第5話 進化1
ノーマルゾンビ・ごく普通のゾンビで不死身のスキルを習得している以外は脆弱極まりない存在
バトルゾンビ・格闘系スキルが一定レベルまで上がった個体が進化可能の派生種であり不死身は習得していない
マジックゾンビ・魔力系スキルが一定レベルまで上がった個体が進化可能の派生種であり魔法スキルを一つ習得している。不死身のスキルは習得していない
シャドウゾンビ・影操作のスキルを習得した個体が進化可能になる派生種であり影王国シャドルヴァルガのみで確認される希少種
ウーン悩むなぁ兎に角不死身さで行ったらノーマルゾンビで決定だけど、これだけじゃただ相手と同じ土俵に立っただけだ。そうなると格闘系スキルに対してシナジーがあるバトルゾンビも結構良い進化先なんだよなぁ。それとマジックゾンビの方は、完全に無視して大丈夫だよな何せ魔力系スキルは少ないしあんまり使わないから無視して大丈夫な進化先だよな。
となるとやっぱりバトルゾンビかシャドウゾンビの二択になるけど正直バトルの方にも結構惹かれてるし今後の戦闘で行ったらどっち選んでも良いけど、戦力的にはバトル浪漫的にはシャドウだよなぁ...。
「まぁここはロマンを取ってシャドウに進化しよう」
《種族名レッサーゾンビは種族名シャドウゾンビに進化いたします》
唐突に襲ってきた強烈な眠気に私は抗う術を持たずにそのまま眠ってしまった。
《異界人…プレイヤーの種族進化が始まりました》
《既存世界法則に則った進化方法の模索…失敗しました》
《肉体進化による種族進化方法の断絶を確認…次の手段を模索します》
《再構築式進化方法を開始します...。》
《成功しました。》
「あ~頭痛いなぁクッソ酷い頭痛なんだけど正直どうにかならないもんかな?」
《新たなる種族進化方法模索による個体名アイシスの魂魄負荷を確認…負荷軽減に伴い魂魄回復術式を付与》
《初回種族進化ボーナスとしてSPを30取得しました》
《新たに耐性系スキル<魂魄耐性Lv1>を習得しました》
《新たに耐性系スキル<苦痛耐性Lv1>を習得しました》
そんな感じで頭痛に対して愚痴を零してたら、何かSPを30も取得できるとか言うビッグイベントが起きた事に喜んで、さっきの頭痛何て忘れかけていたが、ピロリンとか言う現実感を一気に引き上げる音で、その舞い上がっていた感情が抑えられ若干不機嫌になりながら一応確認してみると、公式運営からメールが来ていた。
何々…本日は貴方様に対して種族進化方法を新たに模索するための、半ば実験体の様な扱いに対して誠に申し訳なく思っております。
と言うのも皆様の様なプレイヤーとこの世界に根差した限界人の人々とは、根本的に違う生命体故に今回これまでの方法での進化方法が叶わずに、急遽新たに進化方法を作り出す事になった事をお詫び申し上げます。
とかいう事が書かれていて、どうやら私が初のプレイヤー進化個体な影響かそもそもプレイヤーと現地人の肉体の作りが違うから、進化方法も全く違くなりました。それで貴方に苦痛を与えたことをお詫びしますと言うのが内容なのか?正直私たち失敗しました。そして失敗のせいで痛みを与えて御免なさいとでも思っておけば良いのかな?
まぁ正直に言ってここでの新たな耐性系スキルは結構良かったなと思いながら、迷宮攻略の前に進化した実力を見てみようと思って、取りあえず迷宮の第1層のゾンビを相手に戦ってみる事にした。
そうして戦ってみると、先ず全体的な身体的・魔力的ステータスの向上が有った。それに加えて影操作のスキルの汎用性と言うか応用性?取りあえず影の操作能力が増した事で、これ単体でゾンビを相手にすることも可能になった。
そしてこれは最も大きな事だと思っているが、それは種族スキルの変化だった。これまでは腐体で完全にデバフスキルだったがシャドウゾンビに進化した事で、腐体のスキルは影体のスキルに変化して、その効果は結構強く自分の肉体の一定の範囲を影に変換して、影に溶け込ませる事も可能と言うスキルでこのスキルレベルを上げたら結構強そうだと思っていた。
それから単純に影系スキルの効果も若干上昇していて、影捕縛のスキルでスケルトンを捕縛してみたら前はちょっと暴れられる位には弱かったが、今は完全に抑え込めるようになっていた。それに加えて影操作のスキルが普通に攻撃に転用できるようになった。
それから取りあえずスケルトン相手の影での攻撃を仕掛けてみる事にした。まぁ攻撃手段と言えば物理的に影でぶっ叩く位しか無いけど、影の扱いが熟練したら容易く形を変える事も出来るだろうなと思いながら影での攻撃をしてみたが、ちょっと微妙だった。
まぁこれまでの影操作のスキルの使い道が、補強と捕縛だけだから予想はしていたけど、単純に攻撃性能も弱くこれじゃあこれを純粋な攻撃手段として使う事は出来ないなと思っていた。
「まぁサブウェポン位にはなるのか?」
とか思いながらシャドウゾンビに進化した事によってかなり戦闘能力がパワーアップして、次の階層でも問題なく戦えるなと思いながら次の階層に足を踏み入れた。
そこにはこれまでの様なただのゾンビ種とは違って、やっぱり不死身のスキルは持っていないがその分身体能力も高く結構な数の戦闘系スキルを習得していて、その戦力差は進化したばかりの俺と比べると、かなり厄介な連中ばっかりだった。
「クソッいきなり過ぎッ」
そんな事を呟きながら私は冷静に影操作で私自身の周囲を囲って攻撃を防いで、影操作による触手を使って攻撃してきた弓使いのスケルトンに対して捕縛を試みてそして影での防御も解除して近寄ってみると結構暴れててこいつがsんか種族であることを認識させられる。
そして暴れているスケルトンの頭を足で容赦なく潰して、そのままスケルトンの残骸を後にして、また探索を続ける事にした。