ものさしの気持ち
峰崎愁莉の気持ち想像シリーズ3話目!
今回はものさしの気持ち。
ふだん真っすぐなものさしは・・・・。
・・・ちょ、やば、背中いてぇんすけど。
なんかしらんけど、すんげぇ、背骨が真っすぐなのね。
しかもそれが、曲がらんのだよ。
どうしようかなぁ。
なんかそろそろ、冒険して曲げてみたい気持ちもある。
だってほら、ね?
・・・楽しそうじゃん?w
いつも同じ体制でいるのが辛いんだよ。
そろそろ俺たちものさしの形を変えろぉー!!!
・・・って思ってたら案外変えてくれた。
30センチものさしとかできたわけよ。
なんかそいつらは、あっさりと背骨が曲がっちゃうわけ。
俺は旧型だから15センチ。
身長短い&背骨曲がらん。
あいつら、てら羨ましす。
「ちょ・・マジ・・・主さん、俺を曲げてくれっ・・」
って願うと、必ず主さん言いだすんだよね。
「あっ、なんかしらんけど、無性に物を折りたくなってきた」
そんとき、たいてい他の人は言うわけ。
「じゃぁ鉛筆折れば?」
・・・俺じゃないんだ!?
あ、俺が一生懸命曲げてくれって願ったのに!?
あれ? 鉛筆君が曲がるんだ?
あ、なんか俺ちょー悲しいんすけど?
鉛筆「プッwww お前存在感うすいんだなっww」
・・・悔しい。 悔しい悔しい悔しい。
俺じゃだめなのか・・・。
「え、なんか・・鉛筆じゃなくてさ」
・・・キッターーーー!!
なんか急に良い展開キターーーー!!
こっから・・・ものさしに・・・
「ものさしとか折れやすくね?」
やっぱキターーーー!!
・・・このまま、曲げてくれ・・・!!
「・・・折ってみる(笑)」
((パキンッ
あれ、なんかあっさりまが・・・っ・・ !?
俺の体、半分になって・・・・・ッ・・・・ッ!!!!
・・・イタイッ・・・・!!
曲がるって、こんなに痛い・・のか・・・。
・・俺は、曲がってるんじゃない。
オレテイル。
俺、もう使えない体になったのか?
・・・こんなにあっさり、命が終わるのか?
いやだ・・・。 嫌だ嫌だ嫌だ。
俺が願わなければよかったのか。
なんで曲げてくれなんて、願ってたんだ。
あの背中の痛みなんか、大したことないじゃんか。
・・・なんてこと、してたんだ。
「お・・・折っちまった・・・」
「あーあ、しーらねっ」
「もったいない・・・」
「もったいなーい(笑)」
「・・・」
(ごめん)
・・・主さん、俺、心の言葉が読めた気がするよ。
・・本気じゃ、なかったんだろ?
・・・もう、終わったことだし。
でも、痛かったよ。 俺。
・・・あ、俺が曲がる形だったらよかったのかな。
30センチものさしでも、真っすぐだから折れちまうだろ?
覚えてるか?
昔のおもちゃの・・・、ほら、よくお祭りの屋台で売ってる、パッチンバンド。
真っすぐになってるんだけど、手首にパンッって当てるとスルッて巻けるやつ。
あれだったらさ、背中曲がるし、真っすぐになることもできるし。
長さはいくらでもなるだろうしな。
それに、コンパクトになって、長くて運びにくいものさしでも
運べるようになれるんじゃないか?
俺が、あんな形になれたら。
・・・ごめんな、主さん。
俺が、真っすぐで。
こんなに折れやすい体質で。
俺が、パッチンバンドみたいな体質だったら、便利だったのにな。
でもよく言えば、俺は、真っすぐなものしか見ない。
真っすぐなものが、大好きなんだ。
だから、主さんにも、決めたことには直進してほしい。
真っすぐな線を飛きながら、
人生を歩み続けてほしいって、願ってる。
最後の「飛きながら」は、飛びそうなくらいにいい気持ちで、という、ものさしの願いが込められています。
ものさしは「真っすぐな線を飛きながら、人生を歩み続けてほしい」と願っています。きっと、叶えてくれるでしょう。
主さんのもとへ、その願いは、きっと。