第七章
今回は、リヒトの風邪の看病をする
ヒロイン達を書きました。
ニヤニヤしてもらえれば
幸いです。
誤字脱字があれば、近いうちに
訂正します。
アーデルハイトの優しい日差し
を受けて、俺は今日も気持ち良く
起きたいのだが、体が重い。
何せ、俺はたった今現在進行形で
風邪をひいて寝込んでいるからだ。
理由はと言うと、一昨日調べ物を
していたのだが、そのまま寝てしまい、
翌日ピスティアさんの冷水により
目を覚ましたことが原因とみる。
そして、今の状況と言えば....。
ベルが俺の布団の中に入り
隣にいること、エルピスが
椅子に座りニヤニしている。
ピスティアさんは自分のせいと
思ったのか膝枕をしていた。
反省をしているなら、それで十分
なんですけど、なんで膝枕して
るんですかね?い、嫌じゃないけど。
そして、何故か幼馴染の
ミスラがいた。
「看病して頂くのは嬉しいのですが、
たかが風邪で大げさですよ。」
「うっさい!リヒト、あんたは
黙って寝てなさいよ!」
ミスラに一喝されてしまった。
どうして、たかが風邪でこんな
大事になったかと言うのを話そうか。
今から、数時間前になる。
......................
「起きましたか、リヒト様?」
「.........はい。」
また、やってしまった。
まだ、朝は少し寒いため、この冷水は
体にかなり効く。寒い。
「布団に入られてなかったのですが
何か遅くまでしてたのですか?」
水を滴らせながら、俺は答えた。
「まぁ、エルピスに頼まれてた
調べ物について考えてまして。」
「なるほど、ご苦労様です。
でも、ちゃんと布団で寝ないと
風邪を引きますよ。」
今、まさにこの冷水のおかげで
具合悪くなりそうなんですけどね。
「はい、すいません。でも、
この冷水掛けはどうにか
なりませんかね?」
ピスティアさんは笑顔で即答した。
「善処します。」
「...........お願いします。」
変えないんですね...。
「それより、今日のご予定は?」
「そうですね、調べ物をしたいので
城下にでも情報収集しに
行こうかなと思いまして。」
「分かりました。」
ピタリと張り付いた服と少しの
ダルさを脱ぎ捨て、別の服へ
着替えた。
「ん?」
おっと、俺としたことが立ちくらみ
をするなんて。俺としたっていうか、
俺は貧弱なんだけどな。
気合を入れ直し、城下に出た。
このアーデルハイト王国の城は
門に行くまでに、かなりの段数
の階段があり、いくら貧弱な俺でも
普段はなんとも思ってない階段も
少しばかりの目眩のせいで
何度か転びそうになった。
その度に、こんなところで倒れる
訳にはいかないと自分に鼓舞をした。
「あぁ〜、やっぱり朝の空気は
いいな。寝起きの脳には
何よりの目覚まし時計だ。」
飽きない外の景色に、目の保養を
しながら城下町が見えるところ
まで歩いてきた。
「よしっ、今日こそアガペ・テクネ
について調べるとするか。」
歩いていると、いつぞやの串焼きお姉さん
が声を掛けてきた。
「あら、リヒトさん。今日は
どうしたの?」
「どうも、今日は少し調べ物を
しに来ました。」
「へえ!頑張ってね。また串焼き
買ってちょうだいね。」
「はい、ありがとうございます!」
だんだん俺という存在に慣れてきた
人達も、串焼きお姉さん
だけに限らず増えてきていてる。
俺にとっては、それが何よりも
嬉しかったりする。まだ、未だに
警戒している人も少なくはないけど。
「うん、今日も朝から活気が
あっていい。」
俺も頑張らない....と...な?
踏み出した右足に力が入らない。
体が地面に倒れていき、スローモーション
のように流れていく。俺は、ただ
その光景を真っ暗になりそうな
視界で確認することしか出来なかった。
俺の体はそのまま地面へと倒れた。
「!?ちょっとリヒトさん!
大丈夫ですか!?リヒトさん!」
先程話していた、串焼きお姉さんが
俺が倒れたのに、いち早く気づいた。
「ちょっと!誰か、人呼んで!
