表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/68

泉の受難 教国の出来事

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 

【 泉視点 】




 フフ~~♪

 私の足なら教国まで一っ飛び~~♪

 久しぶりの一人旅♪楽し~いな~♪


 鼻歌を歌いながら、パッパカパッパカ軽快なリズムで駆けているの♪

 しっかりお使いの任務を遂行しなくては!

 大河より先に一人で任務♪フフフ♪頑張るわよ~~♪


 ****************


 教国に着いた。用心の為に人化して♪

 キョロキョロ、さてさてさて♪

 建物全体が白いから、位置確認が解り難いです。

 でも凄く統一感があるし、蒼い海と空のコンストラクトが素敵です♪

 窓辺に咲く花がとっても可愛い。洗濯物さえおしゃれに見える。

 でもずっと坂道なのは大変です。道も狭いし………

 目的の場所は山の上。

 こんな時、海流兄さんみたいに空が飛べたらなぁ………

 そうしたら、あっという間に着くのにな。


 トントン………


「うん?」


「久しぶり~、珍しく一人?」


「あら!ホント久しぶり~♪元気にしてる?」


「もちろんヨ!最近面白事なってるから、ワクワクしてるのよ。」


「面白い事?」


「早々、()()()()があるのよ!」


「うん?」


「つまりね、()()()()()()が存在していたの!コレは凄い事ヨ。ありがとう、()()()()。ありがとう、世界!!ヒハー♪」


 この子ホント興奮するとこうなるよね。


「ソレってアセリア領の事じゃない?ワーム達が今、頑張って()()()()()よね?」


「そうなの!だから私も頑張って、拡げようと模索しているのよ。海は元々魔力巡回がいいから、そこまで食べ物の事を気にしなかったの。でも地上がマズイというのは仲間内でも有名だからね。でも地上の美味しいが凄く美味って聞いてもう堪らないの。この前たまたま美味しいで作ったスープ飲んだの。天国に言ったわ。私生きててよかった。ありがとう神様。ありがとう、人間。頑張って作ってね。」


