第24話 優勝と錬金術
それからも戦闘では順調に勝ち残ることが出来て、決勝戦まで行ったけど、これまでの戦闘は私との相性が良かったから勝ち残れたような物だった。それは純粋な遠距離系や近接もたしなむ遠距離系とあの槍使い以降の敵は何だかんだ遠距離をメインにしていたのだ。
それは最後まで残れば勝ちと言うルールのせいで敵に肉薄して、自分も倒される可能性が大いにある純粋な近接系と違って、遠距離系は距離を取っているから、勝ちやすいと言うのが有った。けれど今度の敵は違う。今度のプレイヤーは純粋に近接系を極めた重戦士、その全身に身に纏う金属鎧と大盾からは、私の攻撃など意にも介さないと言う気迫が感じ取れた。
「俺は戦士ベルダットお前は何者だ?」
あぁ名乗りかあのにゃんにゃんとあと勝手に名乗ってきたチャラ男以外にやってきた奴が居なかったから、すっかり忘れていたな。
「我か?我の名はシリウス・シャッテン・クロフィーナ…さぁ戦闘を始めようか」
そう私が言い放った途端に彼は私の方に凄まじいスピードで迫ってくると、その大盾の重量を生かした突進攻撃で私が回避する間もなく、壁に激突させられた。正直に言って、あんな全身フルプレートの金属鎧で尚且つ大盾と剣とか言う、重量に重量を重ねたような物なのによく動けるなと感心してしまった。
「おーっとシリウス選手どうやらベルダット選手の凄まじい突進攻撃に怯み壁に激突したぞ~この試合シリウスが負けてしまうのか?」
そんな声と共に「やってしまえ~」「俺の恨みを晴らしてくれ」「私アイツに殺されたんだけど、マジ最悪」だとかの私を罵倒する声が聞こえるけど、油断せずに戦士の方を向いてみると、若干のやるせなさを感じて、もしかしてこの状況に怒ってるのか?とか思いながら大剣を握って、接近してみたけど、戦士の持つ大盾によって阻まれてしまった。
そのまま戦士が何らかのアビリティスキルを発動したと思ったら、ものすごい突風を纏いながら大盾を捨てて此方に突撃して来た。…不味いこれは不味い大剣なんかじゃ防御しきれないこれは負けたか?
「正拳突き」
一先ず冷静になって発動した正拳突きを直剣に当てて威力を相殺した。アビリティスキル自体のレベルじゃあ多分負けてるけど、こっちの強化系スキルのお陰で何とか巻き返すことが出来た。そうして剣と拳がぶつかった影響で剣が弾き飛ばされて一瞬だけ隙が出来た。
「正拳双拳撃」
正拳突きと双拳撃のアビリティスキルを同時に発動した正拳双拳撃によって鎧が砕かれた。その中身の体系は女子っぽいけど普通に無視する事にしてそのまま近寄って顎にアッパーを叩き込んで、そして首元に手刀を叩き込むことで何とか倒した。
《新しく戦闘系スキル<手刀Lv1>を習得しました》
「はぁはぁよくやった戦士ベルダットよ凄まじい練度だなあぁ本当に驚いたぞそれにしても本当に面白いそれで次は我に何をさせようと言うのだ?紛い物の天使よ貴様らの様な者が本来我の花道を彩る事は無いと知れ」
「えぇ~っとそうですかぁそれでも此方としましても私たちが優勝のフィナーレをと思っているのですが…。」
「もう良い喋るな貴様らが喋るたびに貴様らの私の中での価値は畜生に堕ちると思え」
「まぁそう言うならこちらも好きにしましょう。それでは今大会の優勝者シリウス・シャッテン・クロフィーナ選手に大きな拍手を~それではシリウス選手には大会入賞者として一つスキルを習得できますさてどういたしますか?」
ふむある程度のスキルは私自身の努力と膨大なSPで習得できるからここはあえて派手系じゃなくて、地味系スキルを習得してみようかなぁとか思いながらスキル習得画面を眺めているとSPでのスキル習得欄では見たこと無かったスキルも多くあった。
《新しく生産系スキル<錬金術Lv1>を習得しました》
「それでは優勝賞品としてこれらのアイテムの中から一つお送りしましょう」
それから出てきたアイテムを色々見ていると先ほど習得した錬金術のスキルを使うための錬金板が有って迷わずそれを取得した。その後はそのまま迷宮に転送させられた。取りあえずは優勝を飾れて目立てたから良しとするけど、これから1カ月は死霊とかの方面に手を伸ばさないとダメだよなぁ。
そして色々調べてみた結果死霊魔法が思ったよりも面倒くさい魔法と言う事が分かった。先ずは死霊魔法を使うには幾つかの手段が有る。それは死した肉体に魂を宿らせて、アンデットを作り出すと言う方法と、肉体を魔法で操って傀儡とするタイプと結構タイプが湧かれている。
そして今回は前者の方の手段を取ろうと思ってるけど、現状魂を観測する手段がないと言う事に気が付いてどうしようかと悩んでいたけど、取りあえず死霊魔法を習得しようと迷宮にある本で勉強をした。
《新しく知識系スキル<死霊文字Lv1>を習得しました》
《同系統の文字系スキルを一定まで習得した事で新しく知識系スキル<魔法言語Lv6>に習合されました》
