消えない
消えない鎖。
この柵はまだ残ってる。
何を探せばいいのか?
街の雑踏に呑まれた君の姿。
面影は曖昧。記憶は不確か。
何もいらない。そう望んだはずなのに。
俺の野望は夢へと消え失せた。
今、俺はどこに向かうべきなのか。
消したはずのアドレス。
だけども、この気持ちは一体なんだ?
込み上げる感情。飲み込まれる刹那。
泡沫の夢物語。俺らの恋話。マジで笑えねぇ。
反省してるよ。いっつも、いっつも。
忘れたことなんて一度もないさ。
お前の香りも。お前の温もりも。
記憶は不確か。だけども、この愛は確か。
くだらない常識。俺へのレッテル。
消せない罪。そんなことはわかってる。
俺への愛は、偽りへと変わったのか?
仕方がないよな。それだけのことをしたんだ。
わかってる。わかってるけど、戻りたいんだよ。
消せない過去。何もかも手遅れ。
自らの所為で、俺は何もかもを失った。
気付いた時には、傍に何もなくって、
失ったときには、その大切さを知った。
もはや何もかもが手遅れで、
俺は反省しても、許されない。
だけども、消えない。だけども、消えない。
けれども、消したくなんてない。それだけは、確か。
怖いって思う。これ以上、失わなければならない事実を。
また一歩。また一歩。お前から遠ざかっていく。
お前は俺から離れたいのか?そうだろうな。
だって、だから俺から逃げて行ったんだもんな。
だけども、俺は、お前をこの手から放したくない。
もうすでに、俺のモノではないけれど、
これ以上スルスルと勝手に抜けていくのは御免だ。
最後の最後まで忘れない。俺が愛したお前という女。
忘れることなんてできない。俺にとって最上の女。
記憶は消えてく。忘れ行く運命。それからは逃れられない。
だけども、切らない鎖。唯一の手がかり。
お前を思い出すには過去しかなくって。。。