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この罪を赦して

作者: 高瀬莉央

あなたに贈れる、たったひとつの言葉があります。

わたしからあなたに贈れる言葉は、たったひとつしかありません。


ごめんなさい。


あなたの瞳に映るのは、たった一人だと知っています。

あなたが常に見ていたいのは、あの人だけだと知っています。


だってあなた、いつもあの人見ている。

いつでも姿を追っている。


素直なのとても。

正直なのすごく。

だからね、ほんとは

お似合いだよって、言ってあげたい。


あなたがその人を見つけるたびに

あなたの瞳にその人が映るだけで

とても嬉しそうに微笑むの。


無自覚だなんて言わせないよ。

わたしいつも、いつだって

そんな笑顔、一番に気づいてしまう。

それくらいあなた、嬉しそうな顔をする。

しあわせそうな顔をする。


あなたを見るたびとても苦しい

そんなあなたを見るたびに。

そんなあなたに気づくごとに。


とてもつらいの、苦しいの。

そんなあなたに気づいてしまうわたし

いつだってあなたしか見ていないそんな、わたし。


あなたのしあわせを心から祝えたら

心から、祝杯をあげられたら。

どんなに嬉しいことだろう。

どんなにしあわせなことだろう。


その人を見つけて微笑むあなたを

その人のとなりで笑うあなたを

しあわせなあなたを

嬉しそうなあなたを


見つけるたびに、傍で感じるたびに、

わたしが一番しあわせになれたら


どんなに素敵なことだろう。

どれほど楽になれるだろう。


とても苦しいとてもつらい。

それはあなたを見ることすらも

とても悲しいとても痛い。

あなたに想い人いること。

あなたが今も

想いあってるそのこと。


あなたの心が余所を向いて

決してわたしを見てくれない現実


この気持ちすべて口にしたら、あなたは抱きしめてくれますか?


あなたに贈れる、たったひとつの言葉があります。

わたしからあなたに贈れる言葉は、たったひとつしかありません。


ごめんなさい。

好きになって、ごめんなさい。

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