王都へ…… ⑤【 ドリアス視点 】
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
申し訳ありません。
コロナにかかり発熱中……
元気になって投稿開始します。
私達が王宮に到着すると、ヘラヘラと脂ぎった顔の貴族共が出迎えた。
ハッキリ言えば醜悪、あんな飯マズでよくそれだけ肥え太ったモノだ。
口々に労う様な事を言いながら、何処か皮肉交じりな会話が飛び交う。
耳を澄ますとアセリアの詰るようなセリフをいい、優位に立とうとしているのだ。
そんな姿がとても滑稽で、独り善がりともわからずに……
“アセリアは、もう相手にもしていない。”
自分達がアセリア集う、コバエ程度の認識になっている事をわからない。
適当に話に相槌を打ち、サッサと王宮にはいろうと思う。
だがそれを邪魔する様に、次から次へと貴族共が挨拶をする。
「申し訳ございませんが、殿下はお疲れでございます。挨拶は後日に願いますか?」
ライオネスが目を眇めて貴族達に言う。
それに対して素直に謝る者は誰一人としておらず、ただ言い方を咎めたり、弁解する者ばかり。
「貴方方のいい訳は結構!先を急ぎます。退きなさい。」
怒気を孕んだような低い声で言い、周りを静かに牽制する。
護衛のアレクとマリオットは私の前後に付いて同じく牽制した。
そしてそんな貴族らを、あざ笑うかの様な笑い声が辺りを包む。
その笑い声に反応し苛立ち交りに相手を睨む、貴族達。
だがその相手は枢機卿で、それを囲む様に神々しい程に者達がいる。
呆然としたように突っ立ったまま、恍惚な表情と欲を孕んだ眼差し……
「貴方方は挨拶もまともに出来ないのですか?教国の枢機卿ですよ。」
そんな貴族共を叱咤くするが、まったく耳に入らない様だ。
「凄いですね。美形集団の吸引力……」
コソッと耳うつアレクのセリフに、私はその効果を実感した。
ライオネスは侮蔑を含んだ目に睨んでいるが……
「ライオネス、今のうちにさっさと移動しないか?」
裾をクイクイと引っ張ると、それが聞こえたかのように三郎殿達が動く。
それをニコニコ顔で受け入れて、枢機卿も歩き出した。
それでも縫い留められたかの様に、ボーッと動きについて移動する貴族共の視線。
そんな貴族共を嫌悪感丸出しで一瞥し、ライオネスは陛下の下へと先導した。
応接室に行くまで、どれだけの間抜け面を見ればいいのだろう?
“いろんな種類の間抜け面があるモノだな。”
私がそんな意味のない感想を、しみじみと思っていると、四郎殿がフフフと笑う。
「三郎にとっては、ちょうど勉強になっていいかもね。」
そう言えば三郎殿は、表情筋を動かすのが面倒くさいらしい。(ライオネス談)
「しかし三郎殿が、間抜け面をする事ありますか?」
頭を捻りながら、美麗な男の間抜け面って何だ?と思った。
「何でも経験です。ギャップ萌えってヤツですよ。」
「ギャップ萌え?」
「そうです。例えばですね、常日頃を眉間にシワを寄せたような厳つい男がですよ。モフモフの動物と少年の様な笑顔で戯れていたらどうですしょう?」
どうだろう?よく分からないな??
「四郎殿…… なんでそこで男なんです?」
私がキョトンとした顔過ぎたのか、マリオットからクレームが入る。
なのに四郎殿はジッと私に応え求めている様なので、
「ドウブツガ、スキナンダー??」
棒読みな、変なカタコトの返事になってしまった。
「なるほど…… ここで性別の重要性が出るんだ!」
「どういう意味ですか?」
「僕たちワームに、性別の概念がないんですよね。」
「「…………」」
今凄い事を聞いたような…… 私とマリオットは黙り込む。
ホッホホ―♪何故か楽し気に笑う、枢機卿。
「それはどちらの性別にもなれるって事ですか?」
私が恐る恐る尋ねると、四郎殿は「もちろん♪」と頷いた。
「それじゃ何で女じゃねぇ―んだよ!」とブツブツ呟く、マリオット。
“でもこの美形で女だったら大変だよ。男で正解じゃないのかな?見たいけどね。でもキャップかぁ…… もしも私が日頃冷たい態度で、ときどき優しい態度を取るならどうなる?”
