コロ助誕生。
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
どうしようかなぁ…… と考えていると年輩の女性が現れた。
だから一応年相応に、泣くという行動をした。
するとオロオロする年輩女性。
私は護衛の名前を叫びまくった。
年輩女性は、一旦何処かへ戻っていく。
蹲って、いなくなったのを確認し終わると………
そのままの姿勢で考える事に、さてどうしたものか?
するとまたあの女性がやって来た。
竹筒の入れ物と巾着袋を携えている。
「ごめんなさい。まさかこんな小さな子に… 何と言う事を……」
そう言いながら、手に持った物を牢の入り口近くへ持って来る。
「この竹筒には甘茶を、巾着にはおまんじゅうが入っているの。」
そう言って微笑む女性、だけど私は近寄らない。
「ホントよ。毒とか薬とか入ってないのよ。」
それでも動かない私の様子に、困った顔をして謝る。
「警戒する事は仕方ないわ。現に貴女は牢に入れられている。突然の事だもの、仕方ないわよね。」
そう言ってため息をつく女性、だけど私はそのまま黙って知らんぷり。
「ここに置いておくわ。良かったら食べてね。ごめんなさい。私では無理だけど、上に伝えるから待っていて。」
そう言っていなくなった。………さてどうしたものか?
頭の上からモニョニョと動き出す、チビのワーム。
「……… 差し当たりお前さんの名前は、コロ助とかどうだい?」
まずやる事といったらコレだろう。……ウン♪
チビのワームのコロ助は、コロコロと転がり、喜びの表現をしていた。
私はソレを掴むと、団子を作る様にコロコロと手の中で転がす。
何とも言えない障り心地、こりゃ癖になりそうだ。
「さてコロ助、どうしたもんかね。一郎はなにか話してた?」
するとコロ助は、伸びたり縮んだりしている。
ウン……… わからん。
とりあえず私の安全は確かだろう。
「コロ助、あの甘茶とまんじゅうを、食べても大丈夫か確認できる?」
コロ助はピョンピョン飛んで、巾着袋の中へ飛び込んだ。
「コラ、コロ助!地面の上を転んで、食べ物にダイブはダメじゃないか!」
そう言って袋を開ければ、顔の辺りを膨れませている、コロ助。
つまり確認しているんだろう、今更だった。
私はおもむろに竹筒を開けると、袋からコロ助が出て来る。
さて、どうやって試飲させる?
「お口に入れればいいのかい?」
私が聞いて見ると、身体をプルプルと横振りをする。
どうやら違うという事だ。ならば……
「頭からかけるとか?」
すると、ピョンピョン跳ねて主張した。
だから甘茶を垂らす事にした私、ソレにかかる気ままなコロ助。
コロ助……口に入れないと言いながら、アナタ口開けてますよね?
頭にかけると言いながら、口を開けて飲むコロ助、これいかに?
とにかく普通に美味しいよ♪という様に、身体を揺らしている。
「それじゃ喉も乾いたし飲もう。ついでにまんじゅうも食べよう。」
ゴクンと甘茶を飲んで、まんじゅうにパクつく。
中は小豆ではなく、緑色のあんだった。
「どうやらここには枝豆がある様だね。」
久しぶりに飲む甘茶も美味しい。
「ココはどういう訳か、渋みや苦味が少ないね。うちの大陸自体の問題なんだろうか?」
どういう訳かヒノクニの食材は、うちの大陸
ほどの不味さがない。
もしかして大陸によって味が違うのかもしれない。
実際ヒノクニは、交易をそこまで手広くやっていなかった。
時々チラホラやって来る程度が、領の品種改良から店が出来た。
だから交易に盛んじゃなくても、ちゃんと情報収集はしているって訳だ。
「しかし一郎、アイツ許さん。それとも想定外だったとか…… 」
ブツブツ言いながら茶を飲んでいると、想定外の所で反応するコロ助。
あらま…… となるとさてどうしたものか……
危険はない…… ならアチラの出方を見ようかね。
だって理由を知りたいから、知ったからには手伝いましょうはないけれどね。
私だって、いろいろと忙しいのだ。ホントに……
そういえば、この国にもおせち料理はあるのか?
