第二十八話 総旗艦
―――1942年8月15日、呉港―――
一隻の戦艦が護衛艦を率いて、訓練から帰ってきた。
「……あれが大和か……」
呉基地の潜水艦桟橋で将が呟く。(海自の潜水艦桟橋)
「将。内火艇を出すぞ」
玲於奈が言う。
「おぅ、今行くわ」
将が内火艇に乗る。
内火艇が発進して沖合に停泊しているの戦艦大和に向かった。
―――大和甲板―――
「これが大和坂ねぇ」
誉が呟く。
大和は史実の四六センチ砲ではなく、二回り程大きい五六センチ砲九門を搭載していた。
排水量は十五万四千トン。
対空砲火は十二.七センチ連装高角砲十六基、新型四連装四十ミリ機関砲十八基、三連装二十五ミリ機関砲二十基、噴進砲四基を装備している。
最大速度は三十一.三ノット。
機関はタービンとディーゼルの混合で出力二十五万馬力を出す。
同型艦は二番艦武蔵、三番艦紀伊、準同型艦として三笠が建造中である。
三笠は旧式戦艦の敷島型戦艦四番艦三笠である。
三笠の艦体を解体してその分の材料にしている。
武蔵と紀伊は工事の事故などで遅れているが、三笠は予定通りに工事が進んでおり、12月までには竣工する予定である。
「貴様が土方将だな?」
二十五ミリ対空機関砲を見学していた将達の後ろから女性の声が聞こえた。
振り返ると、そこには一人の将官の服を着たショートヘアの女性がいた。
肩の階級章は大将だった。
「前旗艦長門中将(旗艦になる場合は大将に昇進らしい。それ以外は中将らしい)から話しは聞いている。私が戦艦大和の艦魂である大和だ」
大和と名乗った女性は将達に見事な敬礼を見せた。
―――大和の部屋―――
「殺風景だが我慢してほしい」
大和の部屋には服を仕舞う箪笥と椅子、机、ベッドしかなかった。
「それで今日は何しに?」
「普通に見学やってんな。なんせ、世界最大級の戦艦やしな。史実でもそうやったからな」
「ほぅ、貴様らの世界でも私は有名だったか」
「まぁ最期はあれやったけどな」
「……ねぇ大和」
誉が言う。
「何だ誉?」
「巫女服を着替えてくれる?」
「……却下だ」
「え〜(´Д`)もう用意してあるのにぃ……」
誉が何処に仕舞っていたのか巫女服、メイド服を出していた。
「………翡翠二世か?」
本家よりマシにしたいと思うby作者。
「そうそう。ハァハァはあまりしないし」
「………あまりと言う事はやった事あるのか?」
「アハハハハハ」
大和の言葉に誉は笑うだけ。
しかし……。
『……………///////』
何故か玲於奈、華牙梨、セイバー、由真の四人が顔を朱くして目を逸らした。
「……おい、まさか……」
四人の不自然な行動に大和が将に聞く。
「あぁ〜、玲於奈と華牙梨は知ってるねんけどセイバーと由真は知らんかったなぁ」
将はノホホンとしていた。
「それでいいのかッ!?」
「まぁ誉やし」
「……夜中、気をつけよ……」
そう決意する大和であった。
そこへ艦魂が転移をしてきた。
「何だ、将達も来ていたのか?」
転移してきたのは長門、信濃、そして三人の金髪の女性であった。
「よぅ長門、信濃。そちらの美人さんは?」
「品定めか?三人は敷島型戦艦の敷島さん、初瀬、朝日さんだ」
信濃のが紹介する。
「敷島型の一番艦の敷島だ。よろしくな」
敷島はポニーにした髪型で、腰に日本刀を据えている。
「ボクは朝日だよ。よろしくね」
朝日は身長は小さく、胸も……だが、歴戦を潜った風格をしていた。
ちなみに前髪に錨のマークをしたヘアピンをしている。
「あたしは初瀬だ。よろしくな」
初瀬は大和や長門と同じショートヘアで活発そうな女性である。
「土方将や。日本を救うために頑張ろな」
将達は四人に挨拶をする。
「さて、挨拶もすんだし飲むか」
将がドンと一升瓶の酒を出す。
「酒なら私も持っている」
敷島達が五本の一升瓶を出す。
「宴会始めるか」
そこからは完全に宴会になった。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m