一雫の幸せの前借
子供の頃、親の背中を見ていると、いつか結婚して子供を作って、そしてどこかへ旅行へ行くのが普通だと思っていた。
大学の卒業論文の提出がとても厳しく、足早に就活を終えようと思い、一次試験しかない場所へ受けた所、即合格。
初めの一年は様々な支部で研修を行い、それなりに楽しい日々を過ごしていた。
二年目からはあらゆる感情が壊れて、気が付けば白い天井をジーっと眺めていた。
母親の話によると、どうやら俺は突然赤信号の横断歩道に向って歩き出し、車にはねられたらしい。運よく頭をぶつけて気を失うだけで、大きな怪我は無かった。
真っ先に俺は車の運転手に謝罪したいと言ったが、あっちが俺に会いたくないということで、連絡は途絶えてしまった。そりゃ、俺の身勝手な行動で相手の人生を狂わせたんだ。入院費も運転手が支払っているらしい。
「なんだか悪い事をしたな」
「まだそんなこと言ってるのかい?」
母が花瓶の花を入れ替えてくれていた。
「今の仕事、そんなに辛いなら辞めれば良いじゃんよ」
「はは、そうしたいけど、許してくれるかな」
毎日終電まで残業。そして翌日は始発の電車で出社。もはや翌日という言葉が頭の中でバグっていた。
「そこまで頑張る必要はないさね。実家に帰って一年くらい休みなさい?」
「考えておくよ」
☆
一週間後、退院した俺は早速出社した。
さすがに二週間も入院していたら上司は心配してくれるだろうか。これまでの勤務内容の見直しとかしてくれるだろうか。
「おう清水。帰って来たならさっそくこれをやってくれ」
期待した俺が馬鹿だった。
そして他の社員も俺の事を冷たい目で見ていた。それもそのはず、二週間も休暇を取る人なんて、この会社では社長か部長しかいない。
俺の仕事の埋め合わせを周りの人がしていたのだろう。とは言え、入院をしていたのだから冷たい視線は送らないで欲しい。
「久しぶりだな」
隣の席の佐々木が話しかけてきた。
「う、うん。ごめんね、しばらくいなくて」
「そうだな。お前の物件は全員で何とかしてたからな」
憎悪しかないこの職場。将来家を建てるとか、車を買う等の夢は幻想であり、現実は夜のご飯を炊くか買うかを考える日々。
でも、なんとなく頭の中の糸が切れた気がした。とても簡単な方法でこの状況を打破できる。母親のアドバイス通り、帰りのコンビニで紙とペンを買おう。
☆
終電の時間に会社を出て、ギリギリ電車に乗り遅れてしまった。コンビニで紙とペンを購入していなければ帰れたかもしれない。少し悔しい。
歩いて帰れる距離ではあるため、とりあえず暗い夜道をトボトボと歩いた。
気が付けば知らない道を歩いていた。
路地裏という場所だろうか。左右はビルにはさまれていて、下水道の臭いが漂っていた。
振り返っても知らない道だし、とりあえず前に進むと、ポツンと一つ、小屋のような物があった。
「『寒がり店主のオカルトショップ』……?」
奇妙な装飾にやたらリアルな動物の模型がある。もしかして本物のはく製だろうか。
とりあえず中に入ると、鈴の音が鳴り響いた。
「いらっしゃいませ。おや、初めて見る顔ですね」
水色髪の短髪の少女が椅子に座っていた。
「どうも、えっと、ここは?」
「ここは雑貨店です。少し特殊な雑貨店ですが、非現実的な物ばかりなので現実逃避したい方にはもってこいの場所です」
非現実的。確かに、ここにある物はどれも奇妙な物ばかりだ。店の外にははく製が一つ置いてあったが、店の中には何種類ものはく製が置いてあり、不気味なポスターや海外の本が並んでいた。
タコの足に目が沢山描かれているタペストリーは、何故かしばらくジッと眺めてしまっていた。こういうのは正直趣味では無かったはずなのに、趣味嗜好が変わったのだろうか。
「お化け屋敷……いや、オカルトショップって書いてありましたね。となると十字架とか置いてあるんですか?」
