表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/47

第三話 天皇との会合



―――横須賀鎮守府司令長官室―――


「そなたらが未来から来たという日本人か?」


鎮守府司令長官室の椅子に座っている昭和天皇が問う。


「ハ、その通りです陛下」


将が陛下に敬礼をする。


陛下の右横には内大臣の湯浅倉平がいる。


「しかし、貴様らが本当に未来から来た日本人だと分かる証拠はあるのかね?」


ジロリと湯浅が将を睨む。


「ありますよ」


将は吉田と高橋に見せた携帯を見せ、説明して陛下とのツーショットを撮ってあげ、湯浅に見せる。


「ふむぅ……。確かに我が帝國では到底作れない機械だな」


「陛下どうですか?」


将が陛下に問う。


それは昭和の人間には驚きの光景だった。


「……よかろう。御主達を未来から来た日本人と認めよう。それで君達はこれからどうするのかね?」


陛下が将達に問う。


そこで将が代表して今後起こる史実を昭和二十年まで語った。


「……なんという事だ…国民をむざむざ見殺すにするとは……ッ!!」


陛下が怒っているのはサイパン島や沖縄の軍が住民に強制自決等を将が語ったからだ。


「陛下。私としては陸軍を抑えないといけないと考えます」


湯浅が陛下に言う。


「うむ。土方よ。陸軍の誰を罰するのだ?私は今、非常に怒りを感じるッ!!」


まさかの陛下が怒るとは将は思ってもいなかった。


吉田や湯浅達は畏まっている。


そこへ松田が割って入った。


「陛下。罰するのはいつでも出来ます。今は焦土化を阻止するのが先決です」


「うむ、すまないな。では土方。君は私にどうしたいのかね?」


「率直に申し上げます。私達の後ろ盾になってもらいたいのですッ!!」


将の言葉に吉田、湯浅は衝撃を受ける。


陛下が将の後ろ盾になるということは将の言葉が陛下の言葉なのだ。


「陸軍を抑えるためか?」


「はい。自分としては陸軍を改変しながら、自然エネルギーの設営に取り組みたいのです」


「陸軍は君達を未来人とは信じない。なら私を後ろ盾にすれば嫌でも応じるということかね?」


「はい」


将が頷く。


「……ハハハ…ハッハッハーーッハッハッ!!面白い……よかろうッ!!土方よ、私は君の後ろ盾になる。思う存分陸軍を改変するのだッ!!」


「ハッ!!」


将が陛下に最敬礼をする。誉や華牙梨達も同じく最敬礼をする。


「土方よ、陸軍を改変した後どうするのかね?」


「はい、改変と言っても阿呆な奴らを予備役等にするだけですが……まず行うとしたら中国からの撤退ですね」


将の陛下は驚く。


「何か考えがあると思うが聞かないでおこう。さて、そろそろ私は失礼しよう。何かあったら湯浅に言うがいい。分かったな湯浅?」


「勿論です陛下」


陛下が部屋を出ようとするが、立ち止まった。


「ところで土方よ。一つ君に頼みたい事がある」


「何でしょうか?」


「私には子女が照宮成子内親王、久宮祐子内親王

孝宮和子内親王、順宮厚子内親王、継宮明仁親王

義宮正仁親王、清宮貴子内親王の等の子女達がいるが、もう一人娘がいるというのは知っていたかね?」


将達未来の人間は驚いた。

だが、すぐ落ち着く。


ここは一応二次元の世界なのだ。


「いや…知りませんでした」


「そうか。君達の世界にはいないのか。実は、君に娘の上官になってもらいたいのだ」


『……エェェーーーッ!!』


思わず、長官室にいた全員が叫んだ。


「娘は帝國海軍の軍人なんだが、我が儘で他の者に乱暴を働いているのだ。そこで、君に上官になってもらって娘を指導してほしいのだ」


「………」


将は話しについていけず、硬直している。


「それで……娘なんだが……ハーフ…ロシアと日本のハーフなのだ」


『へッ?!』


「その……皇后が二人おるのだが、一人は君達が知っている香淳皇后。それと…タチアナ皇后だ」


最初、タチアナ皇后と言われて将達は首を傾げてた。すると、松田司令官がアッと声を荒げた。


「タチアナってロシア革命時に虐殺されたニコライ二世皇帝一家の次女ですかッ?!」


「うむ、そうだ」


陛下の肯定の言葉に将達未来人は驚いた。


何故、昭和天皇がニコライ二世の次女と結婚しているのか。


「吉田から話しを聞いていないのか?」


「そういえば話してませんでした。ずっと国内の話しばかりで外国の事など忘れてました」


吉田は改めて、将達に説明した。


事の八反は第一次大戦時、ある陸軍諜報員からの報告だった。


『ロシアデ革命ノ疑イアリ。ニコライ皇帝一家暗殺ノ可能性アリ』


この報告を聞いた陸軍は何故か時の天皇、大正天皇に報告した。


報告を聞いた大正天皇は直ちに、少数精鋭の部隊を編制して皇帝一家を救出しろと命令。


これには政府、海軍、陸軍の首脳陣達は驚きの声をあげたが、命令は命令なので陸軍、海軍で編制がされた。


海軍は日露戦争後に発足した海軍陸戦機動隊から六十名、陸軍も六十名の百二十の部隊でウラジオストクからシベリア鉄道を使って皇帝一家が捕われているエカテリンブルクへ急行した。


突入した時、処刑隊がいたが、狙撃兵を使い、混乱させた所で白兵戦を展開。


三名が戦死、四名が負傷したが、処刑隊を全滅させた。


しかし、皇帝一家は娘達だけを残して処刑させられてた。


どうやら娘達は凌辱してから処刑する予定だったらしい。


ともかく、それでも皇帝一家を救出したことにはかわりなく、娘達四人は変装して、ロシアを脱出して無事日本に逃れた。


そして、昭和天皇とタチアナ王女が恋に落ちて結婚したのだ。


「……アンビリーバボーとはこのことやな……」


先程まで標準語だった将は思わず関西弁で呟いた。


「というわけで土方。娘の上官になってほしいのだ。他の者だと、皇族の言葉で立ちすくむからな。私が上官になるのもいいのだが甘やかしてしまうからな」


「はぁ……」


「頼む」


なんと、陛下は頭を下げた。


これには将達は驚いた。


「……分かりました陛下。神とまで言われた人にこれだけ言われたら後が大変すよ。引き受けましょう」


「そうかッ!!ありがとうッ!!」


陛下は将達に握手して今度こそ部屋を出た。


「……一難去ってまた一難ってこのことか?」


将が呟く。後ろには何故か嫉妬の炎を燃やしている三人がいた。


なにはともあれ、陛下の信頼と後ろ盾は成功したのである。


なんか途中から陛下の性格変わってるような気が……f^_^; 御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