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episode5〜神殿都市ディオルド〜

めっちゃ久しぶりのトゥーガン×トゥーソードの投稿です。

アヴィスがフレイヤに引っ張られながらディオルドを目指してから2日後。

トゥーガンとリオニールはドラグーン達より一足早く神殿都市ディオルドへと辿り着いていた。

「ディオルドに来るのも、久しぶりだねぃ」

トゥーガンとリオニールは目の前にそびえる神殿都市ディオルドを見ながらドラグーン達が来るのを待っていた。

「おっちゃん、以前にもディオルドに来た事あるの?」

「あるよ〜。おっちゃん不老不死だから。30年位前だったかね〜?」

因みにディオルドが神殿都市の形になったのは20年程前である。

『トゥーガンさん、その時ってまだ神殿しか無い頃じゃありません?』

「あ〜。言われてみればそんな気もするね?」

レーベンクルスに言われ自身の記憶を確かめるトゥーガンだったが、どうにもはっきりせずそう言われてみれば神殿位しかなかったっけ?とか思っていた。

「それにしてもドラグーンさん達まだ着いてないみたいだね?」

「なら、先に宿屋に行って旅の垢でも落とすかね〜」

「おっちゃんにさんせー♪」

『アルカリ性ー♪』

『『寒っ!!?というかアルカリ性って何(だ?)(ですか?)』』

レーベンクルスが発言した後、急に冷たい風が吹き荒れドラグロスとシルバリアが声を揃えて思わず叫びそしてツッコミを入れた。

『いえ、私も良く分からないんですけど言わなきゃいけない気がして・・・・・・』

「なんだよそれ?」

「はいはい、良いから行くよ〜」

そんなこんなでトゥーガン達は宿屋『神の囁き』亭に向かって歩き出すのであった。


トゥーガン達に遅れる事一時間。

神殿都市ディオルドより数キロ離れた人気の無い街道に一匹の巨大な炎竜が舞い降りた。

『よっしゃ。此処からは歩いて行こうか』

その炎竜は長い首を捻り己の背中に向かって言った。

『そうじゃのう。流石に主の背に乗ったままディオルドに行く訳にはいかぬしの』

そう言って炎竜の背中より飛び降りたのはカグツチである。

「みゅ〜♪お兄ちゃんの背中久しぶりだったよ〜♪」

「き、貴重な経験をしました・・・・・・」

カグツチに続いて炎竜の背中から降りたのはパタパタと妖精の羽を動かして浮いているご機嫌なトゥラーシュとトゥラーシュに抱えられて共に降りてくるリーティの我等がちっちゃいんずである。

