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二回戦目の相手は、魔法使いだ。
水属性魔法使いだった俺の勝ちはこの時点で決まっているのだが、
果たして一体何を使ってくるのやら。
格闘技なんてやった事がないので、自己流の構えをとり、じりじりと距離を詰める。
相手との距離が五メートルになった所の俺は加速した。
一瞬にして相手の懐に入り、肘鉄を決めようとローブに触れた時だった。
「うわあああああああああああ!!」
叫んだのは相手ではなく──俺。
ローブに触れた瞬間、電流が身体を駆け抜けたのだ。
──つまり。
雷属性魔法使い。
多分相手は俺の攻撃を避けれないと判断したのだろう。
だから己自身に地雷型の魔法をかけたのだ。
それも最大級の。
俺の生命線はイエローゾーンをギリギリ保っていた。
しかし相手のHPも残り六割くらいまで削れた。
次も同じように動いたら俺は負ける。
というか俺が相手に触れた瞬間負ける。
この勝負の勝敗は決したのかもしれない。
そう考えている間。
相手が呪文詠唱している。
大型の詠唱魔法だ。
阻止しないとまずいだろう。
だけど攻撃したら俺はさっきの魔法を再び受けることになる。
──どうする事もできねぇよ。
相手が詠唱を終えた時だった。
俺は一つの考えに至る。
俺はスキル《時の刻み》を発動した。
すると──あの感覚が甦る。
水龍戦で死を覚悟をした時だった。
そう。時間が長く感じるのだ。
これなら、雷の速さを超えられる。
俺は水精霊の首飾りを使った。
すると──俺の周りに水で覆われた膜が形成される。
これで大丈夫。
俺は《時の刻み》を解除した。
その瞬間──俺の頭上に特大の雷が落ちてきたのだ。
しかし、純水は水を通さない。
これにより、全て受け流す事ができた。
俺は水膜に覆われたまま相手に向かい走りだす。
これで地雷型の魔法を半減できるはずだ。
俺は上段回し蹴りを相手に繰り出した。
──これで決める
手ごたえありだ!
そう思った瞬間身体に電流が走る。
どうやら、今の一撃で相手のHPを削りきることが出来なかった。
お互いのHPは残り五パーセント程度。
しかし同じ事をやったら相打ちだ。
相手もそれをわかっているだろう。
俺にダメージを与える方法がそれしかないのだから。
ここで冷戦が始まるのかと思いきや、一つの発想が俺の頭を過ぎった。
多分アイテムのボックスの中にある。
ちなみに試合中は消費系アイテム使用してはならない。
だから普通は試合中にアイテムボックスを見ることはないのだが、
俺はある物を取り出した。
ダガーである。
ちなみ重さが二十あるので装備はできないし、
そもそも大会内で登録した装備以外装備してはいけないのだが、
俺はこれを手に取り、二年間毎日やっていたあの動作をする。
このゲーム武器を投げるというのはスキル上存在しない。
しかし俺はシステムアシストなど必要がない程にダガーを投げるの得意なのだ。
だって二年間毎日投げてれば嫌でも上達するだろう。
相手に避けられては困るので、
再び距離を詰め──ダガーを放った。
するとシステムの合成音声が俺の勝利を告げるのだった。
短いです。




