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the inception.
前回の続きです。
シロは人間臭くなかった…
「ねぇ、如何して?」
いつだったか、そう聞いたことがあった。
ちなみにこれは出逢ってから四回目の“いつだったか”で、毎年同じように訊ねていた。
するとシロもやはり、毎年同じように返すのだった。
「生きながら死んでいるからだよ」
その答えは哀しく不可解で、いつもその答えよりシロの寂しい笑みが気になった。
ボクはもちろん普通のネコではないから、大抵の人間の言う事は理解していた。
もとよりそうなるようプログラミングされている。
じゃないと主の命に従えないからだ。
ともかくボクの生きてきた中で人間とは、
単純で
愚かで
貪欲で…。
けれどもその中にはキラキラしたものを持っている。
そんな存在だった。
でも、シロは違った。
単純でもなく、愚かでもなく、キラキラもしない。
ただ、まっさらな心がある。
めったに笑わない。
めったに怒らない。
人のために涙を流す。
そんなニンゲン。
否、そんな生神だった。
the inception.