「オカルトショップと言ってもここは悪魔要素が多めなので十字架はありませんね。たまに大手雑貨店の若者コーナーを見ると笑いそうになりますね。悪魔と天使の二つを合わせた装飾品とか、砂糖と書かれてある瓶にゴマ油が入っているような物です」
例えがわからない。
「堕天使とかありますし、そういうのもあるのでは?」
「ワタチが知らないだけで、本当にそういうのがいるのかもしれませんね。とは言え実物を見ないまではせいぜい笑わせてもらいます」
不思議な少女だ。見たところ中学生くらいなのに、ここまで淡々と話すと言う事は、すでに成人済なのだろうか。
「それで、何か買いますか?」
「あー、ここには迷って来たんですが、せっかくなので何か買っていきます」
「おお、これは何かの縁と言う奴ですね。それでしたら何か購入していただいたら、最寄り駅までお送りしますよ」
それはありがたい。ここは正直どこかわからないし、スマートフォンの電池も切れかかっていた。
「じゃあ……そうだな、お守りみたいなものってありますか?」
「超得意分野ですね。それでしたらこれはどうでしょう?」
そう言って水色髪の少女は机から『目玉のキーホルダー』を取り出した……え?
「『空腹の小悪魔ちゃんキーホルダー』です。恋愛成就のお守りとして女子高生に人気です」
「俺が女子高生に見えますか?」
まだ俺は二十代前半だけど、今時の若い人はこういうの流行っているのかー。まじか……ブラック企業に勤めて一年しか経過してないのに、時代に取り残された気分だ。
「成人男性となると……あ、これなんていかがでしょうか」
「これは……懐中時計?」
そう言って渡されたのは、古い懐中時計だった。と言っても、電池は切れているようで、動いていなかった。
「その時計は押した瞬間動き出します。なんとしっかり自動で時刻を調整してくれます」
「電波時計なんだ。結構古いように見えるけど、見た目がアンティークっていうのは時々あるもんな」
腕時計は二千円で購入したとりあえず時間さえわかれば良い物。気分を変えて時計をこれにするのもありなのかな?
「この時計は、その人の残りの人生の幸運を一気に凝縮して前借する究極の時計になってます。大富豪が使っても効果は薄いので、今の清水様にはピッタリのアイテムですね」
「へえ。まあそういう設定のゲームのアイテムのレプリカ的なやつか。面白いから買うよ。これなら違和感無さそうだし」
「毎度ありです。五千円です」
思ったより安かった。
とりあえず財布から五千円を出した。時計はすぐに使えそうだし、そのままの手渡し。ここ数か月で一番良い買い物をした気がする。
「それでは清水様。最寄り駅までお見送りしますよ」
「ありがとうございます」
☆
最寄り駅に到着……と思ったのだが、そこは俺の家の最寄り駅でもあった。ここまで来ていたのか。
「ここならご自宅まで分かりますか?」
「はい。というかここからすぐなので」
「それは良かった。では、良い事がこれから続くことを祈ってますね清水様」
そう言って水色髪の少女は頭を下げて、暗闇に消えていった。
「不思議な子だったな。しっかりしてるし、実は年上なのかな」
道中色々と悩みを聞いてくれて、なんとなく気分が良かった。そして少女に『清水様』と呼ばれることにちょっとした優越感を抱いていた。
そういえばいつの間に俺は名乗ったのだろうか。まあ良いか。どこかで自己紹介でもしたのだろう。
「そうだ。忘れる前に」
鞄から懐中時計を出して、早速水色髪の少女に教えてもらった通り、懐中時計の上の部分のボタンを親指で押し込んだ。
「いっ!」
ボタンを押した際に隙間に指を挟んだのか、血が出てきた。えー、運が良くなる懐中時計なんじゃないのかよ。早速不運なんだけど。
「あ、でも時計がグルグル動き出した。本当に自動で調整されるんだな。電池が切れたらどこで交換すれば良いのだろう」
そんなことを考えながら歩いていたら、突然大きなサイレンが聞こえた。これは救急車?