騎士団さんが一人倒れて
意識がないのよ!」
串焼きお姉さんの大きな声に
リヒトの周りに人が集まった。
近くにいた誰かが人を呼びにいった。
「リヒトさん!聞こえる?
って、あつっ!?ひどい熱
じゃないの。相当無理してたのね」
軽い人混みの外から、割り込んで
こちらにやってくる少女の姿がいた。
気の強そうな目に、オレンジがかった
髪をきれいなツインテールに
まとめている美少女だった。
「ちょっと、すいません!
通して下さい、そこの騎士団の方と
知り合いなんです。すいません。」
「あなた、リヒトさんの
お知り合いかい?」
「はい、ミスラともうします。
リヒトとは幼馴染です。
とりあえず、リヒトを城に
連れて行きますので、左肩
お願いします。」
「分かった、じゃ連れて行くよ。」
リヒトは、ぐったりした体を
二人に支えられた。
「リヒトはどうしたんですか?」
「リヒトさんは、歩くと思ったら
そのまま固まって倒れたのよ。」
「え?あいつに限ってそんな…もう。
全く、バカリヒト。人さまに迷惑
かけてんじゃないわよ。」
騒ぎを聞きつけた門兵が
階段を降りてきた。
「話は聞いております。リヒト様は
あとは私達にお任せ下さい。」
「は、はい。お願いします。
ミスラちゃん、行こうか。」
ミスラは、立ち止まった。
何かあったのか、思った瞬間、真剣な表情
をして言った。
「リヒトは私の幼馴染です。
私もどうか付き添わせて下さい!」
門兵は一瞬驚いた様子を見せたが
ミスラがここらで少し有名な
名門貴族の娘と認識すると
快く承諾してくれた。
「分かりました、こちらどうぞ。」
「ありがとうございます
串焼きお姉さん、あとは任せて」
先程までの表情とは打って変わって
あどけない笑顔を浮かべた。
「あ、あぁ。リヒトさんを
頼んだよ。」
門兵がリヒトを部屋のベッドに
寝かせ、ミスラも部屋に入った。
未だ、起きる様子はリヒトから
見られなかった。ミスラは
リヒトの頭を撫でながら
小さな声で呟いた。
「もう、皆に迷惑かけて...バカ。」
すると、ドアからメイド服を
来た可憐な女性が現れた。ミスラを見ると
丁寧にお辞儀をした。
「あなたが、リヒト様の幼馴染の方ですね。 今回は協力 ありがとうございます。
私は、リヒト様の専属メイドのピスティア
と申します。 以後、お見知り置きを。」
「せ、専属メイド!?ですか。
あの、私はミスラと申します。」
ピスティアと名乗ったメイドは
門兵に下がるよう命じた。
ミスラはピスティアに、事の経緯を
知る限り話した。話を聞くと、
ピスティアは軽く落ち込んだ
表情をした。
「はぁ、私が冷水を掛けて
おこしたからですね。」
「れ、冷水をかけた?」
「はい、リヒト様は起こさないと、
昼近くまで眠っておられるので」
「なるほど、それは仕方ないですね。」
この時、リヒトが起きていれば
全力で突っ込んでいるだろう。
「それより、看病しましょうか」
「そうですね、ひとまず、その...」
ミスラはそう言うと、赤面しながら
モジモジしていた。ピスティアは
訳が分からないと言った感じだ。
「あの、どうなされたのですか?」
「あのですね、リヒト倒れた時から
同じ服で...それに汗かいてるので
服を替えなきゃいけないんですが。
その...脱がさないといけないな〜
と思いまして。」
「なっ!?」
事情を理解したピスティアも
赤面してしまった。お互い、
生まれも育ちもアーデルハイトなので、
日常生活で男と接することなど
まずそうそうない。ミスラはまだしも
ピスティアのように、リヒトが
来るまでは女しかいない空間に
いたことしかなく、生まれて19年で
始めてまともに接する男子がリヒト
なのだ。もちろん、そんな二人に
免疫があるはずもなく、意を決せずに
二人揃ってモジモジした。
しかし、辛そうな主、幼馴染を
放っておけないと思ったのか
ひとまず、上着を脱がすことは
成功した。ため息をつく二人。
「た、たかが上着ですもんね。
次はシャツです....か。」
「頑張りましょう、ピスティアさん」
二人顔合わせ、リヒトのシャツを
脱がすことを決めた。
なんとも艶かしい光景である。
美少女二人が寝ている男の服を
脱がしにかかっているのだから。
二人は、シャツを脱がすのに無駄に慎重に
