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●ホノオとカゲロウ
「僕は自由になるよ。
誰にもしばられない。
殴られない。
疎ましがらない。
自由な地へ行く」
歌うように、
清々とした顔で
カゲロウは言いました。
「何とか俺が
タイヨウさまに
刑を軽くしてもらうように
交渉してみる
お前も、もう一度ちゃんと
謝罪するんだ
カゲロウっ」
「兄さんは…偽善者だね。
臆病で、
怖がりで、
弱く可哀想な兄さん。
一生罪の意識に
さいなまれればいいよ」
少し悲しそうな
しかし
晴れやかな表情で言い。
カゲロウはホノオに
背を向け
地底へと向かったのでした。
おわり
臆病で卑怯なのは
ホノオでしょうか?
カゲロウでしょうか?