俺のアパートでは無いけど、誰かが倒れたのだろうか。それと続けてパトカーが二台ほど別の場所に停まって、警察が一軒家に入って行った。
騒がしい音が鳴り響くけど、俺のアパートでは無いし、とりあえず無視して自宅へ向かった。そして明日……というか、今日に備えて今日はすぐに寝ることにした。
☆
翌朝。
始発の電車に乗って会社に向う途中、何やら妙な感じだった。
普段座れない電車だが、目の前の人が突然電車を降り始めて、俺は椅子に座ることができた。それだけでは無い。隣にはまるで芸能人のような美人が座っていた。
駅に到着すると、たい焼きの試食販売があり、一個無料で貰えた。
会社に到着すると、普段は数分待たないと来ないエレベータだが、ボタンを押した瞬間すぐに扉が開いた。
「何か地味な幸運が続いているような。信じる者は救われる的なやつかな。懐中時計のお陰か?」
なんとなく気分の良いまま自分の職場がある部屋に入ると、電話担当の美香字さんが話しかけてきた。普段は全然接点が無いのに珍しい。
「清水さんって確か部長と課長が住んでいる自宅付近のアパートに住んでますよね?」
「え、知りませんけど」
というか部長と課長って一緒に住んでるの?
「昨日部長が心臓発作で倒れたんです。課長は仮想通過の詐欺で昨日深夜に逮捕されたそうです」
「心臓発作!? それに逮捕!?」
親戚が突然倒れたという話しは稀にあったけど、同時に大きな出来事が二つ発生したことは無い。しかも片方に関しては逮捕って。
「あ、そういえば昨日駅付近で救急車とパトカーが来たな」
「それです!」
マジかよ。課長はともかく、部長は大丈夫なのかな。
「清水さん、部長と課長が居ないと言う事はどういう事か、わかりますか?」
「え……仕事に支障が出る?」
そう言うと、思いっきり肩を掴まれた。
「定時で帰れるんです!」
☆
明るい空を見ながら帰るのは何か月ぶりだろう。
そう思ったのは俺だけでは無い。心なしか、昨日冷たく言ってきたやつも今日は優しかった。
というか部長と課長がいないと書類の手続きが一気に無くなるから、仕事がありえないくらいスムーズに進んだ。しかもやり直し無し。え、実は無駄な時間を延々と強いられてた?
ご機嫌な俺はスキップ……はさすがに自嘲し、マスクで笑みを隠しながら昨日行った『寒がり店主のオカルトショップ』へ向かった。
どうやって行ったかはうっすらとしか覚えていないが、万が一迷っても自分の家の最寄り駅から行くという方法もある。しかも今日は定時帰りだからスマートフォンの電池も半分以上!
と、そんなことを思っていたら案外簡単に到着した。明るいと迷わないものなんだな。
早速店の中に入って挨拶をした。
「こんにちはー」
「いらっしゃいませ。あ、昨日の清水様ですね。正確には今日の深夜ですけどね。どうしました?」
「お礼を言いたくて。これ」
そう言って俺は懐中時計を見せた。
「何か知りませんが、小さな幸運が立て続けに起こってるんですよ。研修以来初めての定時帰りで、これから久しぶりに屋台のラーメンを食べようかなーとか思っちゃってます」
「定時……えっと、定められた時間に帰る……で合ってますよね?」
「そうですよー。ウチの会社は毎日残業。残業の原因である部長は心臓発作で、課長は犯罪で逮捕。部長の安否は心配ですけど、それ以上に定時で帰れる喜びの方が大きいですね」
当分部長と課長は不在。この状態は一か月くらい続くと思っても良いだろう。やばいな。何をしようかな。思い切って毎日屋台巡りでもしようかな。
「なるほど。これはワタチも予想外でした」
「そりゃそうですよね。偶然これを買った次の日ですもん。ツボとか買う人の気持ちが少しだけわかってしまいました」
「あはは。そうですね。とは言え清水様の言うツボとかはタダの粘土です。これは本物なので、安心してください」
流石オカルトショップ。そういう設定だとしても何か信じちゃうかな。
「しかしこれは本来他の人を巻き込むことはしないそこそこ良い悪魔的アイテムなのですが、心臓発作と逮捕で定時帰宅が幸せ……その定時帰宅というのは清水様だけですか?」
「いえ、他の社員もです。皆今日は各々遊んでると思いますよ」
「そうですか。ふふ、清水様の幸運が他の方にもおすそ分けできたのですね。さぞかしそこの悪魔は……こほん」
悪魔?