なりながらも、やっとリヒトの胸板が
見えてきた。
「やっぱりリヒト様、汗
かいてらっしゃいますね。」
「そ、そうですね!...へぇ
結構いい体してるのね、あいつ..」
「何かおっしゃいました?」
ミスラは大きく首を横に振った。
「何も言ってません!別に
いい体だなとか思ってません!」
思わず、本音を言ってしまった事に
気付いたミスラは沸騰しそうな
顔をしていた。
「あら〜、まぁいいのでは
ないのでしょうか?」
(た、確かにリヒト様いい体
してますね。騎士学校で戦闘技術
がないと聞いてましたから、もっと
ヒョロヒョロしたものかと
思ってました。)
シャツを脱がし、上半身の汗を
拭き取ったところで肝心な事に
二人は気付いた。遠慮がちに
ミスラがピスティアに聞く。
「あ、あの〜。その、下半身は
どうしますか?」
「脱がすしかありません。」
「ですよね。」
「「.....................」」
押し黙る二人。意を決し、ズボンの
ベルトを外し、二人で一気に
脱がした。パンツだけのリヒトに
ミスラは未だにアタフタしているが、
ピスティアはもう割り切っているようで、
テキパキとリヒトのパンツの部分以外の
下半身を拭いた。
「ピスティアさんは平気
なんですか?」
「き、聞かないで下さい!
そんなこと言われると自分が
正気に戻ってしまいます!」
「は、はぁ。すいません。
よしっ、私も!」
割り切ったせいもあってか
意外と時間はかからなかった。
あとは、男の最後の砦とでも
言うべきか?パンツだけになった。
すでに、おかしくなりつつある
ピスティアは問答無用で
脱がしにかかった。
「行きますよ、ミスラさん。」
「え、えぇ!?ちょっと、心の準備
というものがまだありまして。」
「何甘いこと言ってるんですか!
あと1枚なんですよ!」
一喝され、ミスラも覚悟を
決めたようだ。
「いい顔してますよ、ミスラさん」
「どうも、ピスティアさんも
いい顔してますよ!行きますか、
ピスティアさん!」
パンツの端の左右を掴んだ。
息を大きく吸い込む二人。
「「せーのっ!」」
その時だった。
「う.....うーん?ここは、俺の部屋?
ミスラ?ピスティアさん?」
俺は、起きたばかりのボヤけた
視界で自分の置かれた状況を
見渡した。脱がされたシャツに
上半身裸の体、ズボンも脱がされ
パンツを脱がそうと手をかけている
メイドに何故ここにいるか分からない
幼馴染か。俺が倒れて、意識がない
間に一体何があったんですかね?
ミスラとピスティアはリヒトが
起きたことに気付くとそのまま
固まってしまった。
「い、いやあのですね。
これには並々ならぬ事情がありまして。」
「そ、そうよ!あんたのせいなんだから!
リヒト、勘違いしないでよね!」
いや、あのですね二人とも。
起きたら、異性二人にパンツを
脱がされそうになるってかなり
問題だと思うんですがね。
「ま、まあひとまず事情を
お話して下さい。あっ、それと
できればパンツからは、手を離して
頂くと嬉しいです。」
二人は風の速さでパンツから
離れると、冷静さを取り戻した。
ピスティアさんがここに至るまでの
過程を話してくれた。時折、ミスラ
の補足も加わり、二人には多大な
迷惑を掛けたことを理解した。
それで、どうやらパンツ
を脱がそうかしていたのは、俺の
服を着替えさせるためのようで、
やましいことをしようという
訳ではないようだった。
「すいません、迷惑をお掛けしました。
でも、流石にパンツは
いきすぎなんじゃないですか?」
「何よ!こっちはあんたが町で
倒れてるって聞いて、心配
したのに!ねえ、ピスティアさん」
「そうですわね、リヒト様。
わ、私達なりに考えた結果なんですよ」
うっ、そう言われると
俺も反論のしようがない。
異性の下着を脱がすなどとてもじゃないが
俺にできそうにない芸当だしな。
「この度は本当に、申し訳
ありませんでした!!」
謝罪の言葉を聞くと、ピスティアさんんも
冷静さを取り戻したようだった。
「それより、リヒト様。
下着を着替えてもらって
よろしいですか?衛生上
よくないと思いますので。
私達は、後ろを向いてます。」
それもそうだな、俺は
着替えることにした。
その時だった。ドアが開いた。
「リヒト…風邪引いたって本当?
