〜第一話〜 「恋の始まり」
恋…それは誰かを好きになる事。誰かの事を思うと胸が痛くなる事。
「陸っ!?次、音楽だよ?」焦るさくらの声に陸は余裕な顔で言う。
「大丈夫だって!先行ってろよ!」笑う陸の顔に、さくらは、何故か胸がしめつけられた。
「う、うん。わかった。先に行くね!」(何だろ。今の胸の鼓動)その後も、さくらは陸の事で頭がいっぱいだった。
夕日が空に沈む頃。
「さくら!!ご飯よ〜?降りてきなさぁい」
「は、はぁ〜い。今行くから!!」さくらの家は、小さい頃にお父さんを亡くし今は、お母さんとさくらとで暮らしている。お父さんがいなくなってから、お母さんは、さくらが6年になるまで一言も話さなかった。
こんな毎日で、さくらは今までどんな気持ちでいたか。晩ご飯を終え、さくらは部屋に戻った。
(はぁ〜…。今日もお母さん、あんまり話してくれなかったな。)窓の外には空一面に輝く星が見えた。
(陸、今何してるんだろう。って!!あたし、何考えてんだろ。なんか最近ずっと陸の事ばっかりじゃん!!何でだろ〜。も…もしかしてこれは、こ…恋!?んな訳ないよね。あ!もうこんな時間?は、早く寝なきゃね〜。)
慌ただしく部屋の電気を消し、さくらはそのまま眠りに着いた。
ピッピッピッピッ
「ん〜…。はぁぁ〜」目覚時計の音で起こされたさくらは、机の上の携帯を取り、一枚の写メを見た。
そこには、笑顔いっぱいの陸とさくらが映っていた。
「陸ぅ〜。」さくらはにこやかな顔で携帯をなでた。はっ!!
(な、何やってんのよあたし!!しっかりしなきゃダメじゃん!)ブンブンっ!!へらへらしてた顔を横に大きく振った。
「もう!!あたしったら!早く学校行こっと!!」遅刻しちゃうよぉ〜!!」