「でも魔物も畑耕しているらしいよ」


「え、ホントに?!」


「うん……… 」


「そう……… なら私も作るわ。美味しいを!!」


「え?!本気なの?!!」


「もちろんヨ。海水に近い土地でも大丈夫な野菜何かしら?」


「ウ~~ン?ちょっとお兄ちゃんに聞くわ」


「ああ…黒ケルピーね。お願い。」


「トマト?キャベツ、ビートがおススメ」


「どうだった?」


「トマトの美味しいは凄いのは知ってるの。でビートがおススメだそうよ。なんでも葉も根も食べれる。根は砂糖が作れるそうよ。」


「私甘いの大好きよ。ちょっと最高じゃない♪」


 セイレーンは踊る様にクルクル回りながら言う。

 回りに人が溢れていようとお構いなし。


「ちょっと、回りの邪魔になるわよ。」


「フフフ、私気にしないわ。」


 それを言うのは、アナタじゃなくて回りなの……


「私とりあえず用事があるから、ここでバイバイするわね。」


 用事をさっさと終わらせよう。

 この子と話すと時々長くなるんですもの。


「え~~~、せっかくあったのにバイバイって、冷たいわよ。」


「だって私別に遊びに来た訳じゃないのよ。」


 私がここにいる理由を遊びたと思われたくない。

 立派な()使()()が存在するのよ。


「もしかして契約してるの?名前持ち?」


 ビックリ顔をして私を見ている。


「ウフフ、今は泉っていう名前なのよ。素敵でしょ、私の名前♪」


 思わず顔がニマニマするわ。

 セイレーンにいろいろ自慢したくてたまらない。

 だけど、そんな時間ないのよね。


「だからごめんなさい。とにかく今は先に用事を済ませたいのよ。」


 クリスも忙しいみたいだし、三郎の話だと早い方がいいみたい。


「行く………」


 突然セイレーンが訳の解らない事を言う。


「何を言ってるの?」


「私もその用事ってヤツに付き合うわ。何故かわからないけれど、行った方がいいような気がするんだもの。だからついて行くわ。」


 なぜかとっても偉そうに、フンと鼻息荒く言うセイレーン。

 言われた泉は訳が分からない。


「なんかとっても恩着せがましく、聞こえるのだけれど?」


「別に音を着せようとは思ってないわよ。ただ予感がするのよ。行った方がいいって!」


「ええええええ?!」


「とにかく行くわよ。行きながら、教えてちょうだい。私絶対役に立つわよ。」


 グイグイと引っ張るセイレーン。

 でもこの子の勘はバカに出来ないのよね。


「わかったわ。それじゃあ話すわね。」


「ええお願い。」


 なぜか腕をしっかり組んで、ズンズンと聖堂の方向かう綺麗な二人の女性。

 脇目にそれを見た男性達は、とっても残念そうに思った。



 しかし歩けど歩けどよね。


「二本足は効率悪いわよね。進まないわ。」


「イヤ二本足関係ないわよ。ただ坂道が面倒なだけだわ。」


 息が切れる事はないが、精神的な疲れはやって来る。

 とにかく面倒ただ一点。


「魔法でショートしたらダメかしら?」


「ダメに決まっているでしょう。お使いよ。そんな事したら、警戒して大変よ。」


「こういう事を、「急がば回れ」ね。なるほど……」


「なんか貴女から、高尚な言葉を聞いたような気がするわ。」


 失礼な事に、セイレーンは心底びっくりした顔で、私の額に手を置いている。


「何よこの手は?」


「イヤ……… 頭大丈夫かなと思って?」


「熱があるかじゃないのね……… 」


 ホント失礼しちゃうわよね。

 頬をプウと膨らませ、不機嫌な顔をする泉。

 でも足の歩調は変わらず、ズンズンと坂を上って目的地を目指す。


「ホント面倒だわ……」


「あの近くの水源までなら、ショートしてもいいんじゃない?私も飽きたわ。」


 二人顔を見合わせて、ニンマリと笑い即実行する。




 目の前には大きな木が一本あり、辺りをなぜか白いレリーフの壁で囲われている。

 いったいここはどこなんだろう?


