1-3 神の子、冒険者になる
小説をうまく書くコツってあるかな?
マイエの街に入った俺達は、まっすぐの大通りを歩いている。
「どうする?まずは冒険者登録するか?」
「そうだね。まずは登録しちゃおう」
「あとこのゴブリンの魔石はソーキのものだ」
「いいの?」
いいなら貰っておこう。お金になるならうれしい。
「勿論!倒したのはソーキだしな」
「そうだよ。当然だよ」
二人はそう言って魔石の入った袋を差し出してくる。
「そういうことなら貰っておくよ」
「おう!売れば小遣いくらいにはなるだろ」
「武器に着けたらその魔石の属性が少し付与され、魔力をためておくこともできるよ」
「ありがとう。参考にさせてもらうよ」
少し大通りを歩くと大きな建物が見えてきた。どうやらあれが冒険者ギルドのようだ。
まあ看板に書いてあるしな。それにしてもでかいな。3か4階建てくらいあるぞ?
「じゃあ俺達は3階にいるから。それぞれ2ランクごとに階がわかれていてG、Fが一階でE、Dが二階でC、Bが三階でA、Sが四階だ。終わったら三階に来てくれ、食事をご馳走するから」
「わかった。何から何までありがとう」
「それはこっちのセリフだよ!命の恩人だしね!」
「まあ、これでチャラで。これから同じ冒険者としてよろしく」
借りは作るのも貸すのも早めに
「ああ、じゃあ待ってるから」
「またねー」
二人は背を向けて上に上がって行く。二人の姿が見えなくなったところで俺も受け付けに向かう。
「すみません。冒険者登録したいのですが」
「はい、銀貨一枚いただきますがよろしいですか?」
「大丈夫です」
「ではこちらに名前と職業、レベルを記入してください」
紙を受けとり、記入していく。
「できました」
「確認いたします・・・はい、確認しました。偽名でもないようですので次に移ります」
なんで偽名かどうか分かるんだ。
気になって鑑定したところ≪真偽の眼≫というスキルがあった。どうやら受付係はみな、このスキルを所持している人しかなれないようだ。
「次は犯罪経歴の確認と魔力の確認をします。この水晶に手を当ててかください。赤くならなければ犯罪経歴なしです。また魔力の量を計ります、そこで100以下なら冒険者にはなれません」
「わかりました」
魔力が100越えなければ冒険者になれないなんて聞いてないぞ?まあいいか、魔法見せたからヴァンも越えてると思ったんだろう。そう信じよう。
俺は水晶に手を当てる。だが、あまり変化はない。受付の人しか確認できないようだ。
「はい、ありがとうございました。とくに問題もないのでこれで終了です。では銀貨一枚を」
俺はポケットから銀貨を取り出して渡す。
「ではこちらを」
受付の人は一枚のカードを渡してくる。
「これは冒険者カードです。身分証の代わりにもなるのでなくさないように。再発行は銀貨五枚いただきますのでご注意を。」
俺はカードを受けとる。Gランクはカードの色が白だ。
「これで登録は終了です。これから冒険者として頑張って下さい。ほかにはなにかございますか?」
「じゃあ換金をお願いします」
手に持っていたゴブリンの魔石の入った袋を渡す。
「魔石ですね。ゴブリンのものが4つなので銅貨12枚です」
「ありがとうございます」
銅貨を受取り、階段に向かう。
三階に上がった俺は二人を探す。
辺りを見回すとやはり男性冒険者が多いようだ。
「あ、ソーキー!こっちこっち!」
声のした方を見るとレイス達がいた。
俺は二人のところへ向かう。
「遅くなってすまない」
「いや、俺達も今終わったとこだ」
「それよりソーキ、今日は私達が討伐したドラゴンの肉が食べられるよ!食べよ!」
「ドラゴンって食べられるのか?」
「高級食材だよ!」
「高いんだろう?」
いくら命を助けたからと言って、高価なものをおごってもらうのは少し気が引ける。
「大丈夫!討伐して食材を持ち込んだパーティーは半額だから」
それでも半額なんだ。ギルドって金ない?切実だな。
「そういうことならありがたくいただくよ」
「決まり!と言っても、もう三人前頼んであるしね。じゃあ席につこう。久しぶりのドラゴンのステーキだ」
俺達は階段の近くのテーブルにつく。
「お肉っお肉っお肉っ!」
「うるさくてすまんな。レイスは食べ物のことになるとはしゃいでな。食い意地が張ってるんだ、だからふとr」
ヒュッ!
ヴァンが言い終わる前に横からフォークが飛んできて、ヴァンの鼻をかすった後、壁に突き刺さった。
ヴァンと俺がフォークが飛んできた方を見ると笑顔の、しかし目が笑っていないレイスがいた。
「ヴァン?余計なことは言わなくていいんだよ?」
「は、はい!」
その威圧感にあわてて返事をするヴァン。
俺はそれを見て、(絶対にレイスは怒らせないようにしよう)と心に決めた。
その出来ごとからしばらくするとステーキが運ばれてきた。見た感じでは日本のステーキと変わらない。唯一違うところはその量だ。日本の一般的なステーキを十数枚重ねたような大きさだ。
「うーん!美味しい!」
「うまいな」
二人は既に食べていた。これが普通の量らしい。
まあ、気にせずに食べるか。
「いただきます」
俺もドラゴンステーキを食べ始めた。
「うまい」
味としては高級肉そのものだが・・・硬い。
「美味しいでしょ!」
二人の皿を見るともう半分くらい食べていた。
硬いのによく早く食べられるな。
俺も自分の皿のステーキを食い進めた。
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「ふー、うまかった」
「おいしかったねー!」
「御馳走様でした」
どうにか二人の食べるペースに追い付き、完食した俺達はギルドの外にいる。
「なあソーキ、お前は今日はどうするんだ?」
「これから依頼をうけるよ。残りの金が少ないしね」
あと銀貨10枚くらいしかないしね。自分の家も欲しいし。
「そうか。ギルドの横にデカイ建物があったろ?そこが俺達の泊まってる宿だから、お前も泊まるならおすすめだぜ、安いしな」
「ありがとう。そこに泊まるよ」
なるべく出費を抑えなきゃな。
「あ、それと夜に森に入るのはやめといた方がいいよ。強い魔物が出るからね」
と、レイスが忠告してくれた。
「強い魔物?」
「うん、オーガとかがいるよ。オーガは力がとんでもないから。防具を着けててもAランクより下の人達はだいたい一撃で死んじゃうよ」
防具を着けてても?オーガってそんな強いのか?俺のイメージだとゲームの中盤くらいのやつだと思うんだが?
「わかったよ」
「じゃあな気を付けて行ってこいよ」
「帰ったらまたご飯一緒に食べようねー」
俺は二人と別れ、一人でギルドに向かった。
どうでしたか?まだまだ続きます。