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三章3

  ローズは皇宮の客室に連れて行かれた。


  そこでまずは湯浴みをさせられる。洗髪用の石鹸や体を洗う全身用の石鹸でまずは洗われた。そして香油でマッサージを隈なく行われた。

  湯浴み、マッサージを終えると白い長袖のワンピースに着替え、鏡台に案内される。そこで髪に香油をまたつけて気が遠くなる程にブラシで梳る(くしけず)

  ルミナとライラは髪を整えるのはリンに任せてドレスやアクセサリーを選んでいた。二人が選んだのは薄い黄色のタートルネックのドレスだ。袖も長袖で裾にさりげなくレースがあしらわれている。大人っぽいデザインでもあった。


「……ローズマリー様。こちらのドレスに着替えましょう。立っていただけますか?」


「わかりました」


  ローズが頷くと同時に髪を整えるのは終わる。その後、コルセットを装着したりしてドレスを着た。

  メイクはライラがやってくれた。見かけは目立たないながらも上品に仕上げてくれる。最後に髪をいくつものピンでアップにした。アクセサリーは小さな琥珀のイヤリングとネックレス、髪留めも琥珀がワンポイントになるバレッタだ。それで髪を纏めるとルミナ達は満足そうに頷いた。


「綺麗に仕上がりました。ローズマリー様。鏡をご覧ください」


  そうして全身鏡を見るように促された。ローズはあまりの変貌ぶりに驚く。茶色の髪は複雑に編み込まれて琥珀のバレッタが一際輝いていた。メイクの効果もありいつも以上に綺麗に見える。ドレスも上品で高級品だと一目でわかった。


「……なんというか。あたしじゃないみたいね」


「そんな事はありませんよ。ローズマリー様はお顔立ちが可愛い感じですから。磨きがいがありましたわ」


「……はあ。あの。あたし、様付けされるのには慣れてなくて。せめてローズと呼んでください。本名だと長いし呼びにくいでしょう」


「わかりましたわ。ではローズ様と呼ばせていただきますね」


「そうしてください」


  頷くとリンとライラ、ルミナは微笑ましげにローズを見る。


「……ローズ様。イライア様とは違いますね」


「そうなんですか?」


「はい。イライア様はもっと厳格な方ですから。でも剣術や武術が好きな方で。闊達な姫君ですのよ」


  ローズは意外に思った。イライアは武芸が好きな人なのか。

  何だか、月の姫というから儚げな美人を想像していたが。実際の彼女は活発な感じのようだ。


「ささ。ローズ様。もう皇帝陛下に謁見するお時間です。行きましょう」


「……はい」


  ローズは返答すると謁見の間に急いだのだった。



  その後、ローズはジークとコンラッドが廊下で待っている所に遭遇した。ジークが髪をなでつけてきちんとした赤い軍服を着ているのに驚いた。はっきり言ってかなり格好いい。


「ジーク。随分、きちんとした格好してるね」


「……ああ。俺としては窮屈で仕方ないんだがな」


「ふふっ。似合ってるよ。これだと皇宮の侍女さんや女官さん達にモテモテだね」


  ローズが言うとジークは複雑そうな表情で見る。どうしたのだろうと思ったらジークは肩に手を置いた。


「……お前も気をつけろよ。いくら、皇宮の警備が厳重といっても狙ってくる輩はいるんだぞ」


「わかってるよ。ジークも心配性だね」


「お前が鈍いのがダメなんだよ。もうちょっと警戒心を持ってくれ」


  ため息をつきながら言われた。ローズは何よと思い、口を尖らせた。


「……二人とも。喧嘩は後でもできるだろう。もう時間だ。行くぞ」


  コンラッドに言われてジークとローズは口喧嘩をやめた。そうして謁見の間に急ぐ。


  三十分もしない内に謁見の間に着いた。コンラッドの指示で両脇に控えていた騎士がドアを開けた。とうとう、皇帝陛下への謁見が始まろうとしていたのだった。

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