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神造世界の世界録(ワールドメモリー)(旧:創破神の異世界修行)  作者: 虎號赤椿姫
第一章 異世界への旅立ち編
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1-5 神の子、人を助ける

 声のした方へ向かうと、レッドウルフ15匹に馬車が襲われていた。

 俺はいちいち1匹ずつと戦うのは面倒なので、雷魔法の雷をすべてのレッドウルフに落とす。その一撃のみですべてのレッドウルフは死んだ。

 レッドウルフは雑魚認定だな。


「大丈夫ですか?」


 俺は馬車の近くにいた男性に声をかける。


「た、助けていただきありがとうございます。私は奴隷商人をしておりますデニスといいます」


 奴隷商人?やっぱりこの世界には奴隷制度があるんだな。


「俺は冒険者をしている創輝というものです」


 俺は自分のギルドカードを出して、デニスさんに見せる。


「Gランク!?よく15匹のレッドウルフを倒せましたね?」


 そんなに驚くことかね?


「今日登録したばかりなんですよ。力には少々自信がありましてね」


「そうですか。あらためて、助けていただきありがとうございました」


 デニスさんはそう言って頭を下げる。


「いえ、声が聞こえたので。さすがに見捨ててしまったら寝覚めがわるいので」


「他の冒険者の方はまず助けませんよ?私は運が良かったということですかね」


「馬車の方は平気ですか?」


 馬車は、馬は逃げ、横向きに横転してしまっている。


「はい、おかげさまで。中身も奴隷の首輪やら、衣服なんかなので平気です。ですが困りましたね。馬がいないんじゃ荷物が運べませんし、なによりオーガエンペラーが出たらしいですし、危険ですね」


「オーガエンペラー?」


「知らなかったんですか?オーガの最上位種で最近見かけたものがいるらしいです。特徴としては、少し通常種より大きく、黒いってだけですが、強さは別格です。Aランク冒険者でも苦戦するレベルです」


 へー。そんなんがいるんだ。

 ん?黒くて大きいオーガ?さっき戦っていたやつも黒かったし強かったよな?


「もしかしてオーガエンペラーってこんなんですか?」


 俺は|無限収納次元≪インベントリ≫から黒いオーガを取り出し、俺とデニスさんの間におろす。

 それを見たデニスさんの目が見開き、口も開いたまま呆然としていた。


「あの、デニスさん?」


 俺が話しかけるとデニスさんは再起動した。


「どど、どうやってオーガエンペラーを倒したんですか!?オーガエンペラーといえばドラゴンと同レベルくらいですよ!?」


 え?そんなに強かったのか?

 どう言うか。俺の力がバレたら変なやつらがよってきそうだしな。

 正直に言うか?嘘を言うか?

 …この人は信用できそうだからいいか。それに、もし襲われたりしてもなんとかなるか。


「えーと、魔法で倒しました」


「そんな魔法聞いたことがありませんよ!?」


「ただのウィンドカッターで倒したんですが」


 またしても、デニスさんは口を開けたまま固まってしまった。

 今回はすぐに再起動した。


「し、信じられませんな。それが本当なら宮廷魔術師よりも魔力の質がいいことになります」


「質?」


 魔力に質なんてあるのか?


「ええ。質は王都でしかはかれませんが、質が良ければ魔法の威力も高くなります」


 へー。ステータスで詳しく調べらんないかな?


「ギルドには報告するんですか?」


「ええ、一応」


「ギルドは大騒ぎになるでしょうね」


 えー、あんまり目立ちたくないな


「それより、本当どうしましょう」


「それなら荷物は俺が運びますよ」


「いえいえ、命の恩人にそんなことさせられませんよ!」


「平気ですよ、|無限収納次元≪インベントリ≫にいれますから」


 すると、またデニスさんは固まった。

 もう飽きたよその反応。そんなに驚く?


「ソーキ殿は将来有望ですな。|無限収納次元≪インベントリ≫はとんでもないレアスキルですよ」


 マジですか。やっぱりやり過ぎましたかね?


「そういうことならお願いします。ですが、雇う形にします。タダで荷物運び、護衛はさせられませんからね」


「分かりました」


 俺は馬車に近づく。そして、荷物を1つ1つ入れようとしたところ、馬車ごと入った。

 びっくりした!全部入るとは思わなかったよ!


