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神造世界の世界録(ワールドメモリー)(旧:創破神の異世界修行)  作者: 虎號赤椿姫
第一章 異世界への旅立ち編
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1-7 神の子、奴隷を貰う

第一ヒロイン登場です。

 適当に時間を潰した俺は再びギルドに来た。

 何をしていたかって?デニスさんのところに行くには時間がないし適当に街中をぶらぶらしてた。

 カウンターに行くとオルドさんがいた。5分ほど早く来たんだがそれより早く終わらせていたようだ。そろそろLV15になるんじゃね?早すぎ。


「お!来たな」


「ええ。それにしても早く終わったんですか?予定より5分はやいですよ?」


「そうなのか?作業中は集中していて時間なんか気にしないからな」


 職人だなぁ。解体の職人がいるぞ。


「ほれ。これが素材の報酬だ」


 手に持っていた袋を机に置く。

 重かったのか金の擦れるジャラジャラとした音とドンという音が重なった。


「ずいぶんと重そうですね?いくらになったんですか?」


「1140万ゴル、白貨1枚と金貨1枚、大銀貨40枚だな」


「は?」


 多いな、そんなにか!?


「内訳としてはオーガエンペラーが金貨800枚、ハイ・オーガが200枚、状態のいいオーガがそれぞれ50枚、四肢のみのはそれぞれ20枚だ」


 オーガエンペラーたっか!なんでハイ・オーガの四倍もするの!?


「あの、オーガエンペラーは高過ぎませんか?」


「いや、相場通りの値段だ。傷が少ないことと希少性を考えるとこれでも少ないくらいだな」


 マジか・・・まあ、あって困るものじゃないからいいか。

 俺はオルドさんから金の入った袋を受けとる。受け取った瞬間あまりの重さに落としてしまいそうになったがかろうじて落とさなかった。すぐさまインベントリにしまう。


「あと、これもな。Dランクのギルドカードだ」


「ありがとうございます。たしかに受けとりました」


 インベントリには仕舞ったものの種類や個数が瞬時に分かる便利機能付きなのだ。ギルドカードはDは青色だ。


「おし!俺の仕事は終わりだな!じゃ、まだ仕事があるんでな、またな!」


「はい、ありがとうございました」


 去っていくオルドさんの背中に向けてお礼を言う。


「それにしてもソーキさんオーガエンペラーまで討伐していたんですね?それを聞かされた時は卒倒しそうでしたよ?」


 アイリスさんが驚きの表情で聞いてくる。その表情の中には少しだけ『どうやって倒したのか聞きたい!』というような好奇心が見てとれる。


「それなりに苦戦しましたけどね?懐に入って腕を切り落としたあとに足を固定して動けなくしてから首を切って倒しました」


「ソーキさんは規格外ですね!」


 笑顔ですでに人外認定されたようだ。地味に傷つく。


「では、私は少し用事があるので失礼します」


「はい!またマイエにいらしたら立ち寄ってくださいね」


「はい、必ず」


 アイリスさんと別れギルドを出る。空は日が傾き、赤く染まり始めていた。

 当初の予定通りに俺はデニスさんの奴隷商会に行くことにした。


 言われていた通りにギルドの通りを真っ直ぐ進んだ突き当たりにギルドよりは小さいが豪華な建物があった。看板にはデニス奴隷商会と書かれていた。目的地だということがわかったので中に入る。


「いらっしゃいませ」


「すみません。デニスさんに取り次いでもらえますか?」


「かしこまりました。お名前は?」


「創輝です」


「少々お待ちください」


 店員さんが奥に入って行くのを見送る。

 店の中を見渡す。古民家を改装したような内装でたくさんの首輪や服等が商品として売られている。


「お待たせしましたソーキ殿」


「あ、デニスさん、こんにちは。夜にすみません」


 デニスさんは俺が助けた時よりも豪華な服を身に纏っている。


「いえいえ、ようこそいらしてくださいました。ここではなんですから奥へいらしてください」


 デニスさんにつれられて店の奥に入る。途中の廊下に地下へ続く階段を見つけた。


「デニスさん、地下にはなにがあるんですか?」


 この建物はギルドよりは小さいがそこそこの大きさがあったはずだ。なので地下は必要ないはずなのだが?