まあ、確かに悪魔的アイテムだよな。部長と課長を消し去って利益を得ているわけだし……おっと、いけない思想になっている。
「おっと、お礼を言いに来ただけなのですが、せっかくなので何か買います。えっと、普段使いのハンカチとか無いですか?」
「それならこれを。三百円です」
紺色の無地のハンカチ。これなら別に持っていても問題無い。なんだろう、買い物も楽しく感じてきた。
「はい、三百円。じゃあ屋台しまっちゃうから今日はこれで。また来ますね!」
そう言って俺は店を出た。
『そうですね。次は別の場……』
☆
癖というのは抜けないもので、うっかり始発の電車に乗って出社してしまった。とはいえ、早く来てのんびりするのも良いだろう。
部屋に到着するとどうやら俺が最初らしい。こういう日もあるんだな。
しばらく仕事をしていたが、誰も来ない。
誰も来ない。
誰も。
始業時間になっても誰も来ない。今日は水曜日で休日では無い。一体何があった?
メールを確認しても普段通りお客からのメールだけ。社内メールも特に来ていない。
すると突然電話が鳴り響いた。普段人が多く、コール音が一度鳴ったら即対応だから、ここまで五月蠅く鳴り響く電話も久しぶりだ。
「はい、営業二課清水です」
『清水! お前は大丈夫か!?』
「えっと……向井さん!?」
研修中にお世話になった向井さんだ。何やら焦っているような口調。
『テレビかネットのニュースの件は本当か!? お前はそこにいなかったから無事なんだな!』
「え、一体何が」
とりあえず新聞が掲載されているサイトを開くと、そこには見覚えのある地名が記載されていた。
『××区の居酒屋で爆発事故』
『××区のカラオケ店で火事』
『××区のコンビニにトラックが突撃』
同時に発生した同じ地区の事故。そして被害者の名前は全員知っている人……ここで働く従業員の名前だけが載っていた。
『一体何があった!』
「し、知りません。え、これって」
「懐中時計のお陰です」
後ろから聞き覚えのある声。水色髪の少女が立っていた。
「おあああああ!?」
「こんにちは。ご機嫌いかがでしょうか」
ニコッと微笑む水色髪の少女。だが、その微笑みは若干不気味に感じた。
「これは……」
「その懐中時計は本来契約者本人の未来の幸運を前借する面白い悪魔なんですけど、なんとびっくり清水様は悪魔も驚くレベルで不運体質みたいで、周囲を巻き込んでようやく妥協レベルの幸運を生み出してくれてたみたいですね。ですが……」
そう言って隣の椅子に座った。
「その周囲もたった一日の定時帰りってだけというのは、凄い会社に就職しましたね。悪魔のワタチですら引くレベルです」
「あくま……」
何を言っているのか意味がわからない。だってこれはゲームか何かで登場した玩具で、言ってしまえば願掛け。偶然が凄く重なったに過ぎない。
「偶然ではありません。それは本当に悪魔が取り憑いている懐中時計です。現にしっかりと『生きているじゃないですか』」
「は?」
俺は手を震えさせながら懐中時計を持ち、開いた。
円盤の部分が大きな目玉になっていて、俺と目が合った。
「うあああああああ!」
驚き、懐中時計を投げた。しかし、懐中時計は椅子や机にぶつかりながら、最終的に転がってきて、俺の足元に戻って来た。
「これは結構可愛い分類なので、大事にして欲しいのです。残り時間も少ないですし、怖がってたら損ですよ?」
「残り時間?」
すると突然、何かがぶつかる振動を感じた。
「おや、思ったより早いですね」
「どういうことですか?」