「セイレーン?何だかここ変じゃない?」


「ごめん、間違えたわ。ここって禊の泉みたい。」


 二人でコソコソと移動しながら、如何にかばれない様に辺りを見回す。

 今は幸い誰もいない。だから今のうちに少しずつ移動すれば大丈夫なはず、


「貴女に任せたのが間違いだった。」


「貴女も早く目的を済ませたいと思ったんじゃないの?私は坂道もう嫌しか思ってないもの。」


 そう水を渡る時思った感情で、魔法が左右される事がある。

 今回見事にそれがでて、なぜか聖堂の泉に移動したのだった。

 もちろん戻ればいいのだが、そこはやっぱり面倒で戻るという選択が二人に存在しなかった。


「ところでここは、建物のどの辺りかしら?」


「わかる訳ないわよ。どこかに地図なんてないのかしら?」


「それこそある訳ないじゃない。賊がホイホイ入って来ちゃうわよ。」


「ねぇ…… その賊って今の私達よね?」


「そうともいうわね。」


 二人はまた顔を見合わせて、ため息をついて前に進むのだった。


「だいたい禊の泉ってわかるなら、ここがどの辺かわからないの?」


「わかった理由はレリーフの絵よ。それを見たから分かったのであって、場所はわからないわよ。」


 ブツブツ言いながら、階段を上っていく二人。

 せっかく坂を回避したつもりが、今度は階段地獄が待ち受けていた。


「何でこういう事になるのかしら?」


「知らないわよ。こっちが聞きたいわよ。」


 二人はブツブツ文句を言いながら、とりあえず進んでいくのであった。




 最終的には、二人は無事に教皇の前へと着く事が出来た。

 もちろん怪しいヤツと捕まりそうになったけど、どうやら神託で救済されたという事だ。


「しかしこんなしょうもない事で神託って、何でかしら?すっごく自分が情けなく思えてくるわ。」


「それを言わないでよ。私だって落ち込んでいるのよ……… 」


 二人は教皇の前で身を縮こませ、ブツブツといい合うのだ。

 それを教皇と枢機卿らは、ほのぼのと眺めほほ笑んだ。


「神様より神託は頂いておりました。建国の承認は認めております。」


 ニコニコとほほ笑み、飲み物とお菓子を進める。


「しかし禊の泉に行かれるとは………」


 クスクス笑われている二人。

 どうやら神はその理由まで、しっかり説明している様だ。


「何でそんなどうでもいい事を言うのかしら?」


「ああそれはですね。どうやらお笑い系がお好きな様です。」


 枢機卿が理由を教えてたけれど。


「そんな情報知りたくなかったわ。」


 セイレーンの言う通りだと私も思った。

 とにかくこちらから説明しなくても、いろいろ事情を知っている様だ。


「今すぐ出立出来るように準備します。王国教会もいろいろと、やりたい放題の様ですからね。」


 何故今まで放置状態だったのだろう?私の顔に疑問が浮かんだからだろう。

 枢機卿が言うには、神にもいろいろ理由があり、手が出せない事もあるそうだ。


「ところでセイレーン様にお伺いしたいのですが?」


 改めて教皇が、セイレーンを見つめて聞いて来た。


「その首の後ろにいらっしゃるのは、妖精ではございませんか?」


 なんですって?私はギョッとし、セイレーンの首の後ろを確認する。

 すると………


「何で言うのよ!ほっとけばいいじゃない!!」


 小っちゃい女の子がギャイギャイと喚いて飛び出した。

 どうしてこんなに小さいのに、声がこんなに聞こえるのかしら?

 とっても不思議で疑問だわ。そして何故セイレーンについてるの?


「そうは参りませんよ。盗み聞きなど淑女がする事じゃないですよ。」


 淑女?このちみっこが??

 訝しげな顔で教皇を見る私に、ニッコリとほほ笑む。


「見た目は小さく可愛らしいですが、この世界最古とも言えるようなお方ですよ。」


 噓でしょ?!私は驚き、マジマジとちみっこな妖精を見る。

 フワフワと緑の髪に、金色の瞳。

 髪にどんぐりの髪飾りをして、小さな赤い鞄をかけている。


「その小さい鞄に何が入るの?」


 とても素朴な疑問だった。だって米粒が1つ入ればいいくらいだもの。

 しかしそれが失敗の素だった。


「貴女知りたい?この小さな鞄に、どんなモノが入るか知りたいのね!」


 セイレーンがあちゃ~… という顔をして、顔を背けた。

 それを疑問に思いながら、私は思わず頷くと……

 怒涛の様な説明の嵐に、巻き込まれる事になる。


 ”なるほど…… セイレーンの態度の意味がわかったわ…… ”


「ちょっと、貴女!人が説明している時に、意識を他に向けるなんて失礼だわ。とにかくに…」


 私はとっても遠い目をしていた。

 そして、私と一緒に巻き込まれた教皇と枢機卿らに、心の底から詫びた。

 とにかくこの妖精が、無類の魔道具好きという事はわかった。


 ほとほと疲れるわね。ホントに………


 教皇と枢機卿らと、更に私とセイレーンは、約半日分の魔道具の説明を受けたのだった。


「泉殿、ぜひこの妖精を連れて行きましょう。必ず必要になりますからね。」


「アセリアって料理だけじゃなくて、魔道具もたくさん存在するのね。それも参考にしているのが異世界だなんて!!行く!行くわよ。更に更に!生臭い事件に対戦前の魔道具が関係するだなんて♪世界が私を呼んでいるわ!キャハ~~♪♪」



 前途多難だわ。まったく………




読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