第3章 帝国の外交 中
拡張政策が終了後、帝国は各国との積極的貿易を開始した。それ以前から、うっすらと貿易はあったが、貿易というより密輸であったが。
そんな帝国の外交は、実にシンプルであった。
1に提案、2に脅迫、3に攻撃、4滅殺である。
気にくわない国には積極的に提案を行ったようだ。
1.帝国は良心的であった。最初は提案から始まるのである。しかも過大な要求にならないようにである。
2.断ってもまだ帝国は良心的であった。経済的、武力的、技術的・金融的とあらゆる手段で脅迫するだけにとどめるのである。
3.良心的な帝国も3回目はダメだった。緩やかに実力行使をはかっていく。とても痛い攻撃でなく、ジリジリと首を絞める攻撃だ。
4.それでも受け入れない国は、版図から消えた。
戦争で消えたわけではない。
どういうわけか内戦が起きたり、突然クーデターが起きたり、他国に吸収されたりしていった。
戦争外交から圧力外交に変化したとも受け取れるが、まあ、実態を伴わない戦争外交という方がしっくりくるだろう。
帝国の積極的貿易により、各国には帝国産の良質な物産や高位の技術が流れ込んだ。当然、各国の業界人に扱えるものではなく、帝国からの技術者も一緒についてきた。
これにより、世界の技術レベルは跳ね上がり、帝国への依存度も跳ね上がった。
各国政府にすると、不快極まりない事態だったが、逆らいようもないためズルズルと時が流れていった。
他に大きなことといえば、帝国からの侵略戦争はしないということだろうか。戦争は外交カードの1つというが、それがなくとも国を滅ぼせるレベルの社会システムを構築した帝国は、もはや戦争をする必要性がなかったとも言えるかもしれない。
そんな世界になってからも突っかかってくる国に対しては、自国領に入ってきた相手を完膚なきまでに叩き潰したわけだが。
ともあれ、このような状態が帝国歴240年くらいまで続くこととなる。




