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episode2~侍と虎とちっさい女の子~

漸く出来ました。


今回からGAU様の投稿キャラ『リーティ・リント』が一行に加わります。

さて、トゥーガンがリオニールと出会ってた時と同じくして、ドラグーンとカグツチも新たな出逢いを果たしていた。


「はあ〜、此処も駄目かあ。一体何処に居るんだよトゥラァーシュ〜」

『元気を出すのじゃ主』

とぼとぼと歩くドラグーンにカグツチは元気を出すように言う。

トゥラーシュとはドラグーンが旅をしながら探し続ける妖精と音の精霊のハーフの女の子で数年前のある日忽然と住んでいた里から姿を消した。その日以来、ドラグーンは世界中を修行の旅をしながらトゥラーシュを探し続けているのだ。

「はぁ、あんがとなカグツチ」

ドラグーンは溜め息を尽きながら、カグツチの頭を撫でる。

『(むぅ。やはりショックがデカいようじゃの。何せほんの一週間前までこのラムドにおったようじゃしな)主、女子の足なら一週間前なら差ほど遠くには行っとらんじゃろ。今ならまだ追い付けるのではないか?』

「そうなんだけどな〜。アイツ、妖精の血を引くだけあって飛べるんだよ。周りに誰も居なけりゃとうの昔に飛んで行ってら」

ず〜んと沈みながらカグツチを撫でるドラグーン。対してカグツチは毛並みが艶々になっている。

『主よ。取り敢えずトゥーガンと……「そこのあなた!」って何なのじゃ?』

「んあ?」

突如かけられた声に振り向くと其処には立派な鎧兜に身を包んだ騎士が居た。

「あなた!その魔物から放れなさい!」

そう言うと騎士はバスターソードとカイトシールドを手に取り、何時でもカグツチに攻撃を仕掛けられるように構えた。

「『……』」

「な、何ですか?」

ドラグーンとカグツチは騎士を見ると言葉を失い、騎士はそんな二人?の様子を怪訝そうに見ながら尋ねた。

「『……ちっさ!』」

「な!ちっちゃくありません!ちっちゃくありませんからね!」

そう、ドラグーンとカグツチの目の前に居る騎士はドラグーンの太もも位の身長だった。

その為ドラグーンとカグツチは思わずその騎士に向かって失礼な事を叫んだ。

騎士は二人?に向かって叫ぶとどこからともなくハリセンを取り出してドラグーンに向かって振り下ろした。

さて、此処でドラグーンと騎士の身長差について思い出して貰いたい。

ドラグーン・200センチ。騎士・約90センチ程。

その差約110センチ。

更にハリセンを振り下ろしている。

結果・落ち込んでいるドラグーンの股間にジャストアタック!

