自由時間も終了だ。
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
誤字脱字報告ありがとうございます。m(__)m
まず始めに、淡雪と羊羹を作ろうと思う。
淡雪は卵白を使いメレンゲを作り、寒天を加えて作る。
泡出て作業は、一郎にお願いをする。
私はその間羊羹作りに勤しんだ。
昨日のうちに戻された白豆を、コトコトと甘く煮詰めていく。
その煮詰めている時間に、淡雪の作り方を一郎に教えていく。
隠し味にレモンを加え、メレンゲが出来上がれば、寒天を加え混ぜ合わる。
流し入れる器を置いてお願いすると、私は煮詰めていた白豆を味見した。
隣にいる一郎も口を開けて待機している。
「美味しい♪お豆は便利だよね。いろんな料理に使えるから、僕好きだよ。」
「そうだね。ホント便利だね。」
火を止め冷まし、どちらも一旦放置状態にする。
次にまた違う料理を作り始める。
エビを姿のまま使いたいが、食べるかどうかわからない。
そこで朝駆けで見つけたキノコを使い、エビシンジョウを作る。
エビをすりこぎですり潰し、キノコに詰め丸い形状にした。
キノコに表は十字の飾り切りをする。
ついでに唐揚げも作ろうと、醤油と生姜で味付けし片栗粉をまとわせる。
それ以外もせっせと作り上げ、品数が凄い事になった。
”盛り付けるのは私じゃないもんね。嫌がらせついでに品数を増やそう♪”
おせちに料理を詰めるのは、気を使う上に難しく至難の業。
明けた瞬間の見栄えを良く、華やかさも必要だ。
「お嬢、アイツの嫌がらせが俺に降りかからない様のしてくれよ。絵を描いて説明書なるモノ作るんだろう?」
「そうそう、お品書きを作らないといけないね。」
料理が冷めるのを待ちつつ、今のうちに紙を準備しようと思う。
最後に淡雪と白豆に食紅を加えた羊羹を使って、市松柄にしお重に詰める。
これでおせちの出来上がりって訳だが、さて全体の出来上がりはどうだろう?
実際は西洋料理を中心にしたおせちだけど、なかなかの出来じゃないかな♪
風魔にも見せ、残った料理をつまみ食い。
海流も朝駆けで摘んだ食材と飾りを見て、少し驚いた顔をしている。
「姫巫女、ただの葉っぱが凄い飾りに見えるのだが……、あの泥まみれだったものが、なぜこんなに美味そうなんだ?」
ちょうどカバの木やブナの木が沢山ある所を見つけ、もしやと思い掘ったのさ。
もちろん三大珍味のトリュフ様だよ。
用心の為味見をすれば、なぜか遜色なく香りと味に変わりがなかった。
”妙にエグミというか、激マズにする理由はなんだろう?”
遜色なかったトリュフ様。
海流は泥団子を持って遊んでいると思ったそうだ。
食材と言った時は、珍しく唖然とした顔をしていたね。
不審げに見ていた事を思い出し、海流に特別料理を出す事を考えた。
風魔に絵を描いて貰い、お品書きにも一品一品絵を描きその下に説明を添える。
そして同じ分だけ品と量を準備し、真空魔法をかけて行く。
一通り準備が終われば、さっそくトリュフを使った料理を作ろう。
おかずはモデルとなったおせちがある。
だからトリュフのリゾットを作る事にしたのだ。
これならいやでも、トリュフ様の凄さが判るってはずだ。
だれも知らない分、あの場所にたくさんあり取り放題。
”明日また連れて行って貰おう♪”
ステーキ肉の上に散らして食べるのも美味しいだろう。
楽しみが出来て、ホクホク顔のフェルだった。
「凄いな!あの泥団子は!!」
海流から褒められる泥団子。
だがその名が定着して貰いたくないので、
「トリュフだよ、海流。」
そう言ってリゾットを食べる私。
一緒に入れたキノコもいい仕事しているね♪
トリュフ様は豚のフェロモンの香りに似ている言っていた。
そこでふと記憶が横切ったのだ。豚……
他しかいたよね。豚の魔物……
「ひい婆、黒トリュフのステーキ美味しい。いつも僕の誕生日に作ってくれてありがとう。凄く楽しみなんだ♪」
「そうかい♪喜んでくれて作った甲斐があったよ。またその本を読んでるのかい?」
「ウン♪連載モノだから、新刊が出たんだ。」
「偉く立派の豚さんだね。鎧を着ているよ。」
「魔物だからね。オークっていうんだ。そう言えば異世界のトリュフ探索では、オークがすごく役立つだんじゃないかな!」
「なぜだい?」
「だってトリュフって雌フェロモンと香りが似ているんでしょ?魔物のオーク性欲凄いんだ。」
「それじゃあ、オークから食べ尽くされちまうね。」
「そうだね。という事は、異世界ではトリュフは食べられない。とっても残念なお知らせだね。」
「確かに残念だ。トリュフをソースに使ったお肉さんは美味しいからね。」
「それじゃあ、トリュフを食べて育ったオークは美味しいって事だね。」
「そう言えばそうだね。でもどっちが美味しいかと言えば、やっぱりソースを使ったお肉だろう?」
「どっちも使った料理が美味しいと思うよ。トリュフ食べたお肉とソース。僕も食べたいな。」
「さすがにトリュフを餌にするのは難しい。(笑)」
「ハア~~、残念だ。」
「どちらにしろいないから諦めな。(笑)」
…… 周辺にいなかったね。
オークも知らないのかね、トリュフ?
