前書き、幼少期編
「目立っちゃうなぁ」
街中を歩いている1人の女性がそう言った。
彼女の名前は志帆。年齢は21歳。モデルをしている。そんな彼女が目立ってしまっている原因は、モデルという職業柄もそうなのだが、何よりも身長が高いことだ。何と、264cmもあるのだ。北欧へ行った際、志帆は背の高い男の人よりも頭二つ分大きかったそうだ。平均身長の高い彼等でさえ、そうなってしまうのだ。しかし、志帆が今歩いているところは日本。日本人は彼等より更に小さい。志帆からしたら、一般の日本人男性は皆小学生サイズなのだ。街中を歩いている男性の中でも頭一つ分大きく、190cm以上ありそうな爽やかなイケメンでさえ、志帆からしたら胸のあたりまでしかないのだ。志帆以外の女性からしたら、長身でスラッとしたモテそうな容姿だ。そんな彼でさえ、首を思い切り曲げ苦しそうに顔を上げ、志帆のことを見上げている。すると、志帆は彼に
「身長高いね、私ほどではないけど」
と声をかけた。彼は緊張していたのか、声が出なかった。志帆はさらに彼に近づき、お腹の高さにある彼の両肩に手を当て、彼を見下げて笑みを浮かべた。彼はより緊張してしてしまい、志帆の顔を見上げることができなかった。彼は目線を下にやったものの、股下150cmある長い長い志帆の生脚が視界に入り、著しく興奮してしまった。彼も100cmくらいはあったものの、志帆と比較すると短足である。彼は目線を元に戻した。すると今度は志帆のくびれたお腹と1m以上ある黒髪ロングヘアが視界に入った。そんな彼を見つめていた志帆は
「緊張してるのかな(笑) こんな身長高い女の子見たことないよね ごめんね緊張させちゃって(笑)」
と言い、2人で手を繋ぎ歩き始めた。手の大きさに自信があったという彼よりもさらに大きな手でギュッと握りしめた。志帆からしたら、大きいと(彼自身は)思っていた彼の手は子どもサイズだった。そのため、志帆はつい、「おててちっちゃ〜い(笑)」と漏らしてしまった。また、志帆は歩幅が広く歩くスピードが速かったため、彼のペースに合わせた。彼は190cm超の長身でスーツをカッコよく着こなしていたが、股下150cmの長くムチっとした生脚を露出させ、1m以上ある黒髪ロングヘアを靡かせたスラットした体型の志帆と並ぶと、まるで女子中高生のお姉さんと小学生の弟みたいに見えてしまう。周りの男性よりも頭一つ大きく、人混みの中でも目立つ存在で、かわいい女の子からも見上げられ、乙女の顔で見つめられていたであろう長身の彼でさえ、横に並ぶと小学生の弟に見えてしまうくらいに背の高い志帆。当然、周りの視線は2人に注がれた。彼は背の高さにプライドを持っていたのか、公開処刑のようなひと時であったが、志帆は嫌な気分にはならず、むしろノリノリだった。
そんな彼女は幼少期から人一倍背が高かった。幼稚園児だった頃に既に150cm以上あり、帰宅時に同じ道を通って帰った中学生の男の子を上回っていた。小学校に入学した時点で既に160cm以上あった。高学年の児童はもちろん、一部の先生よりも大きかったのだ。まだこの頃は志帆より大きい男の先生がいたため、かわいがられていた。しかしながら、小学校2年生にしてその身長は180cmを超え、校内で1番背の高い体育会系の男の先生の身長に並んだ。しかも脚が長く、股下に限ればその時点で先生を含めても校内1だった。見た目の身体つきでは、早くも大人びていた。小学校3年生の秋には大台の2mに達した。その頃には校内では児童教師ともに志帆に並ぶ者はいなかった。先ほどの校内で1番背の高い男の先生の身長でさえも超えてしまったのだ。その先生と並んだらその差は確かにあり、海外でも目を見張るくらいの長身の逆身長差美男美女カップルみたいになっていた。
「先生、かわいいですね笑」
志帆はその男の先生に向かって言った。その先生は190cm台であった。彼は女性では自身より背の高い人を見たことがなく、また、身長の高さには自信があったため、長身男性としてのプライドを傷つけられた感じがしたそうだ。志帆はそんな先生を微笑ましく見つめていた。
小学校4年生になり、女子バレーボール部に入った志帆は、その時点で小学生用のバレーボールネットの高さを上回っていた。なんと220cmに迫っていたのだ。そのため、バレーボール未経験であったにも関わらず入部即レギュラーとなった。入部後、隣で練習している6年生の男子バレーボール部のレギュラーメンバーに混ざってゲームをしたところ、相手のスパイクをほぼ全て止めたのだ。男子部員は皆驚愕していた。志帆はその後も練習を重ね、女子バレーボール部は集大成となる夏の大会で志帆を擁して市大会・県大会に優勝、全国大会でもベスト8入りを果たしたのだ。大会期間中、大会関係者,スカウトから「小学生なのに男子日本代表よりも2,30cmデカいなぁ」「まだまだ伸びしろがあるから、もしかしたら男子と戦っても世界トップクラスになれるんじゃないか」「バレーボール歴3,4ヶ月で既に全国レベルだなぁ」と絶賛され、全国区で注目を浴びた。夏の大会終了後、新チームが発足し、志帆は小学4年生の秋にチームのエースになった。そこでさらに実力を上げ、県内では敵無しの状態だった。