表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/68

自由時間も終了だ。

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。


誤字脱字報告ありがとうございます。m(__)m

 



 まず始めに、淡雪と羊羹を作ろうと思う。

 淡雪は卵白を使いメレンゲを作り、寒天を加えて作る。

 泡出て作業は、一郎にお願いをする。

 私はその間羊羹作りに勤しんだ。

 昨日のうちに戻された白豆を、コトコトと甘く煮詰めていく。

 その煮詰めている時間に、淡雪の作り方を一郎に教えていく。

 隠し味にレモンを加え、メレンゲが出来上がれば、寒天を加え混ぜ合わる。

 流し入れる器を置いてお願いすると、私は煮詰めていた白豆を味見した。

 隣にいる一郎も口を開けて待機している。


「美味しい♪お豆は便利だよね。いろんな料理に使えるから、僕好きだよ。」


「そうだね。ホント便利だね。」


 火を止め冷まし、どちらも一旦放置状態にする。

 次にまた違う料理を作り始める。

 エビを姿のまま使いたいが、食べるかどうかわからない。

 そこで朝駆けで見つけたキノコを使い、エビシンジョウを作る。

 エビをすりこぎですり潰し、キノコに詰め丸い形状にした。

 キノコに表は十字の飾り切りをする。

 ついでに唐揚げも作ろうと、醤油と生姜で味付けし片栗粉をまとわせる。

 それ以外もせっせと作り上げ、品数が凄い事になった。


 ”盛り付けるのは私じゃないもんね。嫌がらせついでに品数を増やそう♪”


 おせちに料理を詰めるのは、気を使う上に難しく至難の業。

 明けた瞬間の見栄えを良く、華やかさも必要だ。


「お嬢、アイツの嫌がらせが俺に降りかからない様のしてくれよ。絵を描いて説明書なるモノ作るんだろう?」


「そうそう、お品書きを作らないといけないね。」


 料理が冷めるのを待ちつつ、今のうちに紙を準備しようと思う。




 最後に淡雪と白豆に食紅を加えた羊羹を使って、市松柄にしお重に詰める。

 これでおせちの出来上がりって訳だが、さて全体の出来上がりはどうだろう?

 実際は西洋料理を中心にしたおせちだけど、なかなかの出来じゃないかな♪

 風魔にも見せ、残った料理をつまみ食い。

 海流も朝駆けで摘んだ食材と飾りを見て、少し驚いた顔をしている。


「姫巫女、ただの葉っぱが凄い飾りに見えるのだが……、あの泥まみれだったものが、なぜこんなに美味そうなんだ?」


 ちょうどカバの木やブナの木が沢山ある所を見つけ、もしやと思い掘ったのさ。

 もちろん三大珍味のトリュフ様だよ。

 用心の為味見をすれば、なぜか遜色なく香りと味に変わりがなかった。


 ”妙にエグミというか、激マズにする理由はなんだろう?”


 遜色なかったトリュフ様。

 海流は泥団子を持って遊んでいると思ったそうだ。

 食材と言った時は、珍しく唖然とした顔をしていたね。

 不審げに見ていた事を思い出し、海流に特別料理を出す事を考えた。



 風魔に絵を描いて貰い、お品書きにも一品一品絵を描きその下に説明を添える。

 そして同じ分だけ品と量を準備し、真空魔法をかけて行く。

 一通り準備が終われば、さっそくトリュフを使った料理を作ろう。

 おかずはモデルとなったおせちがある。

 だからトリュフのリゾットを作る事にしたのだ。

 これならいやでも、トリュフ様の凄さが判るってはずだ。

 だれも知らない分、あの場所にたくさんあり取り放題。


 ”明日また連れて行って貰おう♪”


 ステーキ肉の上に散らして食べるのも美味しいだろう。

 楽しみが出来て、ホクホク顔のフェルだった。


「凄いな!あの泥団子は!!」


 海流から褒められる泥団子(黒トリュフ)

 だがその名が定着して貰いたくないので、


「トリュフだよ、海流。」


 そう言ってリゾットを食べる私。

 一緒に入れたキノコもいい仕事しているね♪

 トリュフ様は豚のフェロモンの香りに似ている言っていた。

 そこでふと記憶が横切ったのだ。豚……

 他しかいたよね。豚の魔物……


「ひい婆、黒トリュフのステーキ美味しい。いつも僕の誕生日に作ってくれてありがとう。凄く楽しみなんだ♪」


「そうかい♪喜んでくれて作った甲斐があったよ。またその本を読んでるのかい?」


「ウン♪連載モノだから、新刊が出たんだ。」


「偉く立派の豚さんだね。鎧を着ているよ。」


「魔物だからね。オークっていうんだ。そう言えば異世界のトリュフ探索では、オークがすごく役立つだんじゃないかな!」


「なぜだい?」


「だってトリュフって雌フェロモンと香りが似ているんでしょ?魔物のオーク性欲凄いんだ。」


「それじゃあ、オークから食べ尽くされちまうね。」


「そうだね。という事は、異世界ではトリュフは食べられない。とっても残念なお知らせだね。」


「確かに残念だ。トリュフをソースに使ったお肉さんは美味しいからね。」


「それじゃあ、トリュフを食べて育ったオークは美味しいって事だね。」


「そう言えばそうだね。でもどっちが美味しいかと言えば、やっぱりソースを使ったお肉だろう?」


「どっちも使った料理が美味しいと思うよ。トリュフ食べたお肉とソース。僕も食べたいな。」


「さすがにトリュフを餌にするのは難しい。(笑)」


「ハア~~、残念だ。」


「どちらにしろいないから諦めな。(笑)」


 …… 周辺にいなかったね。

 オークも知らないのかね、トリュフ?