そう思った自分を不思議に思いながら、少しでも変わっていたのかと飛来する思い。
そして何故か後悔と、失敗したような気持ち。
よく分からない自分の気持ちを不可解に思いつつも、
「何かわかったよ、ギャップ萌えっていざっていう時使うにはいいモノだね。」
「さすが殿下!わかってるね♪」
魔物のワームに女の扱いを教えて貰う不思議、だけど便利なモノではある。
「とてもいい話を聞いたよ。また何かあるなら教えて欲しいかな?」
あどけない表情でほほ笑むのに、往年のようなずる賢い眼差し。
そんな私を面白そうに見つめて、私を試す四郎殿。
「さすが交渉力が、一流なだけあるよ。」
そう言ってニッコリと笑った。
今回秘さねばならない話や離婚関係の話もある為、通常の謁見の間ではなく応接室で会見となった。
「ご足労頂き感謝いたします。」
久しぶりあった父上は、眉間のシワが濃く頬がやつれて老けたように感じる。
目の下のクマを隠す為に施された化粧が、変に顔から浮きあがって見えたのだ。
そんな父上の姿を静かに見つめている、ライオネス。
その姿になぜか違和感に覚え、そしてどこか納得する自分がいた。
ライオネスの同僚の側近達もまた同様だが、服の草臥れ具合がヒドイ。
一体いつから泊まり込みだったのだろうか?
「ドリアスとライオネスも大変だったろう。」
それでも優しい眼差しと労いの言葉は本物で、ささくれだった心を癒す。
「ただいま戻りました、父上。」
私は気持ちのまま、頬を赤らめて思わず抱き着いた。
そんな私を優しく抱き返し、頭を撫でる。
そしてライオネスは、ただ頭を下げ陛下を見つめていた。
そんなライオネスの態度に、父上もジッと見つめ返している。
「さてよろしいかな?」
そんな二人を遮るように、枢機卿が話を始めた。
父上の後ろには、母上の姉のマリアンヌがいる。
ライオネスを見ると頷き、マリアンヌの方へ向かっている。
「ありがとうございます、マリアンヌ様。大変だったでしょう?」
「おかえりなさい、ライオネス。やっぱり貴方がいないと大変だわ。」
優し気に微笑むマリアンヌを、私はジッと見つめる。
話しながらチラッと父上を見た眼差しに、確かな愛情を感じた。
そして枢機卿が離婚の話になった時、父上がチラッとマリアンヌを見ていた。
”ウン、間違いない。今すぐ結婚してもいい感じだな。”
実際どうかなっと思い、泉さんと四郎殿を見る。
泉さんとセイレーンさんからは、ウフフと楽し気な微笑みを頂いた。
四郎殿と大河殿もニヤリと笑っている。
”ヨシ、ここは子供の無邪気さで一気にやって仕舞おうか?”
今からやらかす事を、ドキドキしながら考えていると、
泉さんがのほほんとした様に、マリアンヌに話を振った。
「そちらの女性と陛下はどんな関係ですか?」
かなりストレートな言葉を言って、ニッコリとほほ笑む。
「オオ、そう言えば自己紹介してないの!」
枢機卿がそう言って、父上に同行者の四人を紹介した。
話しかけられたマリアンヌは驚いた表情で、泉さんを見ている。
「皆美形じゃろう♪この方々のおかげで、ここまでなかなか愉快な顔を拝めたワイ(笑)」
“ホントユーモアがある人だな。”
このゴタゴタが終わったら、私はこの方に師事される予定だ。
これも合わせて、父上に話さなければならない事。
「始めに話しかけたのは泉さん。そしてレーンさん、二人は聖女じゃ。そして従者の大河殿。」
「陛下、凄くお疲れですね。少し癒しましょう。」
「頑張れーって感じだね。」
双子の兄妹がニコニコ笑顔で陛下に話していると、突然陛下が微かに光る。
「オオ…… この二人は癒しの能力がありましての♪」
枢機卿がホッホホとほほ笑みながら紹介している。
父上は一瞬で、身体の疲れがなくなったのだろう。
呆然とした様子で二人を見つめ驚いていた。
もちろんマリアンヌと側近達もそれは同じである。
「そしてレーンさん。ティッカーさんを紹介してもいいかの?」
「もちろんいいわよ。ここでは私もしっかり働くわ♪」
「オオ♪よろしく頼みましたぞ。大切なお役目ですからな。」
枢機卿と妖精ティッカーが話しているが、妖精の存在に目だけでなく口まで大きく上げ驚いている。
「コレはコレは♪楽しいわい♪」
「ホントだね~。ここまで反応されると、ちょっと度肝抜かしたいわね♪」
のほほんとした人のいい笑顔で、不穏な会話をする、枢機卿とティッカー。
この二人ある意味似た者同士で、旅の間も無邪気な悪戯を騎士達の間でやるのだ。
相手が枢機卿だからか、まさかという思いが強いため、わかるまで翻弄される。
おかげで旅の最後辺りには、二面坊主と言われていた。
”それのせいで見た目に騙されないというか、疑り深くなったよね、騎士達。”
とにかくこれからさらなる爆弾投下されるのである。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)
中途半端で申し訳ありません。