知らないなら教える必要もないけれど、魔物のネットワークはバカに出来ないよ。
「どうしたんだ?お腹いっぱいか?」
私が考え込み、食事途中で止まっていた。
皆が私に注目に、一斉に私を見ていた。
”ここで内緒にするように言ったら、大丈夫かね?絶対バレるはず、それじゃあ制限すればいいのかな?”
いかに永遠供給できるのか?
オークは知能が低く、食い漁る恐れがある。(ひ孫談)
でもこの世界の魔物はちょっと違う様なんだよね。
「イヤね。トリュフでひ孫を思い出してね。トリュフで作ったソースは焼いた肉に合うんだよ。」
私がそう言うと、早速取りに行こうという話になる。
「それでね、黒トリュフは豚の雌フェロモンの匂いに似ているから、あっちの世界では雄豚を使って採取していたのさ。」
「なるほど…… ウン?豚??」
「だからね…… オークって魔物いるだろう?」
私が言うと納得したような顔をする風魔達。
「だが今日行った周辺にオークはいなかった。」
「それじゃあこっち魔物なだけに、黒トリュフは範疇にはいらないのかな?」
「どうだろう。だかウ~~ン…… ヤツらがもし知っていたなら、食べ尽くしていると思う。」
やはり前世の私の考えと同じようだ。
話を聞くと、ひ孫の言う様に性欲が強く知能は低いらしい。
ついでに好奇心も強いようで、魔窟レストランによく来る団体である。
「よく果物やキノコ、木の実を持って来る。肉の質はどうしても、強者には負けるからね。」
ついでに野菜などの作物は、ゴブリンが持って来るそうだ。
最近ではワームが耕し、その後ゴブリンが作物を植える流れができているらしい。
”共同経営状態…… ホントなんだろう?魔窟レストランも人間社会に出店されそう。”
ホント魔物の方が一歩リードしている状態だと思う。
”頑張れ、人間、人類よ。”
心密かに、応援する私だった。
次の日風魔はアセリアへ、お重などお土産を届けに向かった。
その間私と海流と一郎は、トリュフを採った場所へ行く。
今日もとってもいい天気!ピクニック日和だと思う。
お弁当もしっかり持参し、思う存分楽しむつもりだ。
”帰るのも明日か明後日あたりか…… ホントのんびり出来て楽しかったね。”
だからこそ今日はいろいろと採取したいと思う。
ライチもキノコも採りたいし、山椒も欲しい所だ。
”木ごと掘り起こして、持って帰りたい。”
そう思うと竹もどきや笹もどき、千両もどきも持ち帰りたい。
まあそれもオイオイ考えよう。
今日はのんびり楽しむと決めたのだ。
「これもなの、ご主人様?」
「微妙に似た物があるから、気を付けるんだよ。」
「キノコと騙し合いですか。勝ってみせます。」
海流はキノコ狩りで、毒キノコばかり採取した経験者だ。
トリュフに関してやる気満々である。
私も屈んで枯れ枝を使い、土をホジホジしている。
採取用のカゴには、いろんなキノコが入っている。
トリュフは昨日専用巾着袋を作ったので、それに入れる。
「しかしこちらのオークはホントに知らないんだね。これの存在。」
「いい香りだけど、ホントに雌豚のフェロモンなの?」
「前世ではそう言っていたよ。」
「一郎、試しに出して見たらどうだ?採取して貰う方が楽だろう?」
「食べ尽くさないかい?」
「そこは大丈夫。魔窟に出禁になりたくないだろうから。」
一郎…… いつの間にとんでボスになったんだろうね。
知らない内にそんなレストラン経営してるし……
「オークさんの採取しているキノコ、私も気になるよ。」
「それじゃあ、今度持ってくるね。果物と木の実も持って来るよ。」
「ゴブリンさんのお野菜も食べてみたい。」
ホントどういう感じなんだろう。
ひ孫に自慢したいよ。
ホント手紙とか、あっちの世界に出せないのかね。
「わかった。いろいろ見繕って、持って来るよ。せっかくだから料理したい。ご主人様いい?」
「もちろんだよ。」
「俺も肉を捌く事は出来るぞ。」
「それじゃあ、肉も持って来ようかな。」
アセリアに帰ればやる事は決まる。
やっぱりやる事は同じなのだ。
日常そこまで変わる事はない。
「ご主人様、お味噌が早く出来る方法も試そうね。」
ホントいろいろと忙しくなりそうだ。
そして次の日アセリアへ帰る。
王都組の帰る後ろ姿を見つめ、これからの事考える私がいた。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




