第8話 無道魔法
今回の戦闘での一番の戦果はこの錆びた剣と言って良いだろう、これまでも剣士は居たがその殆どが、折れていたりただの木の棒だったりと真面なのが無く、その上あったとしても戦闘で壊れてしまったのだ。だが今回の錆びた剣は私がぶん投げたのを加味しても、結構頑丈に作られていたのか真面な形を残していた。
まぁこの剣をピカピカの新品にする技術何て持ってないし、あったとしてもこんな石の器しかない状況で出来る程私は全能じゃない。だから取りあえずは応急処置として、私の体を巡っている魔力を剣に付与してみる事にした。まぁ今の状況で使える手段はこの位の物だから、取りあえず試してみる事にした。
《新しく魔力系スキル<魔力付与Lv1>を習得しました》
新しく習得したスキルはどうやら物体に魔力を流す事で、その魔力を通した物を強化する事が出来るらしい、その上長い間魔力付与をし続けた物体は、自分の手に良く馴染むらしく面白そうだなと思いながら魔力付与を試していた。
その後一度剣を鑑定してみたらちょっとだけ驚いた情報が載っていた。
名前 錆び着いた太古の剣
分類 武器
品質 屑
説明 今は錆びついて力を持たないが古より存在した剣は未だその最奥で力を残している
技能 <太古の残滓>
俺は驚いた何せこれまでの錆びついた剣だとか、折れた剣だとかも一応鑑定はしてみたが、それは全て錆びついた剣だとか、折れた剣だとかのこんな<太古の残滓>何て技能を持っている剣なんて見たこと無かったのだ。
太古の残滓・古より存在する物はそれだけで莫大な力を秘めている。だがこれは残滓に過ぎずその力の方向性は持ち主が定める事で力を増す
何て説明が有って、取りあえず使い続ければ良いのか?とか思いながら魔力付与を施した状態で、第1層や第2層の敵共を実験も兼ねて切り捨てていると、一回振るごとに自分の手に馴染んでいくのが分かった。その心地いい感覚のままに、私は剣を使っていた。
「まぁあんな剣が手に入ったのは嬉しいけど、兎に角あの剣は大事にしまって置こう。何せ代わりとか無いし」
とかの事を呟きながら第4階層を中心に探索していると、やはりどこにでもアンデットパーティは湧いて、私の探索の邪魔をするが、それでも個々の戦闘能力事態は弱いから極力気を付けたり、隠密のスキルと消音のスキルを全力で使いながら探索をしていると、漸くボス部屋と思われる第5階層に降り立った。
取りあえず確認の意味を込めて一度覗いてその上で鑑定を発動してみる事にした。そうした途端にボスは怒りだして、私に向かってナニカを発動すると、私はそのボスが発動したナニカに穿たれて倒れた。
「ハッあ~驚いたって言うか何だあの化物?勝てるのか?」
そう言いながらさっき鑑定した情報を思い出していく事にした。
名前
種族 エルダーリッチ
種族系スキル
太古の知識.
肉体系スキル
鉄骨体Lv3
異能系スキル
記憶強化Lv5.高速演算Lv4.並列思考Lv10.並列演算Lv2.並列発動Lv1.記憶強化Lv4.
戦闘系スキル
棒術Lv10.杖術Lv10.魔杖術Lv2.体術Lv5.回避Lv3.
魔力系スキル
魔力精密感知Lv2.魔力精密操作Lv3.肉体保護Lv10.魔力保護Lv3.無道魔法Lv3.火炎魔法Lv2.
