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初代 ー魔王への第1歩ー

「ここが調理場です」

「へー、広いんだな」

俺は今、ティアに魔王城の中を紹介してもらっている。

「魔王様のお食事を調理しますからね」

「ちなみにどんな料理があるんだ?」

「そうですね・・・肉団子とかですね、ミンチにした 肉を葉などの食材と一緒にある程度の大きさにして焼くものですね」

ハンバーグみたいなものか?

料理は割と俺のいた世界と変わらないらしい。

なんか凄まじいゲテモノとか出てこられたら困るからな。

待てよ?使ってる肉って・・・

「ちなみにその肉団子に使われている肉は・・・?」

「そうですね、普通は家畜である動物達のお肉を頂戴しております」

良かった、カニバリズム的なことになることはなさそうだ。

そんな会話をしながら俺とティアは魔王城の中を見てまわった。

書庫や宝庫などもあって中々楽しかった。


「そして最後にここが魔王様を呼び出した部屋、王室の間です」

俺たちは魔王城を1周して元いた場所に戻ってきていた。

やっぱり広いなー、最初に見た時は色んな魔物がいたからかあの時よりさらに広く感じる。

「そしてこちらが・・・」

ティアは魔王として呼び出された時に俺が座っていた椅子の後ろにある少し見ずらいドアノブを捻って開いた。ちょっとして隠し扉みたいなものだ。

その中にはベッドや机など普通に生活する場所になっていた。

「魔王様の寝室です」

俺は中を見回しながらひとつの大切に置かれているものに目が止まった。

「ティアあれはなんだ?」

「あ、あちらはですね昔いたと言われる最強のエルフが作ったとされる蘇生アイテムです」

「蘇生!?つまり生き返れるってことか?」

「はい、しかしそれは不完全なもので蘇生できるのは100年後、しかも自分の祖先がいないことが条件の蘇生なのです、ですので今まで誰一人として使うことなくここに飾られてきました」

なるほど、魔王は色んな相手と子孫を残しているから絶対に蘇生出来ないわけか・・・。

「これで全ての部屋を紹介しましたが、なにかご不満はありますか?」

「不満ってどういうこと?」

「なにか新しいお部屋が欲しければ直ぐにお作り致しますということです」

つまりカラオケが欲しい!って言ったら作ってくれるわけだな、いや、そもそもカラオケなんて概念はあるのか・・・?

「ん?ティアさっき全ての部屋の紹介が終わったって言ったか?」

「はい」

「従者の部屋は?」

こんなに広い城のことだ、付きっきりの従者がいるはずだ。

「それはありますが・・・」

「紹介されてないぞ?」

「あそこに魔王様が行くのは・・・失礼と言いますか・・・」

ティアが口をもごもごさせている。

「いいから連れて行け」

「分かりました」

ティアは俺を連れて魔王城の端まできた。

そこには地下へ続くような狭い階段があった。

「ま、魔王様?ここは魔王様が入るような場所ではありません」

「関係ないよ、入れて?」

「・・・分かりました」

ティアが観念したように階段を降りていく。俺もそれに続く。

降り着いたところは埃っぽくて装飾は一切ない寂しいところにベッドが乱雑に何個も置かれていた。

「いつもこんなとこで寝ているのか?」

「はい、これが普通のことですから」

「それはダメだ、すぐに全員に魔王城の部屋をひとつずつ与えないと」

「いえ!そんなことはできません!」

魔王への敬意を表してかティアは頑なに俺の提案を拒む。

だが実際に魔王城は広すぎて空き部屋が何部屋もあるのだ。使わないのであれば従者に住んでもらった方がよっぽどいい。

それでもティアが断り続けるので俺は最終手段に出た。

「分かった、じゃあこれは命令だ」

「命令・・・ですか?」

「そうだ」

今までの言動や行動を見ていると魔王に絶対服従なのは十分にわかった。

なら、命令と言ってしまえば従わざるを得ないのではないかというのが俺の考えだ。

「・・・分かりました、では従者のみなさんに伝えておきます」

渋々ながらもティアは俺に従ってくれた。

「あぁ、よろしく頼む」


「魔王様!?よろしいのですか!?」

1人の従者が俺に問いかけてくる。

「全然いいよ、寧ろ使ってくれた方が嬉しいよ」

「ありがとうございます!」

そいつは本当に嬉しそうにしながら急いで荷物運びへと戻っていった。

それと入れ違いでティアが入ってきた。

「魔王様」

「ん?なんだ?」

「本当によろしかったのですか?」

ティアはまだ不安そうな顔をして聞いてくる。

「何回言わせるんだよ、いいに決まってるだろ?それにお前たちのためじゃないぞ?」

「え!?」

ティアは目を見開いて困惑する。

「お前らがあんなとこで寝てるなんて思うと・・・なんていうか・・・そう!気持ちよく寝られないからだ!」

自信満々に言ってみたが、クソみたいな理由だと自分でも思う。

唖然としていたティアが不意に笑い出す。

「ふふっ!なんですかその変な嘘!」

「うるさいなー、出てこなかったんだよ!」

「すいません、でもなんかすっきりしました、魔王様はとても優しいんですね」

そう言われると照れる・・・

「そんなことねーよ」

と、照れ隠しで言ってみる。

「魔王様も照れることあるんですね!」

完璧に見透かされていた。

「う、うるせー!」

「うふふ!」

こんな日がこれからも続いていけばいいなー、なんてそう思っていた。

この瞬間、俺が完全にフラグを立てたので案の定大慌てでゴブリンが部屋に入ってきた。

「魔王様!大変です!」

俺には1級フラグ建築士の才能があるのかもしれない。

2週間ほどお休みしてしまいすいません。

今週からきっちり復帰です!

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