「幸運の前借ということは、時が来ればこの先不運しか訪れません。ネットのニュースを見る限り……ああ、数名は生きていますね。ですが、きっと病院内でも不運が立て続けに訪れます。医療ミスやベッドから転落。呼吸をするのも辛くなる日が続くだけです。逆に亡くなった方は幸運と言うべきでしょうか。その先の苦しみは無いわけですからね」
水色髪の少女は立ち上がり、懐中時計を拾った。どこからか細い鎖を取り出して、それを懐中時計に付け、そして俺の首にかけた。
俺はその間まるで金縛りにあったかのように身動きが取れなかった。その少女が怖すぎて身動きが取れないのか、それとも本能が動くなと言っているのか、それすらわからない。
「悪魔と契約をしたら、代償は支払わなければいけません。甘い蜜を味わったのですから、そのまま終わりというのは違いますよね。大丈夫です。ジェットコースターでちょうど今が頂点。後は下るだけです」
その言葉を聞いた瞬間だった。何故か地面に尻をついているのに、体が軽くなった。まるで宙に浮いているような感じだった。
その時の頭の回転は凄かった。周囲の時間がゆっくりに思えた。目の前の水色髪の少女が徐々に大きく見えた。いや、俺が下に落ちているという不可解な現象を一瞬で理解できた。
そして水色髪の少女は俺を見て微笑んだ。
「それでは清水様。いってらっしゃいませ」
☆
気が付けば、檻の中だった。
うっすらと『生きていた頃』の記憶があり、流れていく景色に身を任せていた。
「おや、この存在になって気が付くとは、なかなか興味深いです」
声は出ない。なんとなく目が見えるだけで、寒さや痛みなどの感触は無かった。
檻の外には巨大な顔。いや、俺が小さい存在になっただけだろう。そしてその大きな顔は生前何度も見た存在の水色髪の少女だった。
「なかなか頑張りましたね。ビルの床が抜けて落ち、あらゆる箇所が骨折。しかもその後の手術は全て失敗。周りの騒音の所為で睡眠も取れず、そのまま命を落としましたが、悪魔と契約をした貴方は永久的にこの牢獄に住むことになります」
深い洞窟のような場所。そして小さな牢屋が沢山壁にかけられていて、中には人魂のようなものがゆらゆらと揺れていた。
「それにしても地球の人間でここに堕ちてくるなんて、一体何をしたのやら。悪魔とでも契約しましたか?」
悪魔。そんな単語を生きていた頃に水色髪の少女が発した気がする。
「まあ声が出ないので、聞いても意味が無いですね。ここはあらゆる世界や星が滅んでも、概念があれば存在する冥界です。苦痛も無ければ楽しみも無い、究極な安全地帯。貴方はこれから小さな人魂としてこの細い道を照らし続けてください。全く生きがいが無いよりは、少しでも目的があった方が良いでしょう」
そして少女は俺の檻から離れていった。
時々少女は俺の様子を見に来ていたが、その間何年……何百年の間が空いていたか、それすらわからないまま、時が過ぎていく。
こんにちは。いとです。
今回はふと思いついた物語を何も考えずに書きましたー。
とりあえず今作の裏話として、清水は懐中時計を買わなくても、残り数日で事故死してたくらい不幸だったという感じです。実際、周りを巻き込んでようやく「定時帰り」という彼にとっては究極的に幸せな状況になったわけですからね。
と言っても、周りの人も事故で亡くなってます。つまるところ、周りの人も近日中には事故で亡くなる運命というのが今作書きながら思い描いてました。
少しでも楽しいと思っていただけたら嬉しいです。最近は低気圧が続いて頭がぼーっとしてますが、のんびりと創作を続けますよー
では!