1-6 神の子、学校へ行く?
早く書けるコツを教えて下さい!
オルドさんを待つこと数分後、帰ってきたオルドさんの後ろには老人がいた。
一目見ただけで強者だとわかる。魔力の量もだいぶ多そうだ。
「君かね、オーガエンペラーを討伐したという新人は」
「はい、そうですが」
誰だこの爺さん。
老人は俺を品定めするようにまじまじと見る。
男の、しかもいい歳のじいさんに見られてもきもいだけだな。
「君」
「はい」
考えてることが声にでてたか?
「名はなんという?」
あ、名前か。
「創輝といいます」
「では創輝くんと呼ばせてもらおうかの。創輝くん、このオーガは君が討伐したのかね?」
「はい、そうです」
「どうやって?」
「え?」
どうやってって格闘技でこの肉だるまに勝ったと?無理だろ、魔法しかないだろ?
「魔法ですが。ウィンドカッターです」
「そうか。見たところ致命傷は1つだけじゃの。一撃で倒したということは君は魔力の質が私よりもいいみたいだ」
「どういうことでしょうか?」
「儂の魔力の質は60000あるがウィンドカッター一発ではオーガエンペラーは倒せんよ。少なくとも2~3発は必要だ」
この老人は簡単に、オーガエンペラーは2~3発で倒せる、と言っているが普通は無理なのだろう。後ろのオルドさんが苦笑いしているのがいい証拠だ。
「というかあなたは?」
「おお、自己紹介がまだだったの、私は冒険者ギルド、ギルド長のリーデンスという、今後ともよろしく頼むぞ」
はい、テンプレですね。オルドさんが慌てて出ていったときから薄々気づいていたけど、本当に呼びに行っていたとは。
「他のオーガを見てもどれも一撃、それもオーバーキルのようじゃ。普通のオーガにいたっては頭と四肢だけのもあるの。どうだね、この機会に魔力の質を計ってみないか?」
「でも王都位でしか計れないんじゃないんですか?」
前にデニスさんが魔力の質は王都でしか計れないって言ってなかったか?
「そうじゃ、だから王都のギルド本部に行ってもらいたい」
「……はい?」
王都に行ってもらいたい?俺は今日冒険者登録したばかりのGランクだぞ?
「だから、王都のギルド本部に行ってもらいたい」
「いや、二度言わなくても聞こえています。そうじゃなくて、俺は今日登録したばかりの新人ですよ?」
「ああ、だから君は今からDランクじゃ」
はい、またしてもテンプレですね。もういいよテンプレ。
「そんなことしちゃっていいんですか?」
「よいよい、ギルド長権限じゃの。それにオーガエンペラーを単独討伐できるやつをGランクにおいておくことの方が怒られるわい」
そういうことらしい。
「ときに君は初級魔法以外は使えるのかね?」
「いえ、使えません」
使えないこともないけど見たことのあるやつしか使えないし。
リーデンスさんは俺の言葉を聞くと少し考え込む。
「良ければ学校に行ってみないかの?」
「はぁ・・・・・はい?」
これはびっくりするよね?さすがに予想外で一瞬うなずいちゃったよ。なんで学校?
「どうして学校に?」
「といっても騎士学校ではないぞ?魔法学校じゃよ」
いや、話の流れ的にそれくらいはわかる。
「君は魔力の質がいいのに初級魔法しか使えないのはもったいない」
え、それだけの理由か?
「まあぶっちゃけその学校はワシが理事長をしていてな、将来有望な人材がほしいのじゃよ。どうじゃ?」
どうだ?と言われてもな。
「もちろん、ただでとは言わん。王都に小さいが家を用意しよう。それと入学金や学校でかかる金はこちらがもつ」
ずいぶんとこちらに好条件だな。そんなに俺に学校に通ってほしいのか?
俺としてはいろいろ助かるが何か裏があるのか?
「あ、言っておくが裏なんてないからの?」
鋭いな。
まあ今のところ衣食住のうち衣しかないからありがたいといえばありがたいが。
しかしなー、俺は異世界に来てまで学校には行きたくないな。それにこの世界を見て回りたいし。
「すみません、自由な生活がしたいので」
学校にほとんどの時間を使いたくないので丁重にお断りする。
「そうか、わかった。王都には来てくれるじゃろう?」
「ええ、そちらは断る理由はありませんから」
それに王都は賑わっているだろうからな。
「ありがとう。出発はあさってでいいかの?ちょうど学園に用があるのでね」
学園に用があるって、この人学園長だよな?常に王都にいなくていいのか?だいたいは学園にずっといるんじゃないか?
まぁいいか。
「いいですよ。出発して王都まではどれくらいかかりますか?」
「一秒だね。この街と王都は転移装置があるのでね」
あ、なるほど、さっきの疑問も解決したわ。
「その転移装置を冒険者が使うことは稀だがね」
ですよねー。
「ではあさってにまたギルドに来てくれ。受付に言ってくれれば奥に通すようにいっておくのでな」
「分かりました」
「では、失礼する。学園の件、気が変わったならいつでも言っておくれ」
リーデンスさんは立ちあがり、ドアを開けて部屋から出ていく。その背中は新しい玩具を貰った子どものように嬉々とした背中だった。
「すまんな。うちのギルド長が迷惑を掛けた。どうも年々入学生が減っているようでな、素質のいいやつを見つけると片っ端から声をかけているんだ」
リーデンスさんがいなくなるとオルドさんが声をかけてきた。
成る程。だからあんなにいい待遇だったのか。少し悪いことしたかな?
「それじゃあ本来の仕事をしますか!仕事は30分程度で終わるからギルドで休むなり街を散策するなりしていてくれ。終わったら俺が受付カウンターにいるから」
この量を30分?すごいな。
何かのスキルかと思い鑑定すると案の定〈解体術〉のスキル、しかもLV13だ、達人の域に達していた。
「分かりました。ではよろしくお願いします」
「おうよ!」
オルドさんは背を向けて作業を開始した。
俺は解体場をあとにし、ギルドの受付さん、アイリスさんに御辞儀をしてギルドを出た。
どうですか?下手でしょ?・・・自分で言ってへこんでいます。どうぞ良しなに・・・。