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郵便屋さん
“カラアゲ”の投稿が思うように進まないので現実逃避にこっち投稿しまする。
クルマの通るのが途切れたら、道路を渡ろう。
ジテンシャに跨がってのんびり待っていたら、赤い四角い箱をのせた、郵便屋さんのバイクが左手から来た。
右手からは次々に、まだまだ、クルマが来る。
郵便屋さんはこちらに曲がろうとしていて、私と時折目があった。
郵便屋さんは私の右側を、私は郵便屋さんが右に曲がる内側を通る形になっていた。
郵便屋さんの目が、お先へ、と言ってくださる。
けれども私は臆病で、折角クルマとクルマの間が出来たのに渡ることが出来ない。
私が戸惑うと、郵便屋さんまで渡れなくなってしまった。
私はすっかり申し訳なくて、次に隙間が出来たとき、
「どうぞ、」
きっと聞こえもしないだろう、小さな掠れた声で言って、右手の平を上向けて空をすいと掻いた。
こちらへ、御先へ。
郵便屋さんはひとつ瞬きぱちくりさせて、頷いて、優しく笑いなさった。
「ありがとう」
ぶろろろろ、
音を立てて私の右側を通っていった。
私は結局渡ること叶わず、またのんびりとクルマが流れるのを見た。
柔らかな御礼の声が頭のなかで響いている。
私が渡りたい道の向こうの空に広がる夕焼けが、冬の風の頬を刺すような寒さから、私を包んで守ってくれるような、あたたかだった。