「地下には犯罪を犯して捕まった奴隷や怪我などで衰弱した奴隷、又は価格の安い奴隷がいます。逃げ出されたり病気をうつされたりされないようにするための措置です」


 言われて納得した。確かに犯罪奴隷が街にでたり、主人になる人や他の奴隷に病気をうつされたりしたらたまったものではない。それを考えると必要なことか。


 応接室らしき部屋に着く。ソファー座るように促されたので座る。


「では、改めまして。ようこそいらしてくださいました。店主のデニスです。今回は危ないところを助けていただきありがとうございました」


「いえ、前も言いましたがたまたまなので、そんなに気にしないでください」


 助けた帰りに、何回したかわからないほどしたやりとりを、またする。その都度、決まってデニスさんが言う言葉は


「商人が命を助けて貰っておいて恩を返さなければ、そいつは商人の恥さらしですので」


 とのことだ。

 この言葉を言うとき、デニスさんは珍しく興奮した様子で言う。それほど[商人]という職業に誇りを持っているようだ。たとえ商品が奴隷でも。


「それでは、まず帰りの護衛の報酬です。あの森は夜にはオーガが出現する危険な地帯です。なので報酬も通常の五割増しとなりますので金貨15枚です」


「ありがとうございます」


 受け渡された金貨の入った小袋を受けとり、インベントリに入れる。


「それと、命を助けていただいたことに対してのお礼なのですが・・・その、金銭で支払うにしても、仕入れや奴隷の衣服や食料にもお金がかかるので多くは支払えないのです」


 そりゃそうでしょう。奴隷も商品として売っている以上最低限は綺麗にしておかなければならないし、食料もたくさん必要になるだろう。

 そこでデニスさんがとんでもない提案をした。


「そこでどうでしょう。身の周りをお世話する奴隷を御礼として差し上げるというのは」


「・・・はい?」


 奴隷ってすごく高価だよね?それを御礼としてくれるって大丈夫か?


「奴隷って高いですよね?平気なんですか?」


「平気ですよ。それに命あってのことですから。さすがに貴族向けの高級奴隷は差し上げられませんけどね」


 貴族向けの奴隷とか、想像したくないような金額なんだろうなー。まあ、買えるだけの金は今、持ってるとおもうが。金銭感覚おかしくなってきそうで怖いわー。


「では、通常の奴隷からお見せしますので気に入った者がいたら声をかけて下さい」


 奴隷のいる部屋に通される。長細い部屋に檻が両端にあり、その中に奴隷がいる。ざっと見た所10数人いる。ドアに近い所から奥にかけて見ていく。その際に《鑑定》を使うことを忘れない。


 暫く見ていくと、一番奥の、しかもその隅に体育座りで座っている女の子がいた。

 見た目は茶髪の髪にぱっとしない顔。可愛いともいえず、また不細工ともいえない普通の顔。しかし、《鑑定》を使用すると、その子の使用していた《偽装》のスキルの効果が俺にのみ無効化され、本当の姿が露になる。整った顔に金髪のロングヘアー。文句なしで可愛いと言える顔だった。それに一番大事なのは耳だ。普通の耳の他に頭の上に獣の耳がついていた。そう、この子は獣人だったのだ。更に、ステータスも

 ------------------------


  >名前<

 レオナ・クレイベル


 >年齢<

 14


 >種族<

 獣人族【霊狐】


 >経験(レベル)<

 26


 >職業<

 闘士


 >魔力<

 32000/32000


 >技能(スキル)<

 体術{LV8}

 短剣術{LV5}



 >魔法<

 火属性魔法{LV4}

 雷属性魔法{LV5}


  >固有能力<

  獣化


 -------------------------

 となっていた。

 ヴァンのステータスと比べてもそれより強いと言える。

 俺は彼女を見た瞬間に彼女に決めた。


「デニスさん、一番奥の彼女がいいです」


 デニスさんに彼女がいいことを告げると驚いた顔をした。そりゃそうだろう、《偽装》した彼女は普通の容姿をしている。それより可愛かったり美しい奴隷も数人はいるからだ。だが、本当の彼女の姿はその中の誰より綺麗だった。


「え、彼女でいいんですか?その・・・こういっては失礼だと思いますが・・・もっと美しい奴隷もいますが?」


「いえ、彼女がいいです」


「分かりました、ソーキ殿がそういうのでしたら」


 デニスさんは檻を開けて彼女を出す。その際に彼女の顔を見ると先程のデニスさんのような驚いた顔をしていた。

 なぜ《偽装》を使用してまで外見やステータスを変えていたかは知らないが、買われたくなかったのだろう。2年間買われなかった奴隷は鉱山へ連れていれ、強制労働させられる。


「契約方法は刻印と首輪、どちらがいいですか?」


 刻印契約は首輪を使うより費用はかかるが、首輪は【アルミナ】でできているため少し重い。何より見えにくいところに刻印できるため目立たない。(【アルミナ】はルビー、サファイア、エメラルドの主成分です。)


「では刻印でお願いします」


「分かりました。早速始めましょう。刻印契約には血が必要になりますのでこの瓶に血を少量入れて下さい」


 俺は瓶を受け取ると、インベントリから、街を散策していたときに創っておいた剥ぎ取り用ナイフを取り出して親指を軽く切る。二ミリくらい瓶にたまったら回復魔法で傷を治す。


「このくらいでいいですか?」


「はい、大丈夫です」


 血の入った瓶を渡すと、デニスさんは彼女を座らせ、呪文を詠唱し始める。


≪汝 この血を以て主に仕えよ≫


 唱え終えて血を垂らす。すると垂れた血が広がり魔法刻印を形作る。


「終わりました。これで彼女はあなたのものです」


 デニスさんの隣にいた彼女が俺に近づいてきた。


「・・・初めまして、レオナといいます。よろしくお願いします」


 そういい頭を下げるレオナ。


「頭を上げていいよ。よろしく」


 頭を上げたレオナはまたしても驚いていた。みんな今日驚きすぎ。


「では、私は仕事があるのでこれで」


「はい。ありがとうございました」


 デニスさんが店の奥に入って行くのを見送り、俺たちも店をあとにした。






バンドリおもろい!

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