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幸せな家庭(妄想の中でも……)

 雅ちゃんから「今日は色つやがいいのだ」とお褒めの言葉をたまわり、鼻がどこまでも伸びていきそうだった。

 ……あ、それってピノキオが嘘ついたときだっけ?


 昨日は快眠も快眠。

 勢い余ってお風呂の中でも眠りそうなほど心地よい疲労だった。

 ちなみにお風呂の中で眠くなるのは、心地よさげではなく失神の症状に近いらしい。

 非常に危険な兆候なのだと妹ちゃんから熱心な忠告を受けたのでもうやらない。


 お布団の中に入っても不安は何一つなく、目覚めも健やかだった。


 が、一華のバッドステータス:寝不足気味が発動をしているのを見て「恋人を家に招くというのはマズいことなのでは?」と思い至りウンウンと唸っている。


 海未ちゃんに「調子悪そうね」と尋ねられた際に「7時間半しか眠れなかった」と答えて「そうね、私もよ? 今日は眠れた方」

 海未ちゃんにシンパシーを感じると同時に、一華の睡眠時間を減らした案件には罪悪感を覚えた。


「もしかして……一華ちゃんの睡眠不足に怜ちゃんが関係している?」

「へぁ!?」


 耳元で囁かれた声はASMRみたいに艶っぽい。

 最後に仕上げとばかりに軽く息を吹きかけられたら、身体だってブーブークッションを仕掛けられたみたいに飛び上がる。


 フフ、と笑う姿はとても可憐で「私なんかにそんなことしちゃダメだよ~」「好きになっちゃうよ~」と冗談交じりに言うしかなかった。


「好きになっても良いよ?」


 色っぽい流し目を見せられると勘違いしてしまいそうになるけど、これはLOVEではなくLIKEである――。


「もー、友達としては最上級……あ、私に至らないところが……?」

「えー、だって~。最近ちょっと距離感あるかなーって? 胸が触れ合うくらい近い距離になってないかなーって」

「そこは肌でしょ」


 胸にスイカが付いてんのかい! とボディービルの掛け声みたく言われそうだけど、その実熱心に鍛え上げられたものではない。

 

 でも、同じ悩みを共有する人間として仲良くなったのだから……


「何か悩み事?」

「ひゃん」


 大っぴらに「悩み事」を尋ねられないから、耳元に囁くようにしたらメッチャ可愛らしい悲鳴であげられて戸惑った。


 私なんかはウルトラマンと変わらないのに、悲鳴一つとっても可愛いとか、可愛い星のお姫様か?

 そこいらのアイドルが束になっても敵わない可愛いさなのは知ってるけど。



「え、ああ、うん、今、晴れたかな?」

「ご、ごめんね、変なことして」

「ううん! 元々私がやったことだし」


 でも本当に可愛らしい子なんだな――


 ふたりちゃんは時折距離感がバグっちゃうけど、慎ましやかだし美少女だし。

 味オンチの傾向があって作られるものがトンデモだったりするけど。


 家庭での彼女というのを踏み込んだお話とかは避けてきたから……コレはただの想像だ。


「おかえりなさい~。ごはんにする? パンにする? それとも~オートミール?」


 私がホワイト企業(妄想の中でくらい良い夢を見させて)での仕事を終えて帰宅をすると、露出の高いエプロン姿のふたりが迎えるんだ。


 ……レシピ通りに作ればレシピ通りのものが完成するからレシピに有用性があるんだけど。

 ふたりは余計なもんぶち込むだろうから料理はもちろん私の仕事だ。


 アイドルさんみたいに可愛い女の子と食卓……すごく華やかな彩りだ、それ比べたら私の料理なんてカスや。


「ど、どうしたの? お腹痛い?」

「うう、ふたりちゃんと結婚する子は幸せ者だぁ……」

「私は怜ちゃんの頭の中でどうなっちゃってるの!?」


 肩を揺さぶられながら、旦那(妻)が私であることを伏せながら、懇々とふたりちゃんの魅力を語っていく。

 彼女は最初こそ恥ずかしげに抵抗を見せていたけど。


「それってつまり私の新婚生活を如実に描けているってコトだよね……」


 と、次から次へと聞かせてと尋ねてこられるから、私はありもしない妄想を長々と語り


「正座」


 海未ちゃんから正座の罰を受けた。

 一華の睡眠不足に私が関わっていることは遠くなったので結果オーライ。




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