 知らないなら教える必要もないけれど、魔物のネットワークはバカに出来ないよ。


「どうしたんだ?お腹いっぱいか?」


 私が考え込み、食事途中で止まっていた。

 皆が私に注目に、一斉に私を見ていた。


 ”ここで内緒にするように言ったら、大丈夫かね?絶対バレるはず、それじゃあ制限すればいいのかな?”


 いかに永遠供給できるのか?

 オークは知能が低く、食い漁る恐れがある。(ひ孫談)

 でもこの世界の魔物はちょっと違う様なんだよね。


「イヤね。トリュフでひ孫を思い出してね。トリュフで作ったソースは焼いた肉に合うんだよ。」


 私がそう言うと、早速取りに行こうという話になる。


「それでね、黒トリュフは豚の雌フェロモンの匂いに似ているから、あっちの世界では雄豚を使って採取していたのさ。」


「なるほど…… ウン?豚??」


「だからね…… オークって魔物いるだろう?」


 私が言うと納得したような顔をする風魔達。


「だが今日行った周辺にオークはいなかった。」


「それじゃあこっち魔物なだけに、黒トリュフは範疇にはいらないのかな?」


「どうだろう。だかウ~~ン…… ヤツらがもし知っていたなら、食べ尽くしていると思う。」


 やはり前世の私の考えと同じようだ。

 話を聞くと、ひ孫の言う様に性欲が強く知能は低いらしい。

 ついでに好奇心も強いようで、魔窟レストランによく来る団体である。


「よく果物やキノコ、木の実を持って来る。肉の質はどうしても、強者には負けるからね。」


 ついでに野菜などの作物は、ゴブリンが持って来るそうだ。

 最近ではワームが耕し、その後ゴブリンが作物を植える流れができているらしい。


 ”共同経営状態…… ホントなんだろう?魔窟レストランも人間社会に出店されそう。”


 ホント魔物の方が一歩リードしている状態だと思う。


 ”頑張れ、人間、人類よ。”


 心密かに、応援する私だった。




 次の日風魔はアセリアへ、お重などお土産を届けに向かった。

 その間私と海流と一郎は、トリュフを採った場所へ行く。

 今日もとってもいい天気!ピクニック日和だと思う。

 お弁当もしっかり持参し、思う存分楽しむつもりだ。


 ”帰るのも明日か明後日あたりか…… ホントのんびり出来て楽しかったね。”


 だからこそ今日はいろいろと採取したいと思う。

 ライチもキノコも採りたいし、山椒も欲しい所だ。


 ”木ごと掘り起こして、持って帰りたい。”


 そう思うと竹もどきや笹もどき、千両もどきも持ち帰りたい。

 まあそれもオイオイ考えよう。

 今日はのんびり楽しむと決めたのだ。


「これもなの、ご主人様?」


「微妙に似た物があるから、気を付けるんだよ。」


「キノコと騙し合いですか。勝ってみせます。」


 海流はキノコ狩りで、毒キノコばかり採取した経験者だ。

 トリュフに関してやる気満々である。

 私も屈んで枯れ枝を使い、土をホジホジしている。

 採取用のカゴには、いろんなキノコが入っている。

 トリュフは昨日専用巾着袋を作ったので、それに入れる。


「しかしこちらのオークはホントに知らないんだね。これの存在。」


「いい香りだけど、ホントに雌豚のフェロモンなの?」


「前世ではそう言っていたよ。」


「一郎、試しに出して見たらどうだ?採取して貰う方が楽だろう?」


「食べ尽くさないかい?」


「そこは大丈夫。魔窟に出禁になりたくないだろうから。」


 一郎…… いつの間にとんでボスになったんだろうね。

 知らない内にそんなレストラン経営してるし……


「オークさんの採取しているキノコ、私も気になるよ。」


「それじゃあ、今度持ってくるね。果物と木の実も持って来るよ。」


「ゴブリンさんのお野菜も食べてみたい。」


 ホントどういう感じなんだろう。

 ひ孫に自慢したいよ。

 ホント手紙とか、あっちの世界に出せないのかね。


「わかった。いろいろ見繕って、持って来るよ。せっかくだから料理したい。ご主人様いい?」


「もちろんだよ。」


「俺も肉を捌く事は出来るぞ。」


「それじゃあ、肉も持って来ようかな。」


 アセリアに帰ればやる事は決まる。

 やっぱりやる事は同じなのだ。

 日常そこまで変わる事はない。


「ご主人様、お味噌が早く出来る方法も試そうね。」


 ホントいろいろと忙しくなりそうだ。



 そして次の日アセリアへ帰る。

 王都組の帰る後ろ姿を見つめ、これからの事考える私がいた。





読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