「ぐはっ!」

『あっ主ぃぃぃぃぃっ!』

「あ、あら?」

ドラグーンは股間を押さえ悶絶しながら大地に沈みカグツチはドラグーンに駆け寄るとその頬を舐める。

騎士はでっかい汗を浮かべながら、そんな二人?を見つめているのだった。



「誠に申し訳ありませんでした!」

しばらくして、復活したドラグーンに騎士は頭を下げる。

「い、いや、此方の方こそ失礼な事を言って申し訳無い」

『儂も失礼な事言うて申し訳なかったのじゃ』

互いに頭を下げまくる二人と一匹。

「申し遅れました。あたし、神官戦士のリーティ・リントと申します」

そう言ってリーティと名乗った騎士は兜を取る。すると兜の中に収まっていた金色の髪が風にたなびく。

「俺は旅の侍でドラグーン・ハイエイト。コイツは俺の相棒で」

『炎の精霊の一族で炎虎のカグツチと申す。断じて魔物などでは無いので安心して欲しいのじゃ』

ドラグーンとカグツチがリーティに自己紹介すると、

「え?炎の精霊の一族?」

と呟き固まった。



※この世界では、精霊を崇める宗教も多くある。但し、精霊は自然の一部として取られている為カグツチのように個として存在している精霊は希有な存在である。



「そう言や街に入る前に人化の法使えば良かったんじゃねーか?」

『そう言えばそうじゃのう。次からはそうしようかの』

カラカラと笑うドラグーンとカグツチを尻目にリーティは固まり続ける。

「あの、本当に炎の精霊の一族なんですか?」

『そうじゃよ?ま、この辺りの出身じゃないからの。魔物と間違えられても仕方無しと言った所じゃな』

「リーティは神官戦士なんだよな?見た事は無くても炎虎の種族名は聞いた事あるんじゃないか?どこの神殿でも精霊の一族については教える筈だしな」

ドラグーンがリーティにそう言うとリーティは覚えが有るのか「あ」と呟いた。


※因みに、炎虎のような存在の事を精霊獣と言い他には風狼ふうろう地亀ちき水蛇みずち雷鳥らいちょう光龍こうりゅう闇獅子やみじしが存在する……が、地亀に関しては甲羅が武具の素材として高値で取引される為、乱獲され数が激減。現在は神殿の保護下にある。尚、精霊獣同士が会う事は無い。生息地が違うという事もあるが、精霊獣は本来縄張りから出る事が無いので会う事は有り得ないのだ。



『ま〜、見た事無ければ分からぬのも無理無いわの。いや、今回は仕方無しじゃ』

カグツチはカラカラと笑いながらリーティに言った。

「本当に申し訳ありませんでした」

リーティは再びカグツチに頭を下げた。

「そう言えば、リーティはこんな女の子見た事無いか?」

ふと思い付いたのかドラグーンは懐から一枚の絵を取り出してリーティに見せた。

「あら?これはトゥラーシュ?」

「知ってるのか!?」

「はい。つい4日程前に雨宿りをしていた時に出会いまして、意気投合しました」

「何処に行くとか言って無かったか!?」

「神殿都市ディオルドに行くと言ってました。何でもお兄さんを捜しているとか」

「トゥラァァァァァーシュッ!」

遂に手掛かりを掴んだドラグーンは其処が街中という事を忘れて思わず叫んでいた。

『主!落ち着くのじゃ!』

「がはっ!」

興奮状態のドラグーンの鳩尾にカグツチのツッコミ虎キックが炸裂した。

「……え〜っと」

二人のやり取りを見ながら、全力で置いてけぼりにされたリーティは額にデッカい汗を浮かべながらどうするべきか悩むのだった。



「そうかい。遂に手掛かりを掴んだんだね〜」

下弦の月亭の食堂の席でトゥーガンはドラグーンが遂にトゥラーシュの手掛かりを掴んだ事を聞いて笑顔を浮かべながら呟いた。

「あぁ、リーティのおかげだ」

「いえ、アタシはそんな」

「じゃあさ、おっちゃん達の次の目的地はディオルド?」

「勿論だ!所でリーティはこれからどうするんだ?」

リオニール(カグツチの首筋に抱きついてもふもふとカグツチの毛の感触を堪能している)の言葉に頷いたドラグーンはリーティの方を見て尋ねる。

「取り敢えず、見識を広げる為に旅を続けます」

「だったらこのまま、俺達と一緒に旅をしないか?無論、リーティさえ良ければの話だけどな?」

ドラグーンの提案にリーティは暫しの間考えて、

「では、ご一緒させていただいてもよろしいですか?」

とドラグーンの提案を笑顔で飲んだ。

こうして、侍と虎と銃士一行に新たな仲間が加わった。

リオニールとリーティ・リント。

二人の心強い仲間を加えた一行は次の日の朝、神殿都市ディオルドに向かってラムドの街を出発したのであった。


GAUさん、リーティのキャラはあんな感じでよろしいでしょうか?


次回『崖の下での再会』です。


いよいよ、ドラグーンのヒロインキャラトゥラーシュの登場です♪

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