ平気な人がいるんですか!?」


 スクランブル交差点で全裸になっても平気? と言わんばかりのとんでもないことを軽い調子で言われたので、思わずがなってしまい咳き込んでしまうけれど。


「大真面目な話なのよ」

「……(コクコク頷く)」


 ゲホゲホと言いながら涙目で見上げると、海未ちゃんは言質通りの凛とした表情のままで続ける。


「例えば、その場のノリでらしからぬことをするとして、あなたはどこまで出来る? セックスまでいける?」

「その場のノリで身体を重ねる人はいないと思いますよ!?」


 一華とはその直前まで行った気がするけども、二人して冷静でなかったし、ノリでそういうことまで行っちゃうイエーって感じではなかったはず。


「はっきり言うわ、あなたは雅に死ぬほどおだてられることになるでしょう……そしてそのまま妊娠出産」

「なんでみんながみんな同性でエッチなことをして子どもが出来る前提なんですか!?」

「いい、絶対に服は脱いではいけないわよ? どんなにおだてられたとしてもキャラは保ちなさい……私から出来るアドバイスはこれくらいよ」


 私のことを下着姿にして「ふーん」「へぇー」と採寸していた人が「服を脱いではいけない」と言うの、真に迫っている感があって怯えちゃうなぁ……。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