時間だけはあるから、いろんな事を考える。
バタバタバタ……
おお結構な人数の足音だね。
暢気にコロ助とまんじゅうを食べてる私達。
その光景を見た、偉そうな男性と連れ添いらしい女性。
そして家来らしい男性二人と、先程の年輩女性。
「あ、アレは?!」
体格のいい男性が、コロ助を指差して声を上げる。
それ以外の男性も、目と口を大きく開け驚いていた。
女性達の方はオロオロと目を彷徨わせ、良く状況をわかっていない。
「あのまんじゅうと竹筒は?」
「あれは私が用意致しました。少しでも緊張を和らげようと思いまして、よかったです。警戒して食べる気配なかったので………」
「オイ、あそこで毒見みたいにしているチビはワームだぞ。」
そうこの小さくてかわいい子はワームです。
私は無造作に抱えて、お団子の様にコロコロしながら遊ぶ。
コロ助は、まんじゅうの入った巾着袋が気に入った様だ。
コレを腰に下げたら、ちょうどコロ助を入れて運べるだろう。
そんな事考えていると、向こうでは向こうで何か話している様だ。
コロ助はまた私の頭へ向かうと、モニュと動きモニョニョと動き止まった。
たぶんまたカチューシャになったのだろう。
髪を軽く触ると、三つ編みを綺麗に編んでいる。
私は思わず微笑んで、カチューシャにヨシヨシと褒めた。
その気持ちが伝わったのか、指にツンと当たる。
まるでごあいさつの様に……
「貴女様はもしや、アセリアの姫巫女様ではございませんか?」
偉そうな男性が、私の顔を見ながら聞いてきた。
だから私は、ゆっくりと頷く。しっかりと目を見て………
その返答により、反応は様々な動きへと変わった。
高貴な女性は目を大きく開け、そのまま気絶した。
ワームと指摘した体格のいい男性は、急ぎ機微を返して何処かへ向かう。
もう一人の部下らしき男性も、慌てて何処かへ向かった。
そして偉そうな男性は……
「な、何故このような事に、……」
茫然自失して、立ち竦んでいた。
何言ってんだコイツ……
「それ私が言うセリフ。何故服を試着しようとして床が抜け、ここまでなぜか運ばれている。」
「なん?!なんということ!!」
「この国は、国主体で人さらいをするんだ。ビックリだよ!貴方この国の王だよね?」
どんなにその辺の貴族みたいにしても無理だよ。
だってその刀の紋は王家の紋。だてに前々世王族に嫁いでないの。
普通の子供だったらよかったね。バレちゃった♪
私はニヤニヤ笑いながら、刀の紋に指を差して言うと顔を蒼褪めた。
年輩女性は、そのような事実ございません。本当です!っと訴えているけれど……
そんなの関係ないの。今起こった事実は覆し様がないのだから……
「ホントに申し開きも出来ない事をしたと思っている。まさかアリセアの姫巫女を閉じ込めていたとは!」
「ソレって、普通の一般の子供だったらどうでもよかった。って事だよね?だって余りにも用意周到すぎるでしょ。」
私は呆れ返った様に言った。
あんな仕掛けがある事自体、おかしい。
普通あんなもの、あるはずないからね!
「あ、あの仕掛けはホントに、そんな人さらいを、も、目的としたものではなく!アレはひい爺様が作ったモノで……」
私は呆れた様にジト目で見ている。そんなウソ誰が信用するんだ。
「ほ、ホントなのです、姫様。信じて下さい。」
年輩女性も必死に言うけれど、そんなの信じる訳がない。
そんな感じで二人の弁明を聞いていると………
またバタバタと音がし、体格のいい男性が服屋の従業員を連れて来た。
服屋の従業員は、蒼い顔をして身体を震わせている。
「こ・れ・はどういう訳か、説明して貰おうか!!」
体格のいい部下が私に指を差した状態で、その服屋の従業員に怒鳴った。
「そ、それは…… 若様の指示です。………多分い、今もこの方の連れの……」
歯をガチガチガチといわせ震える服屋。
その様子から一郎の怒気に当てられ、この従業員は隙を見て逃げたよう。
「なぜ人さらいなどしたんだ!それに、この仕掛けは、お遊びで作った演芸用ではないか!!」
演芸用? ………園芸用?? イヤやっぱり演芸用だろう。
それじゃ何?演芸用を使われ、かどわかされたのかい?!
それはそれで人を馬鹿にしている。
「も、申し訳ございません。若様が強き者を集めて、婚姻の儀をぶち壊すとの事で………」
「あれは国と国の契約で決まった事。お主らでどうこう出来ぬ。」
「人の護衛を掠め取ろうとは…… 飽きれ果てる!」
「若様の度量なら大丈夫かと思い、このような幼児を相手するより……」
「そう思って、しっぺ返し食らって逃げたんじゃないのかい?」
私はニヤリと笑い従業員を見た。
もちろん頭の上のコロ助も動きを見せる。
それを見た従業員は、目を見開き固まった。
そんな話をしていると、地面が突如揺れ動き出した。
モニョニョとコロ助は動き出し、身体をみょーんと伸ばすと……
目の前は真っ暗になり、どうやらコロ助に閉じ込められ様た。
つまりさっきの揺れは一郎関係が……
最大限の防御とか言っていたけど、一郎だけでこんな反応するかな?
「…………… もしや一郎だけじゃなく、風魔も海流も怒り心頭かな?」
こうなると困った事になるね。
ここしか醤油も味噌もないらしいじゃないか。
この島がなくなって貰っちゃ困るんだよね………
だけど…… 一郎だもの。
判っているはずだ。たぶん大丈夫。
そう思って目を閉じる。とりあえず終わるまでのんびり寝るのもアリだろう。
真っ暗な空間で一人いるのは寂しいからね。
目を閉じて寝とくのがいいのさ、こんな時は……
防空壕でもそうだったからね。いつか終わるのさ……
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