ベル、様子は見に来た…。
ベル、優しい。ん?」
「ちょっと!ベル、今はリヒト様
が着替えてるから…あっ!
ベル、見てはダメよ。男の人の
汚物を見てはダメ!」
「むぅ、ピスティアひどい。
ベル、リヒト見たい」
ベルが何か見ようとした瞬間だった。
後ろを向いていたピスティアが、
暴れるベルの視界を遮った。
ナイス、ガード!ピスティアさん。
でも、汚物って…男だって好きで
ついてるわけではないのですよ。
ちょっとだけ、男に生まれたことを
悲しみながら、俺は着替え終えた。
「終わりましたよ、もう大丈夫です」
「分かりました、ベル、もう
見ても結構ですよ。」
ずっと、ピスティアに抱かれていた
ベルが、ピスティアさんから
解放されると、ミスラの存在に気付いた。
じぃっと見つめた後、言った。
「あなた、リヒトの妹?か何か?」
ミスラはベルをまるで赤ん坊を相手に
するかのような態度で接した。
「いいえ、私はリヒトの幼馴染の
ミスラっていうの。よろしく
ベルちゃん。」
ミスラはベルに手を差し伸べたが
ベルはピスティアの後ろに隠れた。
「幼馴染?ならベルの敵。そう、ライバル」
普段は、眠たそうにしている
目を見開いて答えた。
「ライバル?ベルちゃん、何の?」
「ベル、分かるの。ミスラ、あなた
きっとリヒトの事好き。
ベルもリヒトの事好き。だからライバル」
「…………なっ!?」
ベルの言葉を聞いたミスラだけでなく、
俺まで驚いてしまった。
ベル、俺の事好きって…あれか
お兄ちゃん的な奴か。しかし、ベル
も甘いな。ミスラが
俺の事好きとかないと思うぞ。
ミスラは突然のベルの告白と、
自分のの気持ちがばれている事に
驚いた。しかし、年上の余裕を
見せるために、ミスラの心は
ボロボロであったが必死に隠すようにした。
「そ、そう。ベルちゃんには
そう見えたんだねー。
でも、違うからねー。
べ、別に好きじゃないから
ライバルじゃないよ。」
見かねたピスティアが咳払いをし
ひとまずこの話題は終わりを迎えた。
ピスティアさんは、俺に
寝るように指示した。
それもそうだな、さっきよりかは
楽だけれど、まだ体が重い。
俺は、ベッドに入った。
そこまでは良かった。のだが。
「ベル、リヒトの体を温める為に
一緒に布団入る。」
「……はい?」
ちょっとベルさん、なに言ってるか
分からないですね。俺だけではなく
ミスラ、ピスティアさんまで
驚いている。そんな俺たちなど
お構いなしといった感じで
ベルが布団に入ってきた。
「リヒトは、ベルと一緒、嫌?」
ちょこんと布団から顔を出し
上目遣いで聞いてきた。反則じゃないか
こんなの。はあ、こうなると仕方ないな。
「仕方ない、今回だけだ」」
俺の言葉を聞いたベルは
嬉しそうな表情をした。
「ロリコンリヒト……」
ミスラがボソッと言ったのが聞こえた。
「ちょっと待てっ!ミスラ!
ロリコンじゃねえから!
今さっきのやり取り聞いてたよね?」
「知らない!馬鹿じゃないの!?
リヒトには失望したわよ!