《魂魄系列スキルを習得した事により新しく肉体系スキル<魂視Lv1>を習得しました》
取りあえず魔法言語のスキルを見てみると、これまで文字系スキルでゴチャゴチャしていた知識系スキルの欄が、一気に整理された事に若干だけど感動していた。それから魂視のスキルはそこらを漂う魂を見ることが出来ると言うスキルで、このスキルさえあれば、どうとでも出来るなって思っていた。
取りあえず迷宮を出てそこいらに居た狼型の魔物を殺して、そこいらにいる魂を捕らえて肉体に入れてみたけど、やっぱり死霊魔法を使っていない影響で目覚めなかった。
それから死霊魔法で<死霊作成>の魔法を作ってさっきの狼に掛けてみたら狼が立ち上がった。そしてすぐさま鑑定をしてみると、ゾンビウルフと名がついていて、見事に実験が成功した事を物語っていた。
そうして実験が成功して後は手駒を増やすだけとなったけど、こうして見るとやっぱり狼だけじゃ種類が少ないと思っていた。もっと人型とか馬とかそこら辺の種類を持たせないと面白くないと思っていて、それをどうしようかと思っていたら、錬金術のスキルが目に付いた。この錬金術のスキルは、掲示板で見る限り出来る事が結構多いらしく、その出来る事は例えば合成とは分離に変換とか色々出来るらしかった。
その機能の内の変換の機能が使えないかと思っていて、それを一先ず試してみる事にした。
優勝賞品として貰った錬金板にそこいらを群れで行動していた狼の一体を置いてから、錬金板に魔力を流していったら途端に魔力が暴走した感じがして、そのまま狼の死体を中心に大爆発を起こした。
「取りあえず何が悪かったんだ?」
そう思いながら錬金術の欄を見ていると、使用者の思想に強く影響を受けるって書いていて、「あぁこの文言を無視したからか」って思いながら改めてもう狼の死体を錬金板に置いて、今度は人型をイメージしながら魔力を流していると、今度は錬金板がうっすらと発光して、その光に目を眩ませながら腕で目隠しをして、光が収まって目隠しを辞めて錬金板を見てみると、狼の死体が人型に変化していた。
人型の死体にそこいらを漂っている魂を入れてから死霊魔法を発動したら今度は鑑定結果がゾンビに変化していた。まぁと言ってもこのゾンビ所詮は、試してみただけの実験体だしこれを戦力として量産するつもりは無い。と言うのもこのゾンビただ単にアンデットに変化させただけで、魂がダメだったのかスキルと言う物を一切習得していなかった。
取りあえず今考えている作戦を実行させるために眷属にあの影の内部で新たな疑似迷宮を作る為に穴を掘るように命令した。そして影の内部に行って、現在100体程いる半死鬼の内10体を木を伐採する個体にして、もう10体に土木のスキルと木工のスキルを習得させて、崩落しないように鉱山の壁にある木の奴を作ってもらう。
今の私が求めているのは兎にも角にもゾンビの武具を作るための鉱物で、それを掘るには最近見つかった鉱山に行く必要があるけど、そもそも必要量が莫大だからその鉱山に行くのを躊躇していた。まぁそれに武具を作るとなれば相応の施設が居るし、私の予想ではあの迷宮は放棄する事になるから、今から次の拠点を作る事にした。
「やはり数の暴力は凄まじいな。もしもこの作業を一人でやる事になったら目も当てられんな」
そう独り言を言いながら作業を見守っていると、やはりと言うべきか崩落事故が起こった。まぁ幸いにも眷属に死者は居なかったけど、これを戻すための作業がかなり面倒くさそうだった。まぁ崩落と言ってもそんな大した問題じゃ無く、埋まっていた大きい石が落ちてきただけで、それを半死鬼が大げさに伝えてきただけだった。まぁ大穴が開いた訳じゃ無いから、それだけでも良かったと言える。
取りあえず作業を眷属に任せて私はお目当ても物を買う為に色々と依頼を受けていたりしていた。と言っても私自身がやる訳じゃ無くて、スラム街を歩いていたボロボロの布切れを纏った人間を使う事にした。こいつらを手始めに5人くらい半死鬼にして、そして一先ずは身なりを整えるように私が煙状態で受けた依頼の報酬で、一応だけど人前に出せるようにして、そして冒険者登録をさせて依頼を受けさせていた。
それからの作業は半死鬼たちのスキルレベルが上がった影響もあって、そんな大した問題も起こらずに掘り終わった。まぁこれが人間なら空気がいると言うんだろうけど、幸いにもここにいる者は半死鬼も含めて、皆が死者だからそんな問題は起きなかった。
まぁ掘り終わったと言っても第1層だけで、ここには半死鬼の生活スペースを与えようと思っていた。こいつ等も仮にも生命体だから気を休めるにも繁殖をするにも生活スペースが必要になる。因みに空気の問題に関しては今は解決できないけど、何れあいつらスラムの連中が成長すれば問題は無くなる筈だ。




