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プロローグ

午後六時。

町は人で溢れている。

大体はサラリーマンや学生の帰宅組、他に主婦も多い。しかしこの主婦達も大体が買い物帰り。つまり大勢の人が喜びや希望などの+の感情、もしくは逆に−の感情を持って一日の約半分を過ごす家という場所に向かっている。

午後六時というのはこのような人で賑わう時間帯なのだ。長野県のそれほど田舎ではない場所なので日中は活気があるが夜は都会の町のほど町の機能はしていない。


その賑やかな通りを高校の制服姿の自分、真島大洋は歩いている。もちろん−の感情を持って…。父親は単身赴任で小五の時に東京へ。なので働いている母親と二人暮らし。この後のスケジュールは…、

七時半…母帰宅

八時…母が買ってきたスーパーの惣菜で夕飯

その後は部屋にこもり暇つぶしに推理小説を読み、宿題をやったあと就寝。会話は…、無い。これでも中二の始め頃までは会話があったから驚きだ。

毎日が同じ繰り返し。変化のある生活。退屈。不満。だがそれを変えようとする気もない。


自分の格好も性格が暗いということを示している。ボサボサの髪。眼鏡。ホコリの少しかかった制服。スリムで全く太っていないのが唯一の救いだ。

近年オタクの出現によってこのような人がオタクではないかという要らぬ疑いをかけられる。自分は暗い性格と眼鏡、さらに帰宅部という性質を持ち合わせているのでこの疑いがかけられ非常に人間関係の構築がし難い。ハナッから友達を多く作る気は無かったがテレビの特集のような人達と一緒にされるのは心外だ。そのことを考える度に秋葉原という遠い名しか知らぬ土地にほんの少し怒りをおぼえる。


帰りがけにCDショップに寄る。不作の日だったからだ。不作というのは学校の図書室なり市の図書館なりでいいかんじの本が見つけられれなかったことを指す。自分の好みの音楽は人とは少し違うようだ。それがまた人との会話の障壁になっていることは言うまでもない。


ギィィィィ、

重々しい音をたてて分厚いガラスの扉を開ける。自動ドアにして欲しいのはやまやまだがここの儲けぶりと店長の趣味からして潰れても変わらないだろうと思われる。


扉から手を離すとまた重々しい音をたてて扉はしまった。


まず立ち寄ったのはJポップのランキングコーナー。ここでテレビで見たいい感じの曲を買おうか迷いながら店内を一周し色々なCDを見る。


しかし今日アイツは早期決着を望んでいたようだ。


「今日は一段と沈んだ顔をしているね〜。」


四十代ぐらい、背は高い。サングラスにバンダナを頭に身に付けている。汚れるわけでもないのに紺色のエプロン着用。さらに店の名前のプリント入り明らかに時代に乗れてない。この店の店長だ。


お前の考えは読めている


コイツは熱狂的なジャズファン。しかも吹奏楽部がやるようなものではなくかなり昔のものだ。それだけならまだしも来客に(しかも若者)に熱くジャズについて語りだすのだ。


「ここでお勧めするのがこのデュークエリントンのアルバム!!ジャズ界の仏様といわれるほどに…」

「最近いい曲無いですね。また来ます。」


そして店内を駆け抜ける。店長に悪いかもしれないが躊躇すると負ける。入口にある出ることを拒むような重々しいドアも今の自分の前では自動ドアになる。


ハァハァ。

流石にルールはわきまえているようだ。店外までは追ってこない。元々こうなることは解っていた。だがここまで早く絡んでくるとは…。いつもは買った後に絡みたぶんレジ下からだしたであろうCDを片手に語りだす。やはり店側として先ず買ってもらわないと困るようだ。しかし今日は違った。パチンコに勝ったのだろう。お陰でCDは買えなかったわけだが…。


家に帰ると七時半をまわっていた。先に帰った母と無言の食事。焼きそばとカボチャコロッケ、サラダ、ご飯。十日前と七日前のメニューの見事なコラボだ。感動することなく食事を終え部屋へ。


読みかけの推理小説を読み始める。いま読んでいる本は犯人視点で話が進む。不幸な境遇の犯人が仲間や過去を捨て、犯罪に走っていく。裏表紙のあらすじを見て買おうと思ったが意外に中弛みが激しかった。百ページほど読み進めたところで力尽き眠りに入った。


こうして自分の人生を少しばかり変える不思議な体験をする一年が始まった。


小説初挑戦です。ストーリーは思い浮かぶのですがタイトル決めるのが一番苦手で…(-_-;)。タイトル変えれるのかな…。文章ド下手ですのでお手柔らかにご意見よろしくおねがいします。

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