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第十八話 墜ちるユニオン・ジャック

かなり文字が抜けてたので改めて投稿しました。







それは突然の事だった。


1941年、6月15日のベルリン。


ドイツ第三帝国総統のアドルフ・ヒトラーは海軍元帥のレーダーや空軍元帥のゲーリングを呼び出して言った。


「イギリスを落とす」


その一言にレーダーとゲーリングは驚いた。


イギリス攻略を延期したのはヒトラー自身が言ったのだ。


それを事実上撤回した。


それからのドイツ軍の行動は早かった。


対ソや対アフリカ用に使うはずだった航空隊や艦艇はフランスの空軍基地や海軍基地に集結した。


ドイツ空軍元帥ゲーリングは前回行った都市に対する無差別爆撃をせずに、イギリス空軍基地や海軍基地やレーダー基地、飛行機工場を狙った爆撃をするようにした。


ドイツ海軍元帥レーダーはUボートをイギリス周辺海域に再配置をして、無制限作戦を開始した。





6月20日、ドイツ軍は再びイギリス本土攻略作戦(シーライオン作戦)が決行された。


空軍は連日に渡り、イギリス空軍基地や海軍基地、レーダー基地を徹底的に破壊した。


また、ドイツ海軍はある一人の英雄を生んだ。





7月15日、巡洋戦艦シャルンホルストとグナイゼナウ、ポケット戦艦リュッツオウが通商破壊のため北海に出撃した。


それを察知したイギリス海軍はスカパフロー泊地からイギリス本国艦隊の高速戦艦レナウン、レパルス、駆逐艦四隻を派遣した。


両艦隊は五日後の7月20日にフェロー諸島付近で遭遇した。


しかも、この時は深い霧が発生していた。


先手を取ったのはドイツ海軍だった。


両者の距離が一万メートルという、稀にみない砲撃戦だった。


シャルンホルストが放った初弾はレパルスの艦橋に命中。


レパルスには艦隊司令官もいたのだが、戦死した。


いきなりの艦隊司令官の戦死にイギリス側は混乱した。


シャルンホルストにいた艦隊司令官ヨアヒム・フリード少将はそれを逃さず、混乱する二隻の巡洋戦艦に砲弾を叩き込む。


レパルスとレナウンは艦上構造物を破壊されながらも霧に紛れて撤退に成功した。


しかし、フリードの部隊も無傷ではなかった。


フリードは通商破壊戦の続行は不可能と判断し、ノルウェーに帰還することを選んだ。


それと同時にフリードはシャルンホルストとグナイゼナウが戦闘力を失い、沈没寸前であるかのような通信を盛んに発し始めた。


これを傍受したイギリス本国艦隊は、二隻の仇を討たんと戦艦ロドネー、レゾリューション、空母アーガス、重巡三、軽巡二、駆逐艦十二隻を出撃させた。


その規模からまさに、本国艦隊の威信をかけた作戦であった。


だが、イギリス本国艦隊は負けた。


偽の情報を信じて、手負いの巡洋戦艦を仕留めようとノルウェー沖へ姿を現したイギリス本国艦隊を待ち受けていたのは二隻の巡洋戦艦ではなく、霧が晴れたことで出撃可能となったドイツ空軍の爆撃隊だった。


ノルウェー南部の飛行場にイギリス北部スコットランド爆撃用の飛行隊が進出していることを知っていたフリードは、自分の艦隊を囮にして爆撃隊の行動半径内にイギリス本国艦隊を誘い込んだのだ。


しかも牙を研いでいたのは空軍だけではなかった。


フリードが発した緊急無線は付近で行動していたUボート、水雷艇、魚雷艇をも呼び寄せたのだ。


ノルウェー爆撃隊の攻撃で戦艦ロドネー、レゾリューション、空母アーガスはたちまち炎上した。


そこへ、ハイエナのようにUボートが集まり、次々と魚雷を叩き込んだ。


戦艦二隻は脚が遅いので魚雷を回避出来ずにそれぞれ三本の魚雷を受けて、大きく傾斜してしまった。


火災、浸水、傾斜によって戦闘力を大幅に低下させた三艦は当然、本国へ退避しようとする。


しかし、そこへフリードの艦隊が砲撃戦を展開した。


シャルンホルストとグナイゼナウは大破。


だがそれと引き換えに、戦艦二、空母一を北海の底へと引きずりこんだのだった。


このノルウェーのソグネヒィヨルド海戦でフリードは英雄となり、ヒトラーに目をかけられる存在になった。


イギリス議会と王室がドイツとの講和にかたむいたのはこの海戦のショックによるものだと定説になっている。


この海戦の三ヶ月後、ウィンストン・チャーチルは首相の座を追われ、チャーチルのあとを継いだのは先の外相ハリファックスだった。





1941年、10月20日。ユニオン・ジャックはハーケンクロイツに停戦条約を結んだ。


イギリスは海上封鎖や連日の爆撃に怯える事は無くなったが、イギリスは事実上敗北した。


しかも、ヨーロッパ全土がナチス・ドイツの軍門に降るという結果になった。


しかし、チャーチルはイギリス国王ジョージ六世の命を受けて、イギリス本土を脱出してカナダに亡命して自由イギリス政府を発足させた。


イギリス残存艦艇もイギリス本土を脱出してジブラルタルやアレクサンドリアに逃れた。


しかし、ドイツ軍は逃げ遅れた艦艇や建造中の艦艇は停戦条約の条項『ドイツは建造中や現役の艦艇の接収することが出来る』と無理矢理盛り込んだ。


イギリスは反発したが、ドイツは武力を盾にそれを認めさせたのだった。


そのせいで、戦艦ハウ、デューク・オブ・ヨーク、アンソン、建造中だったインプラカブル型等が接収された。


このお陰でドイツ海軍の戦力は増えた。






イギリスとドイツは停戦したけど、事実上イギリスの敗北です。


御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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