「ありがとうございます」


 あ、ここは驚かないんだ。


「じゃあ行きましょうか」


「はい、よろしくお願いします」


 俺とデニスさんはマイエに向けて歩き出した。



 -----------------------


「ありがとうございました」


「いえいえ。どうせ帰り道ですし」


 俺とデニスさんは何事もなくマイエに帰ってこれた。魔物は夜行性なのでいっぱいいると思ったんだがなー。あれか、オーガエンペラーのせいか。


「それで、報酬の件なんですが、明日は空いてますか?」


「ええ、依頼も受けていませんし」


「なら明日、うちの店に来てもらえませんか?朝の5時からやっていますから」


 うちの店?奴隷商か。あんまり行きたくない場所だが、しかたないか。


「分かりました。場所は何処ですか?」


「ギルドがある通りの突き当たりにあります。デニス奴隷商会という名前でやっていますので」


「分かりました。なるべく早くにうかがいます。では、また」


「はい、今日はありがとうございました」


 お互いにお辞儀をして別れる。

 空を見れば暗く、月が輝いている。

 ギルドに向けて歩いているなか、俺は今思っている不安を口にした。


「ギルドって24時間営業なのかな?」


 少し歩き、角を曲がるとギルドが見えてきた。ギルドは賑わっており、まだやっているようだった。

 ギルドに一歩足を踏み入れると酒の臭いが漂ってきた。夜は冒険者に酒場として利用されているらしい。

 俺は酒に酔った奴に絡まれる前に依頼の達成報告を済ませようと

 受付に向かう。


「すみません、依頼の達成報告に来たんですが」


「あら、早いですね?レッドウルフは余り群れで行動しないのでもっとかかると思ったんですが」


「運良く4匹まとまっていたのですぐに終わりましたね」


 本当の事を言っても信じられないだろうし、なにより信じて他の人に言いふらされたりしたらたまったもんじゃない。


「そうですか。ですが、夜はオーガが出るんですからね?気をつけてくださいよ?」


「そのことなんですがオーガに遭遇しましてね、倒したんですが」


 俺の言葉に、アイリスさんはもちろん、ギルドにいた人達も一斉にこちらを向く。


「あの……何の冗談ですか?初心者がオーガに勝てるわけないじゃないですか!オーガはCランクがパーティーを組んでやっと倒せるんですよ!?」


 まあ、やっぱり信じてくれませんよねー。


「死体を持っているのですが、出せる場所はありませんか?」


「持っている?どこに?」


「|無限収納次元≪インベントリ≫にです」


 アイリスさんとこちらの様子を伺っていた人達も同じような顔で驚いている。


(え?なに、なんなんだ?)


 俺に一斉に視線が集まり、俺はプチパニックに陥る。


「|無限収納次元≪インベントリ≫のスキルを保持しているのですか!?」


「え、あ、はい」


 凄い勢いで聞いてくるので軽く引いてしまった。

 てか、そんなに珍しいのかな?レアスキルって言っても持ってる人も少なくないんじゃない?

 デニスさんもレアスキルって言ってたし、気になるから聞いてみよう。今後の参考程度にはなると思うし。


「そんな驚くことなんですか?」


「もちろんですよ!大体の人は保持していませんし、仮に収納系のスキルを持っていたとしても収納制限のある|収納≪ボックス≫くらいですよ!割合的には|収納≪ボックス≫のスキル保持者は、ギルド全体の2割、|無限収納次元≪インベントリ≫にいたっては1割にも満たないほどです!これは一種の才能ですよ!」


 はい、丁寧なご説明ありがとうございます。そんな珍しいとは思いもしなかったよ。これからはスキルを創る際には事前調査をしなきゃな。


「まあ、そういうことなんで何処かにだせませんかね?」


「それでしたら解体場を使えばよろしいかと。未だにオーガを討伐したとは信じられませんが証拠があるなら別です。では移動しますので私の後についてきてください」


「分かりました」


 アイリスさんは立ちあがり、ギルドの奥に向かった。俺はその後を追う。



 ------------------------


「着きましたよ」


 俺が連れてこられたのはギルドの地下だ。魔物の解体に使われているだけあって至るところに黒ずんだシミがあり、独特の死臭がした。


「お、あんたがオーガを討伐したっつう新人か!」


 入った先には小柄なおっさんがいた。こう言ったら失礼かもしれない、が、チビデブだな。


「はじめまして、新しく冒険者になった創輝です。」


「ガハハハ!冒険者にしちゃあ礼儀正しいな!俺は解体場の長でオルドっつうんだ、よろしくな」


 オルドさんは話終わると俺に握手を求めてきた。


「よろしくお願いします」


 それに答え、俺は手をとった。

 その手は職人のようなごつごつした手をしていた。


「んで、こっちの受付の嬢ちゃんがここの看板娘だ!」


「嬢ちゃんなんて歳じゃありませんし看板娘でもありません!」


 ガハハハ!と先程のように笑うオルドさん、それに怒るアイリスさん、まるで軽い漫才のようだった。


「まあ、おふざけはここらにして本題に入ろうか」


「そうですね、ではオーガを出しますね」


 俺は|無限収納次元≪インベントリ≫からまず普通のオーガを出す。


「おお、本当にオーガだ。疑ってすまんな」


「すみませんでした」


 そう言って頭を下げる二人。


「いえ、俺も同じ立場なら信じないと思うので、気にしないでください」


「ありがとうございます。では私は受付に戻りますね」


 アイリスさんは解体場をあとにする。


「すまんな、じゃあ、さっさと解体しちまうか」


「あ、ちょっと待って下さい、まだ死体あるので出します」


 次ぎはハイ・オーガを出す。それを見たオルドさんは、

「・・・」

 と、口をあけて固まっている。

 続けてオーガエンペラーを出す。ついに白目を剥いた。


「・・・あの、オルドさん?大丈夫ですか?」


「ハッ!ま、まさか、こいつは・・・」


 オーガエンペラーを見てなにやら独り言をつぶやいている。


「兄ちゃん!ここでちょっと待っててくれ!すぐ戻る!」


 オルドさんはそれだけ言うと解体場を出ていった。


「ここで待てって、どうしろと?」


 とりあえずオーガを出した台に腰を掛けた。






勉強嫌だー。頭よくなる方法知りませんか?

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