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お前のような不遇職がいるか!~リアリストが出す答えはいつもアンリアル  作者: Konoe Mitsuki


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第83話 モグラ狩りたちは行動を開始した

「事態は一刻を争う。手短に説明するぞ――」


俺は全員を招集し、説明を開始した。


皆一様に驚き、場の緊張が一気に濃くなった。


しかし、誰一人として取り乱す者はおらず、全員が俺の説明を静かに、固唾を飲んで聞いている。


「―――そういうわけだ、今から全員の意思確認を行う。戦いに参加する者はこの場に残ってくれ。参加しない者はマナエルに帰還してくれ。これは正規の作戦行動ではない。戦いに参加しないからといって決して責められることはない。皆自分の意思で行動してくれ」


俺がそう言った途端、皆が互いに顔を見合わせて、肩をすくめて苦笑いを浮かべた。


「ゲイル、どうやらここにはバカな連中しかいないようだぞ」


ハンクが代表して俺にそう返事をすると、全員が笑い、少し緊張がほぐれた。


「そうか。皆感謝する」


俺は皆に頭を下げた。


「礼はいいから、作戦を説明してくれ」


ハンクが続きを促す。


「分かった。地図を見てくれ。俺たちがいるのはこの交差点の手前だ。この交差点には北にHZ82、東にHZ83 、南にHZ84、西にHZ85が接続されている。敵は東からHZ83を西進中だ。そこでHZ82、84、85を爆破して崩落させる」


皆が静かに頷く。


「交差点には縦穴があり、地下に入れる。三方を爆破した後、HZ83に馬車を解体した木材を詰め込み、火をつける。オーガ戦で使用しなかった予備の油樽が二樽ある。その一つを一緒に入れて一気に燃やす。同時に全ブロアーを全力運転。煙をHZ83の横穴に行き渡らせる」


「もう一樽はどうするんだ?」


ハンクが質問する。


「ここから東へ千メルトほど行った先に、HZ83と隣接する狩り穴が記載されているんだが、誰か詳細を知っている者はいるか?」


俺がそう聞くと、


「そこは俺たちが先日まで使っていた狩り穴だ」


と一人の男が手を挙げた。


「確かヒューイだったな。そこの狩り穴はHZ83と繋がっているか?」


「ああ、繋がっている。だが、そこから先は新穴で、既存の補強された横穴とは繋がっていない」


「分かった。じゃあ、その先の新穴にはまだイビルモールが残っているということか?」


「ああ、いると思う」


「分かった。HZ83に煙を送り込めば、おそらく、敵の軍勢は煙から逃れるために近くの穴から逃げ出そうとするはずだ。おそらく、敵はこの狩り穴から出て来ようとするだろう。そこで、俺たちはこの狩り穴の周りに集まり、穴から出てくる敵の軍勢を叩く」


そう説明すると、皆が頷く。


「新穴にはイビルモールが残っているだろうから、そいつらは煙を嫌って地上に出てくるだろう。幾人かは顔を出したモグラを吹き矢で仕留めて、奴らの死体で穴を塞いでくれ」


俺がそう言うと、


「仕留めたモグラは持って帰って良いのか?」


とベンが言う。


「良いわけないだろ!」


俺がそう言うと、


「ちぇ! 持って帰ったら一匹大金貨一枚になるのによぉ」


と言って、おどけてみせた。


それを見て、また皆笑った。


いい具合に緊張がほぐれたみたいだ。


「チャック、お前は交差点の縦穴に入って、ウインドスラッシュで煙をHZ83に送り続けてくれ。それと同時に木材が燃え尽きて、敵がそちらになだれ込みそうになったら角笛を吹いて知らせてくれ。その場合、即座に撤退する」


「分かった」


「目指す撤退のタイミングは、ヨハンが陸亀《トータス》の軍勢を見て決める。ヨハン、陸亀の軍勢が残り千メルトに迫ったら角笛で教えてくれ。残り千メルトを切ったら狩り穴に残りの油樽を投げ込み火を点けて撤退する!」


「了解した」


「馬車は三台を燃やし一台残す。馬を六頭引きにして、撤退時は法術師はそれに乗り込んでくれ。剣士たちは悪いが走ってくれ」


「仕方ねえなぁ」


とハンクが言うと、皆笑った。


「あの陸亀の上位種は竜なみのブレスを吐く。それに甲羅はアダマンタイトでも剣が通らない。間違っても相手しようとするな!」


皆、固く頷く。


「じゃあ、皆で生きて帰るぞ!」


俺がそう叫ぶと、皆息を合わせて雄叫びを上げ、行動を開始した。


皆が散っていく中、フィーネさんが寄ってきた。


俺は彼女に、


「成功するでしょうか?」


と聞いた。すると、


「きっと、成功しますよ」


と笑顔で答えてくれた。


俺も彼女の笑顔に励まされ笑った。


そして、迫りくる敵軍に向かって一歩を踏み出した。



すみません。体調不良で更新が一日飛んでしまいました。

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