耐性系スキル
神聖脆弱Lv10.聖銀脆弱Lv10.陽光脆弱Lv10
SP 40
こんなスキル構成で完全遠距離特化だが、アイツが放った魔法と呼ばれるスキル…実は魔法自体は私も習得可能だったりする。だがそれを習得しないのは、実は魔法の使い方が分からないからだったりする。
あれから魔法については掲示板とかで情報収集をしていたりしていたが、そもそも結構難しそうだから今まで無視していたのだ。先ず魔法の習得方法については2つある、1つは魔法書の中にある魔法陣の読了による魔法の自動習得と言う簡単ラクラクコースか、魔法言語を理解して一から習得すると言うメチャムズコースかの二択だった。
労力としては断然ラクラクコースの方が手っ取り早いが応用性や拡張性を考えるならメチャムズコースの方が良かったりするが、そもそも魔法言語を知らないから作れない、と言った事が正しくどうしようか悩んでいた。
取りあえず何とかする手段でも無いか、掲示板で色々調べてみるととあるスレに目が行った。
【朗報】スキルチート過ぎ
と言うスレで肝心のスレの内容は、このゲームのスキルがチート過ぎって話で、それと言うのも記憶のスキルや解読のスキルを筆頭に自分の能力を、完全な外付けで強化すると言うのが、チート過ぎるだろって内容で、この事を公式質問箱に入れてみたところこのスキルシステムに機械的処理は挟まっておらず、その全ては貴方自身に干渉する物です。
とか言う内容でいやいやそれじゃあオーパーツじゃんとか、そんな感じの内容で私は閃いた。
「あっあ~そうだ、記憶があるじゃん」
と言う素直に自分でもビックリするぐらいの思い付きに自分でも自画自賛したくなった。その手段とは記憶のスキルでスケルトンメイジたちの使う魔法を記憶して、それを元に解読のスキルを使おうと言う内容だった。
《新しく異能系スキル<記憶Lv1>を習得しました》
《残りSPが66に減少しました》
それから取り合えずメイジ種が居る階層で適当に観察しながら、魔法を覚えていくと言う作業を何日間に分けて試してみた。そしてその後はそれら全てを解読のスキルをフルで使って解読作業に入った。
《スキル<解読Lv5>が<解読Lv6>に上昇しました》
《スキル<基礎魔法文字Lv3>が<基礎魔法文字Lv4>に上昇しました》
《スキル<応用魔法文字Lv1>が<応用魔法文字Lv2>に上昇しました》
そうやって解読のスキルがレベル6にまで上昇するほどに苦戦したが、どうにかこうにか魔法文字を覚える事に成功して、新たに知識系スキルと言う欄も解放されて、そこに基礎と応用の魔法文字のスキルを覚えられた。
それから今は魔法を作ってみる所だった。魔法を作るには魔法文字を陣の形にすると言う作業が主になる。まぁそれ以外にも色々有るが、基本的にその作業が最低限間違っていなかったら魔法の発動に成功する…と思う。
「さてと魔法の試し打ちと行きますか」
魔法の発動には魔法陣の構築と魔法名を言う必要があるらしい、まぁ詠唱とか言う技術もあるみたいだが、そんな情報は無いから取りあえず無視して、仮の名前を付けた魔法を発動する。
「<仮称001>」
その発動音声と共に全身から魔力が抜かれる感覚と共に、魔法陣から弾丸の様な形状をしている魔法が発射された。その威力は、目の前のノーマルスケルトンを、木っ端みじんにする威力があった事に私も素直に驚いた。
それから魔法の正式名称として、<魔弾>と言う魔法名に決めて、その後は魔法の開発に心を奪われた。そうして自分でも驚くほどに魔法開発の研究に心奪われて、落ち着いたのが、リアル側の日数で確か2週間ちょいだった。それ以降は知っている魔法言語の限界で、他の属性の魔法何て無理だから<無道魔法>のスキルしか習得していなかった。
因みに開発した魔法の全てはこれだ。
《無道魔法》
魔弾《ジ・ヴァ―ロ》・魔連弾《ジ・ロヴァ―ロ》・大魔弾《ジ・ダヴァ―ロ》・大魔連弾《ジ・ダロヴァ―ロ》
この魔法の4つを現状自力で習得出来た魔法で、これ以外はスケルトンメイジが存分に使っていなかったり、解読が進まなかったりと色々あって、だがこの4つを自力で習得出来た事に喜びを感じていた。
因みに魔法の具体的な内容は、魔弾《ジ・ヴァ―ロ》の魔法は単純な魔弾の魔法で、この4つの中でトップクラスに消費魔力が低く発動速度も速くなっている。まぁその分ダメージが低かったけど、そして魔連弾《ジ・ロヴァ―ロ》の魔法は魔弾を連射する魔法で、予め魔法陣にn回繰り返す的な魔法文字を書き込んだ魔法で結構単純だ。
そして大魔弾《ジ・ダヴァ―ロ》の魔法は、魔弾《ジ・ヴァ―ロ》の魔法文字に(強大な)(強力な)の意味を持つ魔法文字を書き込むことで、作られた発動速度・消費魔力は魔弾《ジ・ヴァ―ロ》の非ではないが、その分ダメージ量はトップクラスに高い私自慢の魔法だ。そして大魔連弾《ジ・ダロヴァ―ロ》の魔法はまぁこれまでを説明すれば分かる通り、大魔弾《ジ・ダヴァ―ロ》の魔法に連射性能を付けた魔法で、現状トップクラスで使いにくい魔法だ。
まぁその理由として、消費魔力が多すぎるのと発動までの速度が遅すぎると言うのが有る。まっそこら辺はおいおい期待と言う奴だった。
「さてと魔法も出来たしスキルも鍛えた。行くかボス戦」