そんなに小さな子が好きだなんて」
きっとさっきまでのやりとりを
聞いてるはずなんだがな。
何をそんなに怒ってるのか
俺には理解しがたいぞ…
ミスラ完全に機嫌を
悪くしたようで、そっぽを
向いてしまった。
「リヒト、悪化したらいけない。
早く、ねよ。」
ベルが横で服の裾を引っ張った。
それもそうだな。俺が改めて
寝ようとすると、今度はピスティアさんが
恥ずかしそうに布団を引っ張った。
「どうしました?」
「そ、そのですね…今回の風邪は
私が冷水を掛けたことに原因が
あると思うのです。」
どうやら、ピスティアさんは
自分の行動のせいと思ってるようだ。
「違いますよ、俺が風邪を引いたのは、
少なくとも昨日の段階なので
今朝の冷水は関係ありません。
どちらかと言うと、前日に俺が
布団で寝ずに、そのまま
寝てしまったのが悪いのですから、
気にしないでください」
しかし、ピスティアさんは納得が
いかないようだった。うーん、俺は
別に気にしてないんだけどな。
「あの、リヒト様。
一つお願いがあるのですが
よろしいでしょうか?」
「はい、何ですか?」
たくさん栄養のある料理作ります!
とかいうものだと思って、なんとなく
俺は耳を傾けた。
「……そのですね」
「はい」
「お詫びと言いますか
……させてください。」
うまく聞こえなかっった。
「ええと、聞こえなかったので
もう一度言ってもらっていいですか?」
ピスティアさんは赤くなった顔を
下にしながら、呟いた。
「膝枕させて…下さい。」
時が止まったと思った。
膝枕って言ったよな?
ピスティアさん。マジで?
俺は自分の耳で今まさに
聞いたことが信じられなかった。
いやいや……あの人だぜ?
ピスティアさんは、俺から言葉を
受け取るまではだんまりを決め込むようだ。
「あの…ですね。」
「はい。」
一旦、俺は息を吸って荒くなった
呼吸を落ちつけることにした。
ピスティアさんがこれだけ勇気を
出したんだ。俺も誠意を持って
返事しなければ。
「是非よろしくお願いします!」
「は、はい!で、では」
俺はまくらをどけ、頭を上げた。
「失礼します、リヒト様。」
「お、お願いします。」
すげえ。ピスティアさんの膝は
とても柔らかく、そこらの枕より
気持ちが良かった。
「その、どうですか?」
「さ、最高です。」」
そのまま寝ようかと思ったが
その時、ドアにノックが鳴った。
せっかく寝ようかとかと
思ったのだがな。やけに今日は
人が来るな。
「はい、どうぞ」」
ドアを開けて入ってきたのは
リンゴを持ったエルピスだった。
「はいよー、リヒト!
陛下の登場だよ!なんだー
思ったより元気じゃん。
あっ、このリンゴはアイギス
からの差し入れね。ついでに
伝言ね。
騎士団たるもの、病気になるなど
貧弱にも程がある。
リンゴでも食って早く直せ
だってさ。厳しいと思うかも
知れないけどさ、これでも始め
聞いた時はビックリしたんだよ?
普通だったら、甘ったれるな
の一喝なのにさ。差し入れまで
くれるんだもん。とりあえず後でいいから
リンゴ食べな。ん?…へえ」
エルピスはピスティアさんの方へ
目を向けて、何やら意味深な
視線を向けた。
「あの、戦場で薔薇姫とまで
言われたあなたが膝枕ね〜?」
エルピスの言葉を受け、ピスティアさんは
とてもあたふたした。ピスティアさんが
戦場?何それ?まあ、変に関わると
睨まれそうだったので、、俺は好奇心を
抑え、沈黙を貫くことにした。
「その名前で呼ばないで
下さいませっ!。そのですね…
今回の件は私にも責任が
あるので………。」
「ふ〜ん、まっいいか。」
………………閑話休題。
そして、今に至る。
「早く寝て直さないと、アイギスに
怒られるわよ?」
「それは困るな。いや、本当に。」
それは勘弁願いたいものだ。そうだ、
アイギスさんに今度リンゴの
お礼を言わないとな。
じゃっ、そろそろ寝ますか。
「ん。じゃ、おやすみ。」
「おやすみ、リヒト。」
「ゆっくり休まれて下さい リヒト様。」
「早く風邪治さないと
許さないから!バカリヒト」
「………リヒト、早く、元気に
なって………zzzz」
俺は、四人の美少女に囲まれて
いち早く風邪を治すべく眠った。
この話は、今のところ一番
文字数が多い章なんですよねww
次回から、そろそろ
真面目に問題についての
話を書きます。
今後も、
よろしくお願いします!