第二十二話 反攻
久しぶりの更新です。
バイトが忙しい……。
―――1942年4月20日、ハルビン―――
関東軍総司令長官の山下大将は司令部で部下からの報告を聞いていた。
「……ようするに防衛戦でソ連軍は膠着しているんだな」
「はい、陸海軍の航空隊が敵ソ連軍の補給基地や補給路を叩いたおかげで、ソ連軍は突撃しようにも弾薬や燃料不足で動けません」
しかし、陸海軍の多くの機体は帰還する度に被弾損傷をしていた。
ソ連軍の対空砲火は陸海軍の想定以上の激しさだった。
旧式機だったら未帰還する機体が増えていた。
改良型の機体だったからこの程度で済んでいるのである。
損傷が激しく、修理不能になった機体は解体されて予備の部品へと生まれ変わっていった。
「よし、なら総攻撃だ。決行は明日だ」
『了解ッ!!』
参謀達は山下に敬礼した。
翌朝、陸海軍の攻撃隊は腹に爆弾を背負って出撃した。
―――チチハル郊外―――
チチハル郊外で、ソ連軍と日本軍が戦闘をしている。
ソ連軍は大量のT―34中戦車を投入しているが、日本軍の一式中戦車、陸自の74式戦車、90式戦車、10式戦車で対抗していた。(90式と10式戦車は遠距離からの狙撃)
また、戦車隊の援護で99式自走155ミリ榴弾砲が援護砲撃をしている。
ドオォォォォォンッ!!
ドウゥゥゥゥゥンッ!!
74式戦車の百五ミリ戦車砲や90式戦車の百二十ミリ滑腔砲が火を噴き、T―34中戦車の装甲を貫いて鉄の塊に変える。
ドオォォォンッ!!
負けじと、一式中戦車の八十ミリ戦車砲が火を噴いてT―34中戦車を破壊する。
「流石に数が多いぞ……」
戦車隊隊長の徳田二佐が10式の中で呟く。
そこへ爆音が響いてきた。
ブオォォォォォンッ!!
「隊長ッ!!陸海の攻撃隊ですッ!!」
部下が徳田に知らせる。
「そいつは助かるな」
徳田はハッチを開けて上空を見る。
陸軍の九九式襲撃機や九九式艦爆がT―34中戦車に向かって急降下を開始した。
ヒュウゥゥゥッ
搭載した二百五十キロ爆弾や六十キロ爆弾を次々と投下していく。
ズガアァァァーーンッ!!
ズガアァァァーーンッ!!
直撃を受けた戦車は炎上し、直撃を免れて至近弾を受けた戦車はキャタピラ等を破壊されて擱座してしまう。
さらに、零戦隊が低高度まで下降して機銃掃射をする。
ダダダダダダダッ!!
ドドドドドドドッ!!
十二.七ミリや二十ミリ機銃の弾丸がソ連兵士に襲い掛かる。
弾丸は兵士の身体を傷つけ、動揺を走らせる。
「航空隊の出現に動揺してるな。一気に叩くぞッ!!藤田の一式隊は突撃だッ!!野々村の74式隊、川原の90式隊と俺の10式隊は援護射撃だッ!!」
本当なら90式や10式も突撃したいが、電子機能を喪失したら修理は出来ないのだ。
混乱しているソ連機甲師団に向かって一式中戦車が突撃する。
ドオォォォォンッ!!
ズガアァァァーーンッ!!
戦車が次々にやられていくのに遂にソ連軍は撤退した。
「……ソ連軍が撤退します」
「……そうか」
徳田は安堵する。
「損害を報告しろ」
15分後、損害の報告が来た。
「一式が十四両に74式が二両破壊されたか……」
二両の74式の乗員八名は全員が戦死していた。
「……十六両の乗員の遺体は無事に日本に届けろ」
チチハルの司令部で徳田が指示をした。
―――ハルビン―――
「……北安、伊春、ソイホワ、ホーカン、チャムースーは占領したか……」
ハルビンの司令部で山下中将が呟く。
「補給が途絶えたソ連軍はかなりの動揺をしています」
参謀の言葉に山下は頷く。
「あぁ、だがまだ反攻は始まったばかりだ。気を抜くなよ?」
「了解です」
参謀達は敬礼した。
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