「「ちっちゃくないよ!(ありません!)ちっちゃくないからね!?(ありませんからね!?)」」

『いきなりどうしたのじゃ?』

突然叫んだトゥラーシュとリーティにカグツチが訝しげに尋ねた。

「何か私達の事ちっさいって言われた様な気がして・・・・・・」

「アタシもです」

トゥラーシュとリーティは互いに顔を見合せ顔を傾げ合う。

『おーい。ちと下がってろよー?』

『「「はーい」」』

炎竜に言われ距離を取るトゥラーシュ達。

『ガァァァァァァァッ!』

トゥラーシュ達が充分な距離を取ると炎竜は翼をはためかせ唸り声をあげる。すると炎竜の巨体が徐々に縮んで行きそれと同時に人の姿へと変わっていった。

しばらくすると炎竜は東方の国に伝わる真っ白いFUNDOSHIを締めたドラグーンに姿を変えた。

そう、あの炎竜はドラグーンが完全竜化した姿だったのだ。因みに竜化した姿でも何故かFUNDOSHIは破れなかった。

『主、早く衣服を身に纏うのじゃ』

「おう。このままだとトゥラーシュとリーティの目の毒だからな」

カグツチはドラグーンに近づくと預かっていたドラグーンの着物と二本の刀をドラグーンに渡し再び離れて行った。

尚、トゥラーシュとリーティは顔を真っ赤にし目を手で覆いドラグーンに背中を向けている。


「しかしアレだな。竜化すると一々服を脱がなければいかんのが面倒だな」

『仕方あるまいて。そうせねば服がびりびりに破れてしまうのじゃからのぅ』

着替え終わったドラグーンはカグツチ(背中にトゥラーシュとリーティを乗せている)に愚痴をこぼしながらディオルドに向けて歩いていた。

「でも、下着は破れてないよね?」

『それはお約束と言う奴じゃ』

チャカチャカ歩くカグツチとトゥラーシュの会話を聞いたドラグーンとリーティは思わず苦笑を浮かべる。

その時だった。

『・・・・・・て!』

『む・・・・・・!!』

ドラグーンとトゥラーシュの耳に誰かの叫び声が聞こえてきた。

「む!?」

「お兄ちゃん!」

竜とエルフのハーフであるドラグーンと音の精霊と妖精のハーフであるトゥラーシュは非常に耳が良い。

それ故に1キロ程離れた場所の音を聞く等容易い事だった。

「カグツチ!西に500ヘイム行くぞ!」

『承知じゃ我が主!トゥラーシュ、リーティ、しっかり掴まっておくのじゃ!』

「うん!」

「分かりました!」

ドラグーンはカグツチに指示をすると共に走り出す。

因みにヘイムはメートルと同じ意味であり1ヘイム=1メートルである。

ついでにキロメートルはリグヘイムとなり1キロメートル=1リグヘイムだ。


ドラグーン達より500ヘイム離れた草原。

其処に十数体のオーガの集団に囲まれたアヴィスとフレイヤが居た。

「はぁはぁ・・・・・・くそ!こんな所にオーガが居るなんて!」

『オーガが集団を作るなんてボク聞いた事ないよ!?』

蒼色の剣を片手にボロボロのアヴィスは肩で息をしながらオーガの集団を睨む。

オーガは体長3メートル程の鬼人であり群れは成さず高い再生能力を誇る。

先程からアヴィスとフレイヤは何度もオーガに手傷を負わせているのだが、片っ端から再生されている。

逆にオーガ達の攻撃は集団故にアヴィスとフレイヤに当たり始め今二人は危機に陥っていた。

『ヴォォォォォォォッ!』

動きが鈍り始めた二人を見て好機と思ったのか五体のオーガが同時に攻撃を仕掛ける。

「くっ!」

『うりゃ!』

その攻撃を避けたアヴィスとフレイヤだったが、オーガの降り下ろした棍棒が大地を砕き土の塊がアヴィスの足にヒットした。

「ぐあっ!」

『お兄ちゃん!?』

苦悶の呻きを上げるアヴィスにフレイヤが近寄る。

「くっ!足が」

『よくもお兄ちゃんを傷つけたな〜!ウィンドスラッシュ!』

フレイヤが風を巻き起こしオーガを切り刻み数体のオーガを塵に変える。しかし、それまでに使って来た精霊力の限界が来たのかフレイヤはアヴィスの横にヘタリ込んだ。

『うぅ〜。お兄ちゃんごめん。ボク限界〜』

「謝る事は無いさ」

アヴィスはフレイヤの頭を撫でながら痛む足に力を込め立ち上がる。

せめて最後の瞬間までオーガに立ち向かう決意をしたのだ。

「その決意見事だ!」

『よう頑張ったの。これから先は儂等に任せるのじゃ!』

アヴィスが立ち上がり蒼色の剣を構えたその時、戦場にドラグーン達が到着した。

オーガの集団を飛び越えアヴィスとフレイヤの前に着地するドラグーン達。

「あ、あなた方は?」

「旅の者だ。とにかく後は任せてゆっくりしてろ。トゥラーシュ、リーティ。その二人を頼んだぞ」

「うん!」

「任されました」

ドラグーンが言うとトゥラーシュとリーティがアヴィスとフレイヤに近寄り治療を開始する。

「カグツチ、炎を」

『御意なのじゃ。炎よ我が主に力を!猛々しく燃える炎の加護を与えよ!フレイムエンチャント!』

ドラグーンが二本の刀【一文字】と【古鉄】を引き抜くとカグツチがそれに炎の加護を与える。

炎の刃を煌めかせドラグーンは一文字と古鉄を逆手に構えた。

「斬られて燃えろ!乱撃・炎魔刃剣!」

逆手に持った一文字と古鉄を煌めかせドラグーンはまるで舞いを踊るかのようにオーガ達に斬りかかる。

斬られたオーガ達は傷口から炎を吹き出して倒れて逝くのだった。



「リーティ、どうだ?」

十数分後。

オーガ達を倒したドラグーンはアヴィスの手当てをしているリーティに声をかけた。

「足を骨折しています。支えをして包帯で応急手当てをしましたけど治療所で本格的な治療を受けなければなりません」

「お前の神聖魔法は?」

「今のあたしでは傷の治療位しか出来ません」

リーティはうつむき申し訳なさそうにドラグーンに言う。

「なら、ディオルドに急ぐぞ。カグツチ、この兄ちゃんと狼ちゃんを乗せろ。トゥラーシュとリーティは俺が担いでいく」

『了解じゃ!』

カグツチはアヴィスとフレイヤを背中に乗せると落ちない様にロープで縛る。

「さて、トゥラーシュとリーティは乗り心地は悪いが俺で我慢してくれ」

「みゅ♪」

「きゃっ!?」

ドラグーンはトゥラーシュを懐に入れリーティを肩に乗せるとカグツチと共にディオルドに向かって走り出した。

「みゅ〜♪」

「ひゃああああ!はや、早いぃぃぃぃぃ!?」

トゥラーシュの楽しげな声とリーティの叫び声を残したまま、ドラグーン達はディオルドに向かうのであった。



次回いよいよ最後の仲間の登場です。

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