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●ホノオとカゲロウ
ホノオはとてもカゲロウがわかりませんでした。
悪戯をして怒られて、罰を与えられる。
それは、「してはいけないこと」なのに。
何故、いつも同じ過ちを犯すのか?
ホノオは全くわかりませんでした。
「馬鹿者と言われてお前は
腹が立たないのか?」
「…だって僕は馬鹿者だから」
笑顔を浮かべながら、どこか冷めたように、バカにしたように言うカゲロウを見て、ホノオは眉をひそめました。
とても世界は平和すぎて…。
平和すぎる故に人々は退屈をもてあましているのです。
「カゲロウ…お前がやったんじゃないんだろ?
コクテンさまの水差しを